〜事務所〜
泉「ソワ 」
ガチャッ
芥川「仕事を貰ってきた。」
泉「…!」
芥川「一応だが…発射式の電撃針だ。今回は唯の遣い故危険はないと思うが、念の為のご身用だ。」
泉「遣い?」
芥川「あぁ、この証拠品を法廷の判事に渡す事だ。初仕事故に小口だが社長直々のご依頼だ。因みにこれが判事の顔だ。 」
泉「大丈夫。必ず成功させる。」
芥川「気合入っているな。最初の仕事故にか?」
泉「フルフル最初の仕事は建物に侵入して二人殺すことだった。」
芥川「!」
芥川(そうか…此奴はずっと)
中島 『他者を殺す時だけ鏡花ちゃんは強者なんだ。』
泉「私…頑張るから」
〜法廷前〜
泉「…入れない?」
警備員「許可が必要です。そこの手続書類に記入して受理まで待ってください。」
泉「…私は探偵社員、これを届けに」
警備員「どのような件でも同じですピシャリ」
泉「…約束の時間が」
警備員「規則ですから」
泉「ゴゴゴゴゴ」
一度その場から離れる二人。
芥川「どうも連絡の行き違いのようだな。あの警備員を何とかせねば」
泉「え…消す?」
芥川「探偵社ではその様な仕事の進め方はせぬ。」
泉「私が教わったのは…まず色仕掛けで人目のない場所に誘い込んでからぐさりとピラッ」
芥川「善い悪い以前に計画の最初に無理があるなコホッ」
コツコツ
泉「!判事!バッ」
ガシャンチーン
泉「…探偵社員は諦めない」
移動し別の入口の様なところまでくる。すると鏡花はピッキングを始める。
芥川「だ、大丈夫か?」
泉「これでも元暗殺者。カチャカチャ潜入の伎倆は叩き込まれてる。」
芥川「確かに時間も無く、他の方法も無さそうだが…」
泉「任務に失敗すればマフィアでは生きていけなかった。この位の施設、何でもない。ガチャッ大丈夫、必ず仕留める。」
バタンッ
芥川「…は?ゴホッ」
__泉方面_____________
ギィ
泉「サッサッザッ!」
用具箱に入った掃除用具を見つける。それにより変装する。
泉「ガラガラ判事から連絡が有って部屋の清掃に」
警備員「この時間ならまだ部屋だな。二階のあちら側を突き当たりだ。だが一応清掃業務の許可証を見せて…あれ?」
既に泉はその場にいない
泉「ガラガラ」
泉(暗号錠…)
泉「サッ」
ギィ
泉「バッガチャッチャキバンッジジジ 」
電撃針により停電させる。
人々「〜〜っ!?」
泉「ダッ」
警備員「何をしている!?パッ」
泉「!ゴッバリバリバリ」
警備員「がはっヨロが…あが…」
警備員に電撃針を撃ちその隙に逃げる
泉「ダッ」
バンッ
判事「なっ」
泉「バチチチチ」
判事「あばばばばばばドサッ 」
泉「…チャキ」
判事「チーン」
顔をよく見ると倒れているのは判事だった。
泉「あっ」
その後めっちゃ怒られた。
なんやかんや終わり外で休憩。
芥川「クレープだ。食え。大変だったな。判事殿には社長が話を付けて頂いた。御友人らしい。 」
