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こんにちは、ねこもみじです!
今回はクリスマスイブということで勿論青桃さん書いていきます!ෆ
注意!
・青桃
・エセ関西弁
・御本人様とは関係ありません
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今日はメンバーがやけにテンションが高い。激重会議が終わってから、いつもと違う元気さというか。
メンバー…といっても主にいむしょーだけど。
まじまじと2人の様子を見ているとそれに気づいたのかいむがこっちを向いてきた。
「なんでないちゃんはそんなにいつも通りでいられるの!!」
「そうやで、普通テンション高くなるやろ!!」
「うん…、?」
「え、本当に分かってないの?今日クリスマスイブだよ?」
「クリスマスよりもイブの方が楽しくない!?」
いむにそう言われてカレンダーを見るとでかでかと『クリスマスイブ!!!!』と書かれてあった。
「…これいむしょーが書いたん?」
「そうだよ、あとりうちゃんもね」
ちゃっかりピースサインをしてくるりうら。こいつら若いだけあって未だにはしゃいでるのか。呆れもありつつ子供組らしくていっか、なんてクスッと笑ってしまう。
そんな子供組から大人組はどうなってるんだと近くにいたあにきへと視線を移した。
コートを羽織って鞄を肩にかけようとしているにき。今声をかけないとすぐに外出してしまいそうだ。
「にきどこ行くん?」
会議が終わってすぐ出掛けるの珍しいね、なんて付け足す。
「プリンでも買ってこようかと思ってな」
何年前の話だっけ、あにきがクリスマスの時にプリンを買おうとして、周りがカップルばかりだったから一人なのに2個買ってきた、なんて話を思い出した。
「また一人なのに2個買うん?」
「お、よく覚えとんな」
流石ないこ、記憶力ええなー、と笑いながら言われる。
「でも、今回はちゃうよ。カップルに囲まれながら6個買ってくるからな。明日辺りブラックサンタがプリン届けてやるわ」
お前ら楽しみにしとけよー、なんて行って扉を開き出掛けるにき。ブラックサンタにしては良い奴すぎるやん、お前かっこよすぎやって。
バタン、と扉が閉まったかと思えば子供組は更に騒がしくなった。
「やーば、プリンだってあにき優男すぎるでしょ」
「もう僕あにきっずになろうかな」
「悠くんが買ってきてくれるってことは今日はチートデーやんな!!?」
ほんとに元気すぎて、こっちまでそのハイテンションに染まってしまいそうなくらいだ。
ここまで話に耳を傾けているだけのまろの方に向かうと、ソファに座ってノートパソコンを捌いているところだった。
「まろは仕事してんの、やっぱ大人組は落ち着いてるってわけ、お前ら分かる??」
わざとらしく子供組にそう言うと「あにきは浮かれてると思うけどね」なんていって返された。
「それにしてもないちゃんもそうだけどいふくんも浮かれないよねぇ、もっと盛り上がっていいと思うのになぁ」
「俺とないこはお前らみたいにおこちゃまじゃねーの」
「はあ???」
「はいはい、今日はそういうのなしやで」
よくある青組のビジネス不仲が勃発しそうになるところをしょうちゃんがすかさず止めた。
「あ、でも少しは浮かれてるかもな」
一拍置いて出たその言葉は何かしらが含まれているというのはその場にいる全員が感じたんだろう。
「え、なになに恋愛系!?!?」
目を輝かせるようにして聞いてくるいむに「さぁな」と笑いながら曖昧にまろは濁した。
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「はー、やっぱり家が一番やな」
「俺の家なんだけどね」
あれから俺の家に帰ってきた。よく泊まりに来るからパジャマやコップなど一式は用意しているから。
「それにしてもあいつらほんま騒がしかったなぁ」
ソファに堕落してそう呟くまろ。
「いいんじゃない?仲良いってことで」
「どうせ『今日はパーティーやー!!』とか言ってマリカし出すんやろ?」
「あいつらならやりかねないな」
「ま、俺も浮かれてるけどな、久しぶりにないこと二人っきりで嬉しいし」
「なに、ストレートに言うじゃん」
「ないこは遠回しで言うの好きよな」
「うるさいな、」
実際会食やらメンバーと過ごしたりでまろと二人だけの時間は無かった。けど、こんなにまろって正直だったっけ。どちらかというとからかってくるというか、今までは手のひらに転がされてるような気分になってたというか…。
「ん、おいで」
こっちに来いと言わんばかりに両手を広げて待ち構えるまろ。戸惑いながらも近づいてそっと首に腕を回した。
「やっぱないこの匂い好き」
ギュッと、強く抱きしめられて悲鳴が上がりそうだ。まろはいい匂いといってくるけど、まろだってすげーいい匂いするし。何よりなんでこいつはこんな甘々なの!?
表情から読み取ったのかまろは笑いながらまた言葉を紡いだ。
「今日くらい俺も浮かれて甘くなっても許されるかなって」
「どう?ドキドキする?」
こんな日に過ごせるだけで十分すぎるくらい嬉しいのに、そんなこと言われたらまた惚れてしまうに決まってるじゃないか。
「するわばーか」
「…ってことで、ここからが本題な」
「は!?」
今良い雰囲気だったじゃん!?なんて出そうになった言葉を思わず飲み込む。やっぱり甘いなんて嘘だ。結局は最後の最後でころっと転がしてくるんだ。
「んはは、これ受け取ってや」
そう言って渡してきたのは丁寧に包まれたプレゼントだった。
「これ、俺に?開けていいの?」
「ないこに買ったんやから開けてや」
発色の良い緑色の包装紙に赤色のリボンのまさにクリスマスカラーで彩られたプレゼント。リボンをそっと引いて更に包装紙に包まれていた箱を開ける。
「…これ、マフラーじゃん」
大人っぽい群青色がメインで使われていて白のチェック柄のマフラーだった。
「マフラーやったら暖かいし、俺のないこですって周りに知らしめてやろうかなって」
「ふはっ、何それ」
「…ね、今つけてみていい?」
「勿論、付けてやるよ」
まろの手にマフラーが渡って、首に暖かい生地のそれが纏われた。
「あ、ないこプレゼント持ってへんよな」
突然、そう言われた。
「あ、…持ってないや、ごめん今度一緒に買いに行こ」
「それもいいけど、今プレゼント欲しいな」
だめ?と眉を下げて言われる。そんな言い方されると断れないじゃないか、そしてまろの持っているマフラーを見て『マフラーを渡す意味』を思い出した。
たしか、『独り占めしたい』だったか。普段は忙しいし、この関係は秘密でありたいから、お互いを求めたりなんてすることも少ない。
「…プレゼントなんて、何もないけど」
「ん?おるやんここに」
そう言ってマフラーの端を引っ張っられた。柔らかい感触が唇から全身へと熱となって伝わっていく。
「…ばかたれ」
「ひひっ、いいやんクリスマスなんやし」
夜も長いしな。と付け加えられた言葉で明日のスケジュールを脳裏で思い出す、そんな大きな仕事はないし今日くらい俺らも浮かれてていいだろう。
雪が舞い、寒いと感じるはずなのに心も体も温かくなっていくばかりで。今あるのは少しばかりの独占欲と幸せだけだった。
コメント
12件
めりくりー!!! え天才…、普通に他界隈の作品書いててクリスマスとか忘れてたけど( もみじの作品めっちゃ癒される…ありがと(?
文才の塊やん…() こういう穏やかな甘々もいいよね
てえてえの塊やん((( いいですね‥クリスマスイブこんな感じで過ごしたいけど、進路が決まるテストあって、ガチ積んでる‥😭😭 来年には‥受験生‥一緒に頑張ろーね!!