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いるまが撃たれてから、三日が経った。
彼はいまだに目を覚まさない。
らんは狭い診療所のベッドの傍で、握りしめた手を離さずにいた。
機械の音が静かに鳴り、いるまの呼吸を告げている。
🎼🌸「……また、熱い」
額に触れると、いるまの肌はまだ火照っていた。
包帯に染みた血の跡を見るたびに、胸の奥がぎゅっと締めつけられる。
🎼🌸「俺のせいで……こんな……」
そのとき、診療所のドアがゆっくりと開いた。
低い声が静寂を破る。
🎼💀真志の部下「いるまの居場所はバレてる。お前、逃げないと」
🎼🌸「……俺は行かない」
🎼💀「は? 撃たれたやつ庇って死にてぇのか?」
🎼🌸「俺がいなくなったら、いるま……また一人で全部抱え込むから。
……今度は、俺が守る番なんだ」
その言葉に、男は目を見開き、何も言わずに出て行った。
外の雨がまた降り出した。
らんはその音を聞きながら、震える声で小さく笑う。
🎼🌸「……ねぇ、いるま。
最初に会ったとき、怖かった。あんたが誰かを殴ってるのを見て、
“化け物みたいだ”って思った」
🎼🌸「でも今は……違う。
あんたがどんな世界で生きてきたか、少しわかった気がする。
自分より誰かを守ることを、いつも選んできたんだよね」
らんの頬を涙が伝う。
その雫がいるまの手の甲に落ちたとき――わずかに、指が動いた。
🎼🌸「……い、るま?」
🎼📢「……なに泣いてんだよ」
掠れた声が耳に届く。
らんは顔を上げ、泣き笑いのような表情でいるまを見つめた。
🎼🌸「……っ、ばか。やっと……起きた……!」
🎼📢「寝てただけだろ……そんな顔すんなよ」
🎼🌸「寝てただけで済むわけないでしょ!」
怒りと安心が入り混じった涙が、ぽろぽろと落ちる。
いるまは、弱々しく笑いながららんの手を握り返した。
🎼📢「……泣いてる顔、似合わねぇっつったろ」
🎼🌸「もういいの。泣いても、いるまが笑ってくれるなら」
🎼📢「……お前さ、ほんと強くなったな」
🎼🌸「いるまが教えてくれたんだよ。
“怖くても、守りたい人がいれば立ち向かえる”って」
いるまの瞳が、ゆっくりと細められる。
らんの手のぬくもりを確かめるように、ぎゅっと握りしめた。
🎼📢「……らん。俺、もう逃げねぇよ。
お前のこと、ちゃんと守る。……生きて、隣にいたい」
🎼🌸「……うん。俺も。
あんたがどんなに汚れた世界で生きてきても、俺は信じる」
二人の額が触れ合い、静かな呼吸が重なった。
雨音の向こうに、夜明け前の光がほんの少しだけ差し込む。
🎼🌸「もうすぐ、朝が来るね」
🎼📢「……あぁ。やっと、な」
その言葉は、約束のように響いた。