隣に座る芥川
芥川「だが、驚いた。あそこまで出来るとは。」
泉『もうこれ以上一人だって殺したくない』
泉「停電にする処まではよかったのに…シュン」
芥川(そこまでは善いのか…)
芥川「何か新しい特技を覚えれば善い。例えば…」
泉「はっ色仕掛け?」
芥川「それはもう忘れろ。 その電話、未だ捨てて居ないのか。」
泉「ギュッ」
芥川「業者に指示式を変えて頂いた故にマフィアから掛かってくることはないが…余り善い思い出は無いのでは?」
泉「…大事なものだから。」
芥川「…可能性の話だが。若しお前の異能の謎が解け、電話の声にしか従わぬように夜叉を操れれば…貴様も楽になり、一つの力に…」
泉「駄目!ガッ」
言葉を遮るように聞いたこともないような大きな声をだす泉
泉「駄目。夜叉は…もう二度と…」
芥川「そうか、すまぬ。」
ピッ♪〜〜♪ヴーヴー
二人「…!?」
?『ピッ夜叉白雪よ。鏡花に近寄り嘘の世界を教えるものに罰を与えよ。』
芥川「!羅生門!」
夜叉白雪「ザッ」
黒獣「ガキンッ」
?「ほう、危機察知能力は高いようじゃ。そうは思わぬかえ」
ポートマフィア幹部
尾崎紅葉…能力名『金色夜叉』
_________コンジキヤシャ
尾崎「愛しの鏡花や」
泉「…!」
尾崎「息災じゃったか?私がどれほどそなたの身を案じ胸を痛めたか。このような…」
芥川「コホッ」
泉「獣畜生共の下にそなたを残すことになって」
夜叉白雪「ザシュッ」
芥川「ぐっゴホッ」
尾崎「じゃが私が助けに来た。もう心配は要らぬぞ。パチンッ」
尾崎が携帯を閉じると夜叉白雪は消える。
泉「何故、貴方が…電話を」
尾崎「簡単じゃ。この小童が云う業者とやらを刺して吐かせただけのこと。ガッ」
倒れた芥川を踏みつける。
芥川「が…ゴホッゴホッ」
尾崎「もう何も思い煩う事は無い。私が守ってやろうぞ」
芥川「…すまぬ、鏡花。今すぐ逃げろ!」
泉「それじゃあ芥川は…!」
芥川「大丈夫だ。」
泉「…。嫌だ、」
芥川(クソ、此の儘では…!)
芥川「彼奴はもう、きっとマフィアには戻らぬ!彼奴の才能は、力は、探偵社でも振るえるものだ!」
尾崎「ツゥー 」
突然泣く尾崎
泉「…!?」
尾崎「矢張り…鴎外殿の許可など待たず、迎えに来るべきだった。コツコツこのような欺瞞と偽善の巣にそなたを一秒も置いてはおけぬ。可哀想な鏡花や。甘言に唆されそこが光の世界と勘違いしたのであろう。」
尾崎は鏡花を抱きしめた。
尾崎「じゃが奴等は孰れ云うぞ。夜叉白雪を使えと。」
泉「!」
尾崎「それは厭であろ ?じゃが案ずるでない。異能目当ての屑共など私が微塵に切り裂いてくれる。」
芥川「…!マフィアがそれを云うか…!ダッ羅生門!」
金色夜叉「ドッユラッザッ 」
尾崎「遅いのう」
芥川(夜叉が…もう一体だと?!)
