TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

君が逃げる理由を、僕が壊す。

一覧ページ

「君が逃げる理由を、僕が壊す。」のメインビジュアル

君が逃げる理由を、僕が壊す。

15 - 第15話 完結:日常という仮面、犬という本性

♥

49

2025年06月15日

シェアするシェアする
報告する

春、大学のキャンパスに風が吹く。咲きかけた桜の枝を背景に、学生たちは卒論の提出に追われ、春休みの予定を話し合いながら歩いていた。


その中に、晴人もいた。

ノートパソコンを抱え、淡く微笑み、誰もが知る“優等生”としてゼミ室へと向かう。


ただ一つ――

誰にも見えない場所に、“鎖”があった。



◆ 午前8時:出発前の儀式


「シャツ、脱いで」


晴人は朝食を食べ終えると、悠真の前に膝をつき、命令を待った。


「今日の指示、言って」


悠真はスマホを見ながら、柔らかく笑った。


「今日は、後ろにローターと、前にリング。ちゃんとパッドを入れておかないと、制服に染みるよ?」


「……はい……わかってます。ちゃんと着けて……」


晴人は下着を脱ぎ、ベッドの上に四つん這いになる。

悠真が潤滑剤を塗った指で、慣れきった晴人の後ろを軽く撫でると、そこに小さな機械を差し込んだ。


「っ……ふ、う……」


「もう、入れられるとすぐ反応するね。じゃあ、前も」


晴人の前側のそこに、根元を締め付ける金属製のリングがはめられる。

そして、その上からトレーニング用のスポーツパッドを当てて、スラックスを履く。


スーツを着て、眼鏡をかければ、誰もが好青年にしか見えない。

だがその実態は、全身に快楽を封じられた肉体だった。


「今日の命令、覚えてる?」


「……昼休みまで我慢すること。絶対に、射精しないこと。自分で触らない。命令があるまで動かない」


「いい子。……頑張って」



◆ 午前11時45分:静かな地獄


(……やばい、熱い、奥……震えてる……)


講義中、悠真からの遠隔信号で、尻の奥のローターが時折ぴくんと震える。

晴人は必死に膝を閉じて、前が膨らんでこないように呼吸を整える。


「……次、発表は――晴人くん、いける?」


「……はい」


(声が……出る……でも、震える……!)


プロジェクターに向かい、スライドを進めながら、頭の中では快楽と理性のせめぎ合いが続いていた。

リングのせいで、前が勃起しきれず、苦しさだけが増していく。


喋るたびに喉が乾く。

自分の中でどくどくと脈打つローターと、股間の熱に汗が滲む。


(お願い……早く、帰らせて……ご褒美が、欲しい……)



◆ 午後6時:ご褒美の夜


帰宅後、玄関で靴を脱ぐと同時に、晴人はその場に膝をついた。


「……ただいま、戻りました……悠真さま」


「おかえり、晴人」


悠真はそのままリビングの床に腰を下ろし、晴人の顎を引き上げる。


「ちゃんと我慢、できた?」


「……はい……お漏らしも、してません。命令、守りました」


「えらい。じゃあ、外してあげるね」


リングを外された瞬間、抑えていた衝動が爆発したように、前がびくびくと跳ね上がった。

同時に奥のローターも抜き取られると、濡れきった内部から音を立てて快楽が漏れ出す。


「ご褒美、欲しい?」


「欲しい……いっぱい、ください……壊れるくらい、して……」


悠真は晴人をソファに仰向けにし、身体を貪るように重ねた。


「晴人は、俺の誇りだ。誰にも渡さない。……社会の中にいても、心も身体も、全部俺のもの」


「うん……誰に見られてもいい。俺、悠真の犬だから……誇りに思って……」


その夜、晴人は何度も快楽に果て、

泣きながら何度も「ありがとう」を繰り返した。



✦ 終幕:社会に溶けた鎖


晴人は卒業し、就職活動を始める。

面接も、会社説明会も、誰から見ても品行方正で落ち度のない人間だ。


だが、悠真がセットしたGPSで常に居場所は監視され、

時折、トイレでローターを撮影して報告しなければならない。


晴人は、まるで誇らしげにそれをこなす。

“社会の顔”と、“犬の本性”を完璧に使い分けながら。


悠真が笑うと、晴人はそのたびに“生きている”と感じた。


それは、鎖の上で踊るような、

誰にも壊せない、ふたりだけの「日常」だった――。


この作品はいかがでしたか?

49

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