「廃校探索??」
剣は今、屋敷を訪ねてきた猫の獣人の青年と会話をしている、片目は隠れており、見えている方の目には傷がついている。不良のような感じではあるが、剣に分かりやすく説明をしている。
「あぁ。俺のダチが絵画に取り込まれた…。こんなこと言っても分かりずれぇだろうけどな。でもこういう風にしか言えねぇ。文字通り取り込まれたんだよ。」
「な、なるほど……それでその廃校っていうのは……。」
「最近噂になってるんだ。この屋敷からそう遠くはないぜ??」
剣は昨日話された廃校の話を思い出した。
「っ、あの!!その廃校本当に人外が出てるんですか!?」
「え、お、おう。多分その絵画が人外だ…。」
「なるほど…貴重な情報です。じゃあ仲間にも言いますね…!」
剣は青年の手を感謝の気持ちを込めて軽く握った。青年は嫌がる様子を見せず、軽く頷いた。
「俺も行かせてくれねぇ??あいつら助けてやんねーと。俺だけ助かるとか意味分かんねぇし。」
「いいですよ。お仲間思いで素敵ですね。」
にこりと剣が微笑むと、青年は「そんなんじゃねぇし…。」と少し顔を赤くした。
「剣、呼んだか……その隣の人は??」
月華は空かさず青年を見て尋ねる。
「あ、名前を聞いたけどこの人は歌留多君っていうらしいよ。かっこいい名前だよね。」
「てめぇすぐそういうこと言うな恥ずかしいだらうが!!」
小声で指摘された後、軽くチョップを食らった剣は「いてっ」と溢した。
「じゃあ行こうか月華君、歌留多君。」
「だな……ってこの人数で大丈夫なのかよ。」
歌留多は不満を漏らす。
「何か不味いのか…??」
「あの絵画、そこら辺にいる人外共に比べたらだいぶ厄介だぞ。アヤメとマキネは俺にこの噂が本当で危険なことを伝えろって言って絵画の中に取り込まれた。」
月華は悩む素振りをした後、
「…まずは月弥に報告だな。」
と冷静に指摘した。
「……だね。」
「なんだ??責任者みてぇな奴か??」
「まぁそんなとこ。」
プルルルル…
「剣、月華、どうしたの??」
電話越しに月弥の声が聞こえる。剣はゆっくりと説明しだした。
「歌留多君って子が今来ててね、その子の友達が例の廃校の噂になってる人外に…絵画に取り込まれたらしいんだ。」
「絵画に取り込まれる…??だいぶ厄介そうな能力だね??」
「実際厄介だぜ、月弥サンよぉ。」
剣の後ろから歌留多が話しかける。
「あ、もしかして君が歌留多かな?厄介なんだ…じゃあ俺も行こうかな。少しでも手助けになりたいし。もしものことを考えて、ギルトとバイトも呼んでそっち行くよ。俺今出掛けてるからね…。」
そして電話は切れ、数分後、剣達の元にギルトとバイト、屋敷の扉から月弥が姿を現した。剣は全員揃ったのを確認してこう述べた。
「行こう、歌留多君の友達を助けに。」
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