金色夜叉「ドッ」
芥川「カハッゴホッゴホッ」
金色夜叉「ドスッ」
芥川「…!」
尾崎「ガッ悪いのう童これも仕事でな 。」
泉「やめて!」
尾崎「嗚呼、その表情!何でも聞いて遣りたくなる。しかし済まんのう。鴎外殿の命はこの小僧の始末でな。」
泉「!」
尾崎「小僧だけではない。首領は探偵社員悉くの鏖殺を所望じゃ。戦争じゃよ。既に全幹部が動き出しておる。しかし私はそなたの助命を嘆願し特別に赦された。そなたは闇の花。闇の中でしか憩えぬ。」
泉「違う。私は闇の花じゃない。 」
尾崎「…恨むぞ小僧。あの子は光に目が眩んでおる。貴様が見せた光じゃ。しかし幸いまだ手はある。キッシャッ 」
芥川「…!羅生門。」
尾崎「!この状況で悪足掻きか。面白のう。」
泉「!」
尾崎「孰れ悪足掻きも出来なくなる。小僧無き探偵社はさぞや居づらかろうて。そなたの所為で殺されたとあらば尚更。」
芥川「ゴホッゴホッ」
泉「待って。判った…戻ります、だから」
尾崎「凡てそなたの為じゃ、鏡花。孰れ判る時が来る。」
金色夜叉「ズルッ」
芥川「ぐっ…ゴホッゴホッ」
泉「…グサッ」
尾崎「トサッ…!ギギギッ」
傘が落ちる。鏡花は小刀を尾崎に刺していた。
尾崎「バッ」
泉「トッフワッ」
尾崎「流石じゃ…鏡花。まるで殺気を…感じなんだ。」
泉「サッ」
携帯を取り出す
尾崎「!」
泉「明るい世界を見た。知らなかった頃にはもう戻れない。」
尾崎「…それを使うな、鏡花。使えばそなたは」
泉「夜叉白雪。私の敵を倒して!」
夜叉白雪「ザアアアァァァガキンッ」
〜町中〜
前面が大破した車
帽子を被った青年「僕のロシナンテ号が…もうここで寝ていい?」
だるそうな男「目的地まで…歩くしか無い。キョロキョロ」
帽子を被った青年「ガバッこの国の道は狭すぎだね?」
だるそうな男「は…早く終わらせて…帰りたい。外出は…四年ぶりだ。ブツブツ」
帽子を被った青年「まあいいや行こう。〝荷物〟が届く頃だ。」
〜法廷付近〜
夜叉白雪「キンキン」
金色夜叉「キンッキンッ」
泉「タッタッタッキン」
尾崎「ギギギッ見よ!この刃がそなたの本性じゃ。邪魔者と見れば直ちに殺す。交渉も脅迫もない。まるで夜叉じゃ。」
泉「違う…!キントッ」
尾崎「…のう、鏡花や。そなたの気持ち…判らぬでもない。じゃが…無理なものは無理なのじゃ。生来の暗殺者たるそなたがいかに光を希求しようと。闇に咲く花は闇にしか憩えぬ。光を求めてもその熱量に焼き殺されるだけじゃ。何故、私に判るか?簡単じゃ。何故ならかつて…」
『逃げよう紅の字。二人で生きるんだ。僕と君ならどんな場所でも…』
尾崎「同じく光に焦がれ焼かれて落ちた女が居った故」
泉「でも。ギュッそうだとしても…一度見た夢を頭から消すことは」
夜叉白雪「ゴォォォ」
尾崎「バッ」
夜叉達「キン」
尾崎「戻れ鏡花。判っておるはずじゃ」
泉「嫌…戻りたくない。それでも私は…」
尾崎「そなたの目的の為に凡百殺戮を正当化するその本性は変えられぬ。でなくばそのように夜叉を武器として使える筈ない。何故なら夜叉は…そなたの両親を惨殺したのじゃから 」
芥川、泉「!!」
芥川「そんな、何故…」
泉「違うの…これは 」
ガシャン
夜叉白雪「フッ」
キキィィィーバタンッ
黒服達「ザッザッザッ」
尾崎「私が守ってやろう。もう居場所を求めて刃を振りかざす必要はない。 スッ」
泉「カラン」
尾崎「あとは任せたぞ」
黒服達「ドドドドドジャキッ」
芥川「ゴホッゴホッら、しょう」
宮沢「頭下げてくださーい」
ギュオオオオォォガシャァッ
宮沢「おー飛んだ飛んだ」
国木田「大丈夫か、芥川ダッ」
芥川「国木田さん…何故」
国木田「鏡花の電話に着信が有れば信号を出すように手を入れておいた。立て、何時まで守られ役でいる算段だ。鋭く刺されてもうごめくしつこさと攻撃力が黒獣の売りだろう。」
尾崎「探偵社の毒虫め…鏡花にこれ以上光を見せるな。ジャキッ」
国木田「組織同士の前面戦争というわけか。この忙しい時に」
ザッ
帽子を被った青年「わぁタイミング最高。衝突一秒前って感じだ。少し遅く来れば楽できたのに。君やる?」
だるそうな男「構わないが…大勢からの注目が…痒いブル」
帽子を被った青年「仕方ない。組合の給料分は仕事しますか」
『組合』職人
ジョン・スタインベック
_____能力名『怒りの葡萄』
______イカリノブドウ
『組合』職人
ハワード・フィリップス・ラヴクラフト
____能力名『旧支配者』
_______グレード・オールド・ワン
国木田(此奴等…組合の異能者か!?)
