テラーノベル
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「お邪魔します」
「いらっしゃい。ちょっと散らかってるんだけど」
「わぁ、広いね」
「会社の家賃補助もあるからね」
「……蓮さん、お片付けは苦手?」
「あはは、バレた?笑」
「汚くはないと思うけど」
「けど?」
「整頓はされてないね……」
「掃除とか片付け苦手なんだよね〜、昔から。頑張ってはいるんだけど……」
「……ふふふ、蓮さんにも苦手なことあるんだね」
なぜか翔太は少し嬉しそうだ
「おれが知ってる蓮さんは何でもできちゃう人だから、おれの方が得意なことがあってちょっと安心した」
「そうなの?笑 まぁ俺も人間だからね」
「おれがしてもらうことばっかりだと申し訳なくなっちゃうし」
「甘えてくれたり、喜んでくれたりするのも、充分嬉しいけどね?」
「でも、おんぶに抱っこはやっぱり嫌だ」
「そっか、格好いいね」
「おれだって蓮さんに何かしてあげたいもん」
会話をしながら薄々感じていたけど、見た目の愛らしさとは裏腹に、強い芯のあるところはこの子の魅力の1つだなと思う
うーんと何か考え込んでいた翔太が、漫画みたいにわかりやすく思いついた顔をする
「あ!じゃあ蓮さんの家に来た時は、おれが片付けとか掃除してあげるよ」
「えぇ〜、来てもらってるのに?」
「いいの。だって手料理食べさせてくれるんでしょ?」
「そうだけど」
「お互いに助け合えるのって、なんか、いい、じゃん……だめ?」
言ってて少し恥ずかしくなったのか、耳の淵を染めて尻窄みになりながらも、最後にはおねだりの形で聞いてくる
そんな風に言われたら断れない
あざとく聞かれたら言うことを聞いてあげたくなってしまうし、翔太はそれを天然でやるからちょっとずるいなぁと思う
「わかった。じゃあお願いしようかな」
「やった!」
口を思い切り横に引いて目尻を下げる
「今日もご飯食べるなら作るけど、どうする?」
「食べたい〜!」
「じゃあお片付けもする?」
「うん、任せて!」
キラキラとした目線がやる気を物語る
「触っちゃいけないようなものはないはずだけど、分からなかったら聞いて」
「うん、あ、じゃあどの部屋がなんの部屋か教えて?」
「了解」
一通り寝室、トイレ、お風呂と家の中を案内する
「そんなに本格的にはいいからね」
「うん、わかってる。ちょっと片付けるだけ」
「ありがとう」
「ご飯楽しみにしてるから」
「うん、あ、翔太お魚は?好き?」
「うん、好き!」
「貰い物があるからそれにするよ。1人じゃちょっと食べきれない量だったからちょうどいいや」
翔太はひとまず、俺が情報入手のために机の上に読み散らかしている新聞やら雑誌やらから手をつけている
俺には苦痛な片付けも翔太とっては何でもないことらしく、鼻唄を歌いながら楽しそうに作業をしている
その後ろ姿を時折確認しながら、俺も料理に腕を奮った
コメント
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張り切りショウタ君😊😊 蓮さんの為に頑張っていて、偉い❗️