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言ってしまったあと、恥ずかしくなって黙っていると、尊さんは私の耳元に顔を寄せて囁いた。
「嫌って言うほど啼かせてやる」
その低い声を聞いた瞬間、全身にゾクゾクとした愉悦が駆け抜ける。
温泉に浸かっているだけでなく、体を火照らせてしまった私は、尊さんの指をキュッと握り、「…………にゃあ」と鳴いた。
お風呂に上がったあと、尊さんに先に出てもらった。
バスルームに入る前、私は例のセクシーランジェリーをバスタオルに挟み、洗面所に持って行っていた。
彼も私が何か準備をしていたのは察していたのか、途中で口を挟む事はなかった。
……こういうの、途中で指摘されると、恥ずかしくて堪らないので……。
(うーん……)
私は鏡に映った自分を見て、額に手を当てる。
「……えっちだ……」
せっかく尊さんがお高いホテルをとってくれるのだからと、私もオーバドゥの下着で挑んだ。
白いレースのセットなのだけれど、上半身はブラジャー……と言えるのか分からない、三角形の紐だ。
ショーツは一応下着の形をしてくれているけれど、フロントからバックにかけてちっちゃいボタンがついていて、その気になれば開けゴマだ。
加えてショーツにガーターベルト的な物がついていて、太腿では二重になった細いレースのバンドがある。実にエッチだ。
他のブランドに、肝心な場所にパールがついている下着もあったけれど、具を巻き込んで事故を起こし、痛い思いをしそうなので今回は見送っておいた。
(それにしても白で落ち着いてしまったけど、良かったのかな。リサーチした時は黒とか赤とか、どピンクとか色々あって、何が尊さんの本能を掻き立てるか分からなかったもんなぁ……。本人に聞くのも恥ずかしいし)
聞いたとしても、尊さんなら「朱里は何色を着ても似合う」って言いそうだ。
嬉しいし、本心から言ってくれていると思うけれど、こういう時は困ってしまう。
「これで……、行ってみますか」
鏡の中の自分に向かって呟いた私は、バスローブを羽織ってキュッとベルトを締め、「まるでセクシー女優が現場に向かうようだ」と思いながらドアを開けた。
(う……)
室内の照明はグッと落ちていて、バスローブを羽織った尊さんがベッドの上で待っている。
「お……、お待たせしました」
ベッドの前に立った私はそう言って、ぎこちなくマットレスの上に上がる。
「セクシーランジェリー着けてきてくれたのか?」
「……はい」
ベッドの上に正座した私は、いつものようにふざける余裕もなく、小さく返事をした。
「見せて」
ヘッドボードにもたれた尊さんは、余裕たっぷりに見えて憎たらしい。
「み、尊さんもバスローブ脱いでくださいよ。一人だけ防御力低くなるの嫌です」
「分かったよ」
彼は小さく笑い、ライトグレーのバスローブを脱ぐ。
すると間接照明に照らされて、鍛え上げられた体が露わになり、逞しい胸板や腹筋の凹凸を見ただけでドキドキする。
「……笑わないでくださいね」
私は断りを入れ、静かにバスローブを脱いでいく。
肌が露わになった瞬間、見られているという感覚もあり、全身に鳥肌が立って乳首が硬くなったのが分かった。
恥ずかしくなって胸元を隠そうとしたけれど、その前に両手首を握られる。
「隠すなよ」
「うう……」
下着はヤル気満々なのに、着てる人は羞恥のあまり逃亡寸前だ。
「可愛い。……もっとよく見たいから、こっち来いよ」
尊さんはグイッと私の腕を引き、胡座をかいた膝の上にのせる。
彼は興味深そうに下着を見て、紐の隙間に指を挿し込む。
「下は? 穴空いてないやつ?」
「…………それがなんと、ボタン開閉式でございます」
堪らずテレビショッピング風に言うと、彼はフハッと笑って「至れり尽くせりだな」と言う。
冗談を言ってこの空気を誤魔化せたと思い、安心していた瞬間、露わになった乳房をツ……と撫でられて、「ひぁっ」と悲鳴が漏れた。