ジョン「あっそこ危ないよ。荷物が届く頃だから。」
芥川「ハッ国木田さん、上から何か…!」
ドゴォッドン
気づけば四人の人間が立っていた
尾崎「いかん!撃て!」
黒服達「ドガガガガガ」
コツコツ
眼鏡をかけた青年「ポオ殿とオルコット殿はどちらに」
貴族っぽい女「高いところをお恐れあそばしてお残りに…死ねばいいのに」
おじいさん「…」
青年「楽な仕事だったね!皆、余った時間でドライブにいかないかい?」
スタスタ
青年「あれ、無視? タタッ」
そこは血だらけでポートマフィア、探偵社共々倒れていた。
〜ポートマフィア〜
ツーツー
黒服「首領も紅葉様の部隊との連絡が途絶えました。恐らく…」
森「ギリッ」
〜探偵社〜
芥川「う…コホッ」
芥川(確か僕は敵にやられ…ここは医務室か?)
芥川「!?」
完璧に拘束されている
コツコツブオオオオォォ
与謝野「さァ治療の時間だよ!」
芥川「ひっ…ああああああ」
芥川、国木田「ズーン」
宮沢「スースー」
与謝野「全く不甲斐ないねェ。妾の能力が無きゃ今頃揃って土の下だよ。」
福沢「具合はどうだ」
国木田「社長。申し訳ありません。俺が居ながら」
福沢「佳い。少し出る。」
芥川「今外出は危険では…」
バタン
与謝野「ハァありゃ相当鶏冠に来てるね」
芥川「?」
〜ポートマフィア〜
大量に並ぶケエキやスイーツの数々。それを頬張るエリス。
エリス「モグモグ」
森「ねぇエリスちゃん、食べ過ぎは体に宜しくないよ」
エリス「何で?甘いものは正義」
森「そうだけども…」
エリス「前リンタロウが購ってきた縁飾付きのドレス」
森「ヒュッ」
エリス 「着てあげてもいいけど」
森「お代わり居る?」
太宰「このロリコンが… 」
森「ちょっと太宰くん?」
太宰「あー生存兵に依ると組合襲撃後、我々より僅かに早く現場についた探偵社が配下の異能者…及び姐さんを連れてったってさ。 」
森「堂々と話逸らしたね!?」
太宰「まぁ、捕虜としてだろうね。」
森「姑息な連中だね」
太宰「どうするのさ。五大幹部の一翼を人質に取られて…しかも相手にはあの蛞蝓がいる。迂闊に手は出せないよ。」
森「よし!探偵社の社長を殺そう。暗殺が善いな。外部の殺し屋を使えば労力も掛からず、私達は対組合に傾注出来る。」
太宰「手配するけど…あの探偵社の社長がそんな一筋縄じゃいかないことなんて、貴方が一番知ってるでしょうに。じゃあね 」
〜探偵社 〜
とある一室。静かに眠る尾崎。それを見守る芥川、中原。
尾崎「パチッ」
中原「あぁ、姐さん…いや、今はポートマフィア五大幹部、尾崎紅葉殿か。ご無沙汰ですね。」
尾崎「…中也や。お主までこの様な所に、まぁ善いか。この程度の縛めで私をからげられると思うたか 」
中原「真逆、そんな無謀な事はしませんよ。だから俺が見張りに。」
尾崎「久しいのう。裏切者よ。組織の誰もが其方の首を狙っておるぞ。」
中原「あぁ…行列に並ぶようにでも云っておいてください。理由なんかは、森鴎外殿や太宰治殿にでもお聞きすれば善いかとニコッ」
尾崎「…童。鏡花は無事かえ」
芥川「…貴方の所為で彼奴なら行方知れずだ。」
尾崎「くく…くくく、くくく…」
芥川「何かおかしな事でも?」
