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最終章:正義とは何か
ラージャとナースティカは二手に分かれ、再び合流してたどり着いた。
ラージャ「体力はどう、ナースティカ?」
ナースティカ「大丈夫だ、腹は減ってないか?」
ラージャ「減ってる…僕たち狩りができないから魚とか爬虫類捕まえて食べない?」
ナースティカ「お前は泳げるのか?」
ラージャ「ううん…僕は水に入るの苦手…」
ナースティカ「だったら俺が水場に入ってみる…」と言って近くの水の中に「ザブーンッ!!」と入った。
※ライオンはイエネコ同様水が苦手と言われることが多いですが、時に水に入ったりする習性があるそうです。特にライオンの個体数によっては水自体が大好きで入っているデータもあるそうです。
ナースティカは狩猟本能を活かして水中にいるクチバシのように細長いバーラトガビアルというワニを一頭頭を噛みつき、運んでいた。
一方ラージャは大好きなトカゲを猫遊びで2匹仕留め、その後イモムシやバッタを捉えて運んだ。
ナースティカはガビアルを床に置いてこう言った。
ナースティカ「お前、トカゲと虫しか捕まえないのか?それで腹を満たしたっていうのか?」
ラージャ「そうだよ。でもしょうがないよ…草食動物なんて食べれたもんじゃないよ…生々しいグチョグチョを子供の頃から聞かされてたから…」
ナースティカ「そうだったのか…少しずつでいいから先にお前からワニを食べろ。俺はお前が捕まえたトカゲを食べる」
ラージャ「いいの、ナースティカ?」
ナースティカ「お前のために言ってるんじゃない。本来ライオンは肉を多く食べないと力をみなぎることもできないし、狩猟本能を研ぎ澄ますことができないからな…だから先に食べろ」と言ってナースティカは初めてのトカゲや虫を生々しくグチョグチョと音を立てながら頬張った。人間で言うクチャラーのような音だった。
ラージャは本来ライオンの持っている肉を食べたいと言う普遍的な本能を呼び起こし、我が夢中にガビアルの鱗を牙で激しく取り除き肉を「グチョグチョッ!!グチョグチョッ!!」と頬張った。
ラージャの心の声「こんなに肉が食べれるなんて…嬉しい…子どもの頃嫌がってた肉がこんなに美味しく感じるなんて….」と。
ナースティカも虫やトカゲを食べ切った後、
ガビアルの肉を一緒に頬張った。なぜなら一頭だけでは充分食べ切れる肉の量ではなかったからだった。見方を変えればラージャにとっても贅沢に初めて爬虫類肉を食べれ、ナースティカにとっても初めての野生暮らしを堪能できた。お互いに思春期特有の葛藤を抱えながらも足りない部分を補い合える親友、血のつながらないきょうだい関係のようにも思えた。
ここで思春期のプリヤンカが登場した。
プリヤンカ「ここにいたのね、ラージャ…お願い戻ってきて頂戴…あなたがいなくて困ってたの!あなたはネコのムラ社会で次期用心棒になる唯一のオスライオンなのよ?パパの後を継ぐために戻らなきゃっ!」
ラージャ「でも嫌だよ、プリヤンカ…こんなムラ社会はいらない。僕だって親友のナースティカと一緒に暮らしたい…野良猫二頭でね」
ナースティカ「本当に次期用心棒になるのですか、コイツは?」
プリヤンカ「そうなの。だから早く連れ戻すよう頼まれたの!私は彼と交尾して子孫を多く残したい思いなの!!」
ラージャ「もう発情期なの、君は?!君の発情期に僕は付き合いたくないっ!!」
ナースティカ「実は俺たち2人はホワイトタイガーに追われているんです。なので俺たちをどうにか匿って欲しいんです。俺はトラがいなくなったらムラ社会を出てって野良猫として生きるつもりですから」
プリヤンカ「わかったっ!」と言って3頭で一緒にライオン集落に走って向かった。
ネコのムラ社会にて
ガウリ「やっと帰って来てくれた…そっちのホワイトライオンは誰なの?」
ラージャ「僕の親友のナースティカ。」
プリヤンカ「ラージャのお母様、実は私たちホワイトタイガーに追われているんです。」
ナースティカ「おそらく標的はラージャです。」
