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「あはは。相変わらず明け透けだな、ジュリアスは。」
話しを面白可笑しく訊いて
自分で言うのもなんだが見合い話しなら数多とあったしどれも蹴ってきた。王さまのお供で夜会に行けば声を掛けられないことの方が珍しい。
そんなまぁ、自他共に認める俺が結婚を口にしたことなど1度もなかったのだから王さまとて驚くのは、無理もない。正直自分でもこんな選択肢が内に潜んでいるなど知る由もなかったのだ。
「そうか・・・おめでとう。」
「ありがとうございます。」
「それで。どこの令嬢だ?お前ほどの奴を射止めたのだきっと変わり者だろう。」
「なにを仰るのです王さま。我が妻になる婚約者殿は、恥じらいがあって少々パニック体質な可愛らしい女子ですよ。」
彼女のそのままの姿を伝えた。
「はは、そうか。そんなに夢中か。しかしお前の両親は、許さないだろう。急に結婚相手を連れて来たら・・・」
「そこで王さまにお口添え頂けないかと・・・思いまして。」
主に畳み掛ける。
「どうでしょうか。」
「もちろん。
お前が選んだ女子なら文句はない。王宮で盛大な結婚式を挙げさせる。」
「ありがとうございます。これで両親の反対も落ち着くでしょう。」
煩い外野を黙らせるのも狙いであった。そして王に結婚を後押しさせ彼女の逃げ道を塞ぐ狙いも成就した。
「ジュリアスが結婚か・・・早くお前を射止めた婚約者殿に逢いたいな。」
「そのうちに是非、お目にかけます。今は、長旅で疲れておりますゆえご容赦を。」
「それは仕方がないな。しかしここの気候は穏やかだ気に入ることだろう。」
「はい。王さまの口添えをいただき安堵しております。」
「逢うのが楽しみだな、どんな女子なのか…」
自分のことのように喜んでくれた。
手に入れたのは、どんな鳥・・・・・・?