中原「芥川、あんま熱くなるな。これは俺に任せろ。外で頭でも冷やしてこい。」
芥川「中原さん…」
中原「いいから。ほら、出てった出てった!」
芥川「…カチャバタン」
中原「却説、早速で悪いですが開戦までもう時間がねぇ。そして捕虜には大事な仕事が在りますよね?マフィアの戦況、今後の作戦を教えて貰いましょうか。」
尾崎「ハッマフィアの掟を忘れたかえ、中也?江戸雀は最初に死ぬ。」
中原「…尾崎殿の部下には拷問専用の班があったよな。俺はやったことないが、その仕込みは直々…さらに、俺の隣には何時も太宰が居たおかげで、口を割らない捕虜の割らせ方も心得てる事ぐらいご存知でしょう?あぁ…でもそうですね、せっかくですから、二度と鏡花に会えないような体にして…一生強い重力に押し潰され続ける…死ぬよりもずっと苦しいことをし続けたって俺はいいですよ?ガチャ 」
尾崎「…」
鍵を閉める中原。顔が青白くなっていく尾崎。
中原「パキッここからは大人の時間ですね。ニコッ」
〜路地裏〜
福沢「スタスタ進捗はどうだ?」
国木田『ご指示の通り事務員は県外に避難させました。次は何のように』
福沢「調査員は全員社屋を発ち、旧晩香堂に参集せよ。」
国木田『晩香堂?…会社設立前に社長が拠点にしてたと云う?』
福沢「あの講堂は極限られた人間しか知らぬ。拠点を秘匿せねば数で勝る敵に圧し潰される。」
国木田〘社長は矢張り戦争の覚悟を〙
福沢「御訪客のようだ。二人…否、三人か」
殺し屋達「ザッカチッ」
福沢「ザーザープツッ!」
電話が切れる。殺し屋は刃物を構える。
殺し屋達「チャッドッ」
〜探偵社〜
国木田「社長?社長!」
芥川「どうかしましたか?」
国木田「?社長との通話が…敵襲か?」
芥川「…大丈夫何ですか?」
国木田「俺の手首を掴んでみろ。サッ」
芥川「あ、あぁ。はい。」
国木田「直ぐ判る。 パシッガッ」
芥川「!」
国木田「武道の師匠から最初に教わった技だ。」
芥川「スタッ 」
国木田「達人ともなれば凡百体勢から相手を投げ飛ばせる。俺は未だに師匠から一本も取れん。十把一絡げの刺客にあの人が負ける筈がない。」
〜路地裏〜
福沢「ザッ」
殺し屋「あ…が… っ」
福沢「戻って主に告げよ。善き心掛けだと。狙うならば今後も私のみ狙え。若し私の部下に手を出せばどんな手段を用いても貴君の頸を圧し折りに参ずる。」
〜船上〜
カシュッヒュッヒュッヒュッ
コイン状のものが3つ宙に舞う。
フランシス「パンパンパン」
ジョン「おみごと」
フランシス「探偵社の動向は?」
ジョン「事務所を捨てて別の施設に移ったみたいですね。新拠点の検出は困難です。」
フランシス「良いな。獲物に寝こけられては狩りは面白くない。」
カシュッ
再び宙へ舞う。
フランシス「パタタタタタタタ」
ジョン「ポートマフィアも動き出しています。規模からすれば目下彼らの方が脅威ですね。」
銃を差し出すジョン
フランシス「少年の頃、これと同じ型の銃を買うため二年働いた。それでも金は足りず四人殺した。」
また、コイン状のものが宙を舞う。
フランシス「チャキパァンパァンパンッ今ではこの銃を造る会社も俺のものだ。」
ジョン「…」
フランシス「金は悪夢だ。欲しいものが一つ手に入るたび欲しいものが一つ減る。やがて世界は枯れ葉を燃やす青い煙のように退屈になる。だからね、スタインベック君。パラパラ」
銃から銃弾を抜き、宙を舞ってるコイン状のものに向け銃弾を蹴り飛ばすフランシス
フランシス「俺の世界は輝きに満ち溢れている。ズアッパァンあの街は必ず俺が手に入れる。」
〜講堂〜
福沢「ゴォットッカツカツ」
芥川「社長」
福沢 「皆聞け。」
皆が社長のほうへ視線を向ける
福沢「嘗て…三日、二日前には戦争を免れる途は在っ た。しかしその途も今や閉ざされた。ザッ社の鏖殺を謀るマフィア。社の簒奪を目論む組合。この両雄より探偵社を守らねばいかん。中原、説明を。」
中原「はい。まァ、組合は資金力、マフィアは頭数に優れてるわけです。正面から搗ち合えば探偵社雖も脳天が弾け飛びます。そこで俺たちは人員を守勢と攻勢に分割して奇襲戦法で姑息に抗おうっつう訳です。守勢の要は何つっても此処で与謝野女医を守ることです。」
与謝野「ニコッ」
江戸川「うげ…」
中原「女医の治癒力がありゃ、死なない限り全快出来ますから。まァ、嬉しいかどうかは別だがな。」
宮沢「あはは」
芥川(いや、笑えぬぞ…)
__守勢______
福沢・乱歩・与謝野・宮沢
中原「そして」
__攻勢「甲」____
国木田・谷崎
中原「攻勢は二人組に分割。谷崎の隠密能力と 」
__攻勢「乙」____
中也・芥川
中原「俺の重力操作で敵の横合いを叩く。この戦の肝要はこの拠点を隠匿する事だが…社長失礼しま す。 」
福沢「?あぁ 」
中原「サッ残念な事に…放射性追跡元素ですね。ポートマフィアにはほぼ割れてるでしょうが、これ以上拠点がバレれば敵の異能者総出で此処に雪崩込まれれば守勢が持たねぇから、肝要であるそれは忘れずに。」
福沢「そうか、判った。」
中原「あぁ、あと…ポートマフィア五大幹部太宰治…彼奴の異能力は『人間失格』、異能無効化です。彼奴には気をつけてください。体術こそ恐れるものじゃねぇ…が彼奴の頭の回転速度は円滑です。彼奴にとっちゃここを割り出すのも潰す作戦を考えるのも一日かからずやり遂げます。彼奴がその気になれば探偵社は十中八九、直ぐに潰れると考えていいでしょう。薄汚い包帯を右目に巻いて、黒の外套を上に羽織ったおよそ180程の男。如何にもマフィアって感じのやつです。 」
〜路地裏〜
太宰「ほら、やっぱね。これだから外部の奴は使えない。森さん、襲撃は失敗。尾行もつけたけど…」
森『腐っても探偵社の親玉だ。尾行されるほど柔じゃないさ。善いよ、予定通りだ。刺客の袖につけた放射性追跡元素は?』
太宰「反応は良好」
森『其処が探偵社達の隠れ家だ。まずは1点先取』
太宰「いや、どうせ今頃中也が気付いて既に対策を取ってるね 。」
〜講堂〜
福沢「三組織の内生き残るのは一組織のみだ。闘う他に活路は無い」
〜ポートマフィア〜
森「勿論、最後に残るのは我々だ。」
〜船上〜
フランシス「今から結末が楽しみだよ」
〜〜
三頭「三組織異能力戦争だ!」
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