テラーノベル
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みぃ⌒🍣
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夕暮れの茜色が、シェアハウスのカーテンをオレンジ色に染めていた。
今日は、りうらが
「どうしてもみんなで同じものを食べたい」
と言い出した日だった。
発達障害によるこだわりからか、好き嫌いだからか献立の好みがはっきりしている彼だが、今日はなぜか
「みんなで料理を作りたい」
と、珍しく自発的にリビングに出てきていた。
「にんじん、これくらい? でも大きさバラバラだよ……?」
包丁を握るりうらの手が、少し緊張で強ばる。
「大丈夫やって、不揃いな方が煮込んだとき味が染みる、らしい。」
隣に立つ初兎が、優しく微笑みながらスマホと照らし合わせて野菜の切り方を教える。
今日は少し気分が落ち込んでいたが、りうらの小さな挑戦を無駄にしたくなくて、重い体を動かして、一緒に野菜を切っていた。
ダイニングの端では、ほとけが「躁」のエネルギーを発散させるように、猛烈な勢いで野菜の皮を剥いている。
「見て! めっちゃ速く剥けたよ!!」
「ほとけ、勢い余って指切んなよ」
キッチンから遠いソファの近くで、悠佑がいつもの「確認の儀式」をひとまず終え、声をかける。
悠佑も、今日はなぜかキッチンに漂う野菜の匂いのおかげで、いつもより手の震えが少なかった。
その様子を、窓際からいふが穏やかな表情で見つめている。
「今日は…いい匂いがするねぇ。世界が、少し優しく見えるような気ぃすんねんな~」
いふのその言葉に、皆がお互いの顔を見合わせた。
玄関のドアがガチャリと開き、買い出しを頼まれたないこが戻ってきた。
「た、だいま…。ちょっと混んでたんだけど、しっかり買ってきたよ、カレールー…!」
息を弾ませながら差し出されたルーの箱を見て、りうらがかわいくぱっと笑顔を咲かせる。
「やったぁ! じゃあ、みんなで作ろ!」
完璧な人間なんて一人もいない。
明日になればまた誰かが部屋から出られなくなり、不安に押しつぶされそうになる夜がやってくるかもしれない。
それでも、ぐつぐつと煮える鍋の音と、不揃いな野菜たちの匂いが、この家を今日も温めていた。
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