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――銃声が、夜の森を裂いた。
薄暗い工場の外。
湿った地面に足音が響き、黒い影がゆっくりと姿を現した。
「……久しぶりだな、いるま」
その声に、いるまの眉がわずかに動いた。
振り返れば、そこには銃を構えた真志が立っていた。
🎼📢「……てめぇ、本気で俺を撃つ気か」
🎼💀真志「悪いな。上に脅された。お前を差し出せば、全部チャラにしてくれるってよ」
🎼📢「ふざけんな……!」
引き金に指をかけようとしたその瞬間、
真志の部下たちが一斉に現れ、二人を取り囲んだ。
🎼📢「……らん、下がってろ」
🎼🌸「嫌だ! もう隠れてばっかりは、やだ!」
らんの声が震える。
でも、その足は一歩も引かない。
彼はもう、“守られるだけ”の存在ではなかった。
🎼💀真志「おいおい、いるま。高校生のガキに手ェ出したのか? 落ちぶれたもんだな」
🎼📢「黙れ」
🎼💀真志「お前らみたいな奴がいるから、俺たちは腐るんだよ。……消えろ、いるま」
パンッ――!
銃声が響いた。
弾丸が飛び、らんに向かうその軌道を――
いるまが身体で遮った。
🎼🌸「……い、るま……っ!」
鈍い音とともに、いるまの身体が後ろに倒れる。
赤い液体が雨に滲み、地面を染めていく。
🎼📢「……動くな……! 撃ち返せる……まだ……」
🎼🌸「もう喋らないで! そんなの、どうでもいい! ねぇ、なんで……なんで俺なんか庇うの……っ」
🎼📢「なんでって……そんなの、決まってんだろ」
血で濡れた手が、らんの頬に触れる。
その目は痛みをこらえながらも、まっすぐで――優しかった。
🎼📢「俺の命より……お前のほうが、大事だからだよ」
🎼🌸「やだ……そんなの、やだよ」
🎼📢「らん。……お前に会ってから、俺……やっと生きてるって思えたんだ。
この街も、この仕事も、全部どうでもよくなった。……だから、もう……」
その言葉の続きを、らんは唇で塞いだ。
血の味と涙が混ざるようなキス。
けれど、それは痛みではなく、確かな愛の証だった。
🎼🌸「生きてよ……いるま。
俺、いるまがいない世界なんて、いらない」
🎼📢「……ったく。泣き顔、似合ってねぇぞ」
息を荒げながら、いるまは銃を構え直す。
傷だらけの身体で、最後の力を振り絞って真志に狙いを定めた。
🎼📢「……俺の邪魔すんなよ」
パン――。
一発の銃声が、静寂を貫く。
真志の銃が弾かれ、地面に落ちた。
🎼💀真志「……ちっ、化け物が……!」
逃げる真志の背を、らんはただ見つめていた。
雨がまた降り出し、いるまの肩を濡らす。
🎼🌸「……行かないで。俺が、いるまを助ける番だよ」
🎼📢「……頼もしくなったな。
……ほんと、お前に会えて……よかった」
そのまま、いるまは意識を失った。
らんは血の滲む胸に顔を埋め、震える声で何度も呼び続けた。
🎼🌸「……いるま、死なないで……っ。ねぇ……っ」
外の雨音が、まるで涙のように降り注いでいた。