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#異世界転生
しめさば
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#ロマンスファンタジー
花月夜れん
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榎本くもり
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私はペンさんに、信じてもらえるかわからないけれど事情を全部話した。
「ふむ、そうか――」
「作り話だと思ってる? 頭がおかしい?」
「いや、シロが……、リアが人間のように話しているから、不思議だったが、そうか。違う世界から来た人間とは」
信じてくれたのかな?
優しく、髪を撫でられる。
「試してみるか?」
「え?」
「元の世界に戻る方法を」
「え?」
「口付けをすればいいんだろう?」
真面目にペンさんが、こちらを見ながら言ってきた。
「あの、でもそれは、愛し、愛されてないと意味がなくて――」
「俺の方は問題ない。お前のことを愛しているぞ」
「え?」
「だから、リア。お前が俺を愛しているなら、元の世界に戻れる」
「え?」
「愛していないのか?」
大真面目に聞かれて、気が動転する。
まって、まだ会って二週間だし、お互いのことまだまだ知らないし。あ、でもペンさん、カッコいいし、可愛いし、料理を美味しいって言ってくれたし。
頭の中を、高速で駆け巡る二週間の間に見たペンさん。私も、惹かれているのは確かだと思う。
「好き……だと思う」
ペンさんは、ニヤリと笑った。
あれ、そんな顔もするんだ。
「こっちを見ろ」
いつになく、強気なペンさんに戸惑う。頬と肩に手をおかれ、引き寄せられる。
顔が、口が触れる、そう思った時、私は全力で避けた。
「キスしたら、元の世界に連れて行かれちゃう! そしたら、ペンさんに会えなくなっちゃう! そんなの、嫌だ!」
ペンさんは、驚いた顔をしていたかと思えば、嬉しそうに笑っている。
「可愛いな、リア」
そう言って、ちゅっと頬と耳の間に口付けを落とされた。
「口じゃなければ、いいのだろう?」
ペンさんの唇が触れた場所を私は手で押さえた。
クックッと笑いながら、もう一度顔が近づいてくる。
今までと、何だか違う!
何だ、このイケイケペンさんは!?
「まって、まって、まって!」
「何だ?」
「何で急にこんな――」
「……」
ペンさんは少し考えているのか、止まっている。そして、口が開いた。
「帰りたくないと言ってくれて嬉しい。好きだと言ってくれて嬉しい。ただそれだけだ」
ブゥゥゥッと誰かが吹き出した。えっと、誰?
「ペンドラゴン、あかん、もうダメ! 笑い! 死ぬ!」
「うるさい! 覗くな! いつから見ていた? エント」
何だか、言いあいが始まった。置いていかれてる私はどうしたら?
「まぁまぁ、ウチも暇なんよ。面白いもん見れたわー」
「お前のせいで台無しじゃないか」
「ごめんなー。おもろかったわ」
「あの、この声はどこから?」
ペンさんが嫌な顔をしながら、声の主の名前を呼ぶ。
「エント。ここを守護している木の精霊だ」
「え?」
目の前でしゅるしゅると蔓がのび、人の形になる。どうなってるの、これ?
「見えてるかな? 初めまして、エントでーす」
「初めまして、えっとリアです」
「おー、この子見えてるんだ! これはかなり力があるのかな」
「そうだな、だがお前にはやらんぞ。俺のだ」
話が見えない。私は頭に? が浮かぶ。
「ちぇー。ま、しゃーないか。相性も悪かったみたいやしな」
エントと呼ばれた、緑色の髪の少女はくふふと笑っていた。
「ねえ、ペンさん」
「何だ、シ……リア」
慣れないのか、言い直す彼は可愛い。
「急に、その、逃げにゃくにゃったのは何で?」
「ん、せっかく互いに思い合っているのがわかったのに、時間が勿体ないだろう?」
「まあ、そうにゃんだけど」
今度は額に口付けを落とされる。
「あの、すっごい見られてるんですけど」
「アイツは見えないものだと思え」
がっつり見えてるので、それは無理です。
くふふと笑いながらこちらを見ているエントは目を輝かせている。
「エント! 俺がいいと言うまで姿を消しておけ」
「はーい」
するんと消えた彼女は、何処に行ったのだろう。まだ、その辺にいる気がして落ち着かない。気のせいか、くふふと笑う声が聞こえる。
「ここにいつもいるからな……、追い出す事も出来ないし。むしろ、俺の方が後からここにきたから――」
「そうにゃんだ」
「庭にでるか」
外の空気を吸おうと、ペンさんに誘われる。エントから離れるためなのかな?
「もう星が見える時間だ」
「うん、綺麗だね」
地球とは違う、赤黄青色、三つの月が夜空に浮かぶこの世界。星の煌めきは地球とあまり変わらないけれど、ネオンの光がないからとても綺麗に輝いて見える。
「あ……」
一つ、星が流れるのが見えた。
「どうした?」
「いま、流れ星が見えたの」
「それがどうしたんだ?」
ペンさんは首を傾げる。
「私の世界にはね、星が流れている間にお願い事をすると叶うって言われているんだ」
ふむ、と少し考える素振りをすると、彼は手をあげながら何かを呟いていた。
「――――よ」
「ペンさん? 何を」
「ん、星が降ればいいのだろう?」
ヒューヒューと何か風を切るような音がする。
たくさんの流れ星が空を横切り、そう、迫ってくる!?
ドーンドーンドーン
「まってまってまってぇぇぇぇぇ!」
「ここは結界があるから大丈夫だぞ? さあ、願い事をするといい」
「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
何やってるんですか! この人はぁぁぁ!?
「ストップ、ストップ、ストップ!」
「もうすぐ止まる」
そういうと、流れ星の大群は止まった。
「願い事は終わったか?」
「……うん」
って、言わないとまたあれをされては困る。
「何と願ったのだ?」
そう聞かれ、私は焦る。ペンさんがじっとこちらを見つめながら、答えを待っている。
「ペンさんとずっと一緒にいられますようにって――」
目を大きく開いて、嬉しそうに笑うペンさん。
そして、彼は私を腕の中に招き入れぎゅっと抱きしめた。
「リア、口付けがしたい」
「ダメ! 一緒にいられにゃくにゃる!」
「1ヶ月か……。長いな」
寂しそうなペンさんの頭に、垂れた犬耳が見えないけれど見える。
「1ヶ月たって大丈夫にゃら、私からしますから! 待っててください」
そういうと、ペンさんは元気を取り戻した。
「しょうがない――」
口付けを口をはずした場所にたくさん落とされる。くすぐったい!
「約束だぞ」
私は、こくんと頷いた。
最初は、この世界に戸惑ったけれど、ペンさんとなら生きていける気がする。
私の初めての恋。
叶ったってことでいいのかな?
「ねぇ、にゃにゅにょにゃんとかにゃらにゃいかにゃ」
「そうだな、少し改良すれば、大丈夫だろう。でも、もう一度飲むことになるぞ?」
あれかぁ。まあ、このままじゃ話しにくいから、頑張ろう!
二人でなら、きっと何でも乗り越えていけるよね。
さぁぁと頬を撫でる夜風が、とても心地よかった。
ーーー
これが、私達の出会い。そして、とても懐かしい思い出。
――竜になった魔法使いとその花嫁――
コメント
1件
えぇ〜!?このエピソード、甘すぎてにゃんにゃん叫んじゃったよー!!😭💕 「帰りたくにゃい」って言っちゃうリアちゃん、その気持ちわかる!ペンさんのイケイケモード急すぎてこっちも戸惑ったけど、エントの乱入で笑い死にするかと思ったww 流れ星降らせるって何それロマンと破壊力詰め込みすぎでしょ✨ 「一ヶ月後に私からします」って約束、尊すぎて鼻血出そう…!ペンさんの待つ犬耳見える描写もエモすぎ。次回も絶対読みます💕