ラージャの回想シーン(数時間前の出来事だった。
ラージャが『今ガオォ!!って言わなかった?!遠くから聞こえない?何だか怖い感じ…』
ナースティカが『これはトラが近くにいる合図として咆哮している。そうすれば、他の動物たちがトラにいることがわかるから安心して逃げられるからな。まあこれは縄張り主張でもあるからこれ以上入るなっていう警告かもな。この場所を退くぞ…ライオン一頭が同じネコ科のトラに真正面から挑むなんて無謀過ぎるからな』
その時ホワイトタイガーが一頭ラージャとナースティカの方へ向かった。
そしてラージャとナースティカはひたすら逃げるのだった。
ホワイトタイガーのヴィヤーグラ(人間年齢だと35歳)が走ってライオンを見つけては『おやおや、情けねぇなぁタテガミネコの癖に逃げやがってよぉぉ!!!!ライオンは常に勇敢なんじゃねぇのかよ?!!俺はな、お前らみてぇな群れでしか暮らせねぇネコ社会を見ると羨ましくて、ぶっ殺したくて仕方ねぇんだよ…だから俺と戦ってくれよ!!!!』と追いかけた。
ナースティカ『奴の挑発に乗るな、ラージャ!俺たちライオンも常に怖い思いをしている!』
ラージャ『わかってる!!でもライオンが勇敢?僕は全然勇敢じゃないよ!!』と逃げるしかなかった。
ラージャ『ネコ社会?僕だってプライド社会から抜け出して、本当はイエネコになってたら理想のぬくぬく暮す人生歩みたかったけど無理だ…』
ナースティカ『俺たちのこの大きさだとどうなるのかさっきも言っただろ?』
ヴィヤーグラ『イエネコだと?
ふざけんじゃねぇよ!!俺だって好きでトラのオスになったんじゃねぇんだよ!!!!こんな白い見た目で、家族に見放されて、ヒューミーに拾われた俺の気持ちなんかわかるもんか!!!!
お前がドブに捨てようとしているその『親の愛』は俺が血の涙を流しても手に入らなかったものだぞ!!
俺が自分の爪で引き裂いてしまった、あの愛おしい時間を、お前はそんな風にドブに捨てるのか、この世間知らずなお坊ちゃんがよ!!』とさらなる怒りが呼び起こされた。
ナースティカ『全力で逃げるぞ、ラージャ!!トラは奇襲や短距離走るのは得意だが、長期戦はかなり不利だ。この弱点を利用して、最後まで走り続けるぞ!!』)
ここで回想シーンを終わります。
ヴィクラン「そうだったのか…」
ガウリ「ナースティカ、一旦ここで泊まりなさい。今はトラから身を守ることが優先だからね…」
ナースティカ「ありがとうございます、お母様…俺は本来こんな身体で群れの一員にはなれないはずなのに受け入れてくれるとは思いませんでした。ですが、事の自体が終わればすぐ出て行きます。こんな白い見た目では狩りに支障が出ますし目立ってしまいますから」
他のメスライオンA「誰もお前を責めたりしないよ」
メスライオンB「ラージャを助けたのは君だから、今日は泊まっておいで!!」
プリヤンカ「ライオンの群れはヒューミー共からプライドなんて呼ばれてるけど実態は違う。ライオン社会とはヒューミーが思ってる以上に過酷なネコのムラ社会ってことよ。ネコ科で唯一群れを成せるのはライオンなの…しかも権限はメスにあるからそれに従いなさい、ナースティカ。それがここの文化的マナーなのよ」
ナースティカ「ありがとうございます…」とお礼を言った。
そしてナースティカはガウリとプリヤンカたちメスライオンに対する敬意を込めて、敵意がないようにお互いにイエネコみたいに顔をスリスリと合わせるのだった。お互いにフェロモンを交換し合い、リラックスしていくのだった。
コメント
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ラージャとナースティカの距離感がいいなって思った。狩りの場面で、ワニを譲って自分はトカゲや虫を食べるナースティカ……親友ってこういうことか、と。あとヴィヤーグラの「親の愛」の台詞は刺さったわ。ただの襲撃者じゃなくて、過去が見えると敵にも感情移入しちゃう。白いライオンが群れに受け入れられるシーンもほっこり。最終章って名前だけど、トラとの対決はまだまだこれからだよな。続き楽しみ🔥