おれってなにしてたんだっけ
しんだんだよな
『おいっ!』
「え…」
(だれ?
シャル「おれを無視するとか何考えてんだ?」
身体を起こし周りを見渡す。何も無く薄暗く所々にひびが入っている空間
碧「もしかして…シャルロット・ウィル・メルーデル?」
シャル「ふーん、わかってるじゃん」
ぼんやりとしか見えていない姿に、まさか本当に当たっていたのかと驚いた。
(え、でもシャルロットは俺が見てた小説のキャラで…
シャル「…いいか、1度しか言わないからよく聞け」
碧「う、うん」
シャル「おれを、たすけてっ…」
俺の肩を掴んでギロリと睨みながら聞けと言ったシャルロットは泣きそうな顔になりながら唇を噛み締め言った。
シャルロット・ウィル・メルーデル。物語の主人公であるロイ、聖人をいじめていた悪役令息だった。
だがシャルロットは何回も同じ世界を繰り返している逆行者であり、何度もロイに好きな人を奪われ、レイート王国の王になったルイスの妃となった。ロイをいじめていたことが分かり処刑された。
シャルロットはもう限界だったのだ。抜けられないループに何回も好きな人を取られ処刑され、何をしてもその運命は変わらない。いじめをしなくともしたことにされ処刑される
だから処刑された時、死ぬ瞬間に魔法を展開し、俺がここに呼ばれた。
碧「まだいまいち分からないけど、いいよ」
碧「あとは俺に任せて」
シャル「…ふん、おれがなんどやっても無理だったんだ、簡単に行かないからな。」
シャル「…おれの好きな人をロイから、救ってくれ。」
シャル「それと…ありがとう」
お礼を最後にシャルロットは光となって消えた。俺はそのまま眠気に襲われ目をつぶった。
(本当に悪役様は素直じゃないなぁ
________
「う、」
目をうっすら開け、辺りを見渡す。
起き上がったシャルロットを見てシャルロットの母、メルーデル王国の王女のロート・メルーデルが俺を抱きしめた。
ロート「痛いところは無いですか!貴方崖から落ちたのですよ!?」
ほっぺたをむにむにと手で挟み痛いところがないかと聞いてきた。
シャルロットは兄には嫌われていたが父にも母にも愛されていた。だが父の様子が変わったのは数年後だ。
本当はシャルロットの兄は1人、養子として迎え入れたロイの才能に気づいた父はロイを溺愛した。その後だった、母が病で倒れ兄とロイに父を取られシャルロットは一切相手にして貰えなくなったのは。
シャル「…だ、大丈夫ですお母様」
ロート「今すぐ医者を呼びます、安静にしててください」
ロートはシャルロットを寝かせ布団をかけ頬に口付けをし部屋を後にした。
(大丈夫、シャルロットが主人公の番外小説は沢山読んだじゃないか
姿見鏡を見つけ、ベッドから降りて鏡を見た。
(ヤッパリ小説通り、少し長い黒の髪に白い肌、綺麗な顔立ち、ん?
本来シャルロットの目は赤色、黒い髪に赤い目を気味悪がられていた。はずだ
(青い目、御宮 碧に引っ張られてる?
前世である碧はハーフであっため目が青かったがそれがシャルロットにまで影響したらしい。
(シャルロットはまだ10歳、ロイが来るのは学園に行く数ヶ月前だから後5年か…
コンコンコン、3回のノックが鳴った。
(医者かな…
シャル「どうぞ!」
医者「シャルロット様、ご無事に目覚めたようで良かったです。」
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1話 END11/30
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