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太志Side


「なに?どうした?お前ら‥」



不穏な空気。いつになくピリついているのを肌で感じながら‥2人を交互に見比べた‥


テーブルを挟んで向かい合うように座っているが‥どちらも黙々と朝食を食べるだけで会話はおろか‥目すらも合わせていない。喧嘩でもしたんだろうか‥いや、それなら離れて座るよな‥これは面倒くさそうだと頭を抱えたくなる。




まぁ、藍は時々不貞腐れたようになる時はあるが‥祐希がこうなるのは珍しい‥



そして、冒頭で発した俺の言葉に誰も反応しない‥無視かよ‥



「おい、祐希!無視かよ!ちょっ、話聞けって!」



「太志、静かにしてくんない?飯食べてんだけど‥」



「それならもっと和やかな感じで食ってくんない?何?この空気?お前ら‥」

「ご馳走様っす!」



まだ話してる途中だったが、いきなり藍が席を立ち‥退席してしまう。

去り際に椅子を乱暴に押し込む行為に‥



「ほぅ‥あれはキレてんな‥ぷっ‥くくっ‥」



“キレてますアピール”がストレート過ぎてもう笑うしかない。

思わず吹き出してしまう。



「何笑ってんだよ‥」


「いや‥笑うだろ‥あんなにストレートにわかりやすいの‥藍だけだなって‥そして、お前の顔‥ぶっはははぁ‥」



いや、もう無理。止まんない。ゲラゲラと笑い出すとギロリと睨まれた。いかん。


「俺の顔がなんだよ?」



「お前いま、冷静じゃないだろ?藍が出ていってから、落ち着きない顔してるからさ‥気が気じゃないっていう‥くくくっ、ダセー!笑」



「‥後で覚えとけよ」



ポツリと呟かれるが‥それでもツボに入ってしまった俺はしばらく笑い続けた。

こんな表情なんて、なかなか見れないからな。







「で?何が原因なの?喧嘩でもした?」


一通り笑い終えると、本題へと入る。そもそも昨日合宿がスタートしたばかりだと言うのに‥何が理由で喧嘩するというのか‥


しかも藍とだなんて珍しい‥俺の記憶では一度だって喧嘩しているのを見たