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ゆうな
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#みじかめです、!
夢仁羽
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コメント
6件
うぅ~最高すぎるよー ラピスくんもかわいそうだしロゼくんもかわいそうだし心音くんもかわいそうだよさぁ心音くん!ロゼくんとラピスくんを救ってあげろ(ただこいつは心音くんメインになるのを待っているだけです)長文すみません
うわあ、ラピスくん……。冒頭から胸が締め付けられるような気持ちで読みました。「おかえり」って言葉が、家にも学校にも居場所がない彼にすごく沁みるんですよね。ころんさんの「『俺なんか』じゃないよ」って真剣な眼差し、グッときました。この『ひなたび』という空間が、比喩じゃなく本当に「帰る場所」になりそうな予感がして、続きが気になります。そして「あははw」の笑い声の違和感……。何か大きな伏線でしょうか。
Side Lapis
俺は今、その店の前に立っている。
どこでもいいから、家以外の場所に行きたい。そんな一心で、ここまで歩いてきてしまった。
学校には、もうずっと行っていない。世間でいうところの『不登校』だ。
だからといって、薄暗い自分の部屋に一日中籠もっていても、ただただ憂鬱な思考がぐるぐると渦巻くだけだった。
そんな時、SNSで見つけたのがこの『ひなたび』という場所だった。
ネットの口コミを見ると、評価は『☆4.9』と驚くほど高かった。
『まるで本当の家みたいに温かい場所』
『子どもが通っていますが、勉強も見てくれるし安心して任せられます』
画面に並ぶたくさんのコメント。その中でも特に、俺の心を強く捉えた一言があった。
――『ここで、人生が変わった』
(ここなら、こんな俺でも、何かが変わるかもしれない……なんて)
そんな淡い期待にすがるようにして、俺はここまでやってきた
「……よし」
深く息を吐き出し、意を決して扉を開ける。
カラカラと静かな音が響く店内で、まず目に飛び込んできたのは、紫色の髪をした男の子が楽しそうに声を上げている姿だった。
「もう一回! もう一回だけお願いします!」
どうやら、奥のテーブルで誰かとゲームをしているみたいだ。
その様子を入り口の近くでぼんやりと眺めていると、ドアの音に気づいたのか、その男の子がこちらを振り返った。
不意に、視線がぶつかる。
なんだか急に恥ずかしくなって、俺は慌てて反対側へと顔を背けた。
「おかえり〜」
急にのんびりとした声が降ってきた。
一瞬、誰に言っているのだろうと思って声の主を探すと、すごく優しそうな雰囲気をまとったお兄さんが、俺をじっと見つめて微笑んでいた。
「えっと……」
見ず知らずの俺に向けられた「おかえり」という言葉に、どう返していいか分からず戸惑ってしまう。そんな俺の様子を察したのか、そのお兄さんはトコトコと足音を立てて近づいてきてくれた。
「はじめましてかな? 僕はころんっていうよ」
「ころんさん……あ……」
どうしたらいいかわからず言葉が出てこない。
「せっかくだし、奥の部屋で少し一緒にお話しようよ」
ころんさんは柔らかく笑うと、奥のスペースへと優しく案内してくれた。
ころんさんの後ろを歩いている間も、すれ違う人たちが、俺の顔を見て「おかえり」と声をかけてくれる。
あのネットの口コミは、比喩でもなんでもなかったんだ。
ここは、本当に『家』のような場所だった。
さっきの男の子は相変わらず楽しそうにカードゲームに没頭しているし、別の席では静かに本を読んでいる人もいる。みんな、すごく楽しそう。
その時、楽しげな笑い声に混じって、背後で誰かが「あははw」と笑った声が聞こえた気がして、俺の身体がビクッと跳ね上がった。
(……え?)
恐怖が背筋を駆け抜け、慌てて後ろを振り返る。けれど、そこには誰もいない。
前を行くころんさんは、すでにトントンと階段を登り始めていた。
(早く、ここから離れたい……)
ざわつく心を落ち着かせるように、俺は急ぎ足でころんさんの後を追った。
階段を登りきった先で、ぽつんと座っているグレーのうさぎのぬいぐるみを見つけた。
(かわいいな、これ……ん?)
ふと見ると、その奥の棚に、同じうさぎのイラストが描かれた自由帳が置かれているのが見えた。
「ラピスくん、こっちだよ」
ころんくんに促され、二階の部屋に入る。そこには、ころんくんと同じくらいの年齢に見える先客がいた。
「ん? おかえりー」
「あっちゃんただいま〜。だいきりは?」
あっちゃん、と呼ばれたその人に、ころんくんが親しげに問いかける。
「アメニティの補充に行きましたよ」
そう答えてこちらを振り向いたその人は、左右の目の色が違っていた。鮮やかな赤と、吸い込まれそうな青。あまりの綺麗さに、俺は思わず見惚れて言葉を失ってしまう。
「名前は?」
急に低い声で尋ねられ、心臓が跳ね上がった。
「っ、ラ、Lapisと言います……っ」
「そんなかしこまらなくていいのに。俺、あっと。よろしく」
あっとさんはそう言うと、形の良い唇を吊り上げてニコリと笑った。その気さくな態度に、少しだけ肩の力が抜ける。
「おっとっと……って、わあぁ!?」
その時、背後から突然大きな声が響いた。驚いて振り返る暇もないまま、背中に強い衝撃が走る。
「っ……!」
「二人とも、大丈夫!?」
ころんくんの焦った声が響く。どうやら、俺が扉の前に突っ立っていたせいで、後ろから両手いっぱいに荷物を抱えて入ってきた人とぶつかってしまったみたいだ。
床にバラバラと、中に入ってたアイマスクなどのアメニティグッズが散らばっていく。
「ご、ごめんなさい……!」
俺は反射的に頭を下げた。自分のせいで、迷惑をかけてしまった。
「いや、本当にごめんね! 俺が前をよく見てなかったのが悪いから、謝らなくていいよ!」
ぶつかった張本人である、俺より年上の男の子が、焦ったように手を振りながら声を張り上げる。
「でも……俺が、こんな邪魔なところに立っていたから……」
血の気が引いていくのが分かり、頭の中がパニックでうまく回らない。
「もー、だいきり。そんなに一気に持ったら危ないよ」
ころんくんが、散らばった荷物を拾いながらだいきりさんを優しく嗜める。
「すみません……!」
「Lapisくん、どこも痛くない? 怪我はない?」
心配そうに顔を覗き込んでくるころんくんに、俺は消え入りそうな声で言った。
「俺なんかより、落とした荷も((フグッ」
言いかけたが、温かい手のひらで不意に塞がれた。驚いて目を見開く。
「『俺なんか』じゃないよ。荷物より、Lapisが一番大事」
あんなにふわふわして優しかったころんくんが、今まで見たこともないくらい真剣な、強い眼差しで俺を見つめていた。
その真っ直ぐな言葉が胸に刺さる。ころんくんはハッとしたように、すぐに俺の口元から手を離した。
「……ごめんね、急に口塞いじゃって。苦しくなかった?」
「……はい。大丈夫、です……」
すぐにいつもの優しい表情に戻ったころんくんだったが、その瞳はどこか悲しそうに揺れていた。
(俺が、また間違えたからだ。余計なことを言ったから、困らせちゃったんだ)
そんな風にうつむく俺の心を透かして見たかのように、温かい言葉が降ってくる。
「Lapisくんのせいじゃないよ。大丈夫だからね」
俺も落ちたアメニティを拾おうと、その場にかがみ込もうとした。けれどその瞬間、あっとさんがそっと俺の肩に手を置いた。
「ここはころんくん達に任せて大丈夫だからさ。俺と一緒に、向こうの部屋に行こ?」
あっとさんは俺を、そっと背中を支えて部屋の奥へと連れ出してくれた。
振り返ると、だいきりさんが申し訳なさそうに、そして心配そうな目で俺の背中を見送っている。
あーあ。
――また、やっちゃったな。
胸の奥に冷たい塊が広がるのを覚えながら、俺はあっとさんに引かれるまま、重い足を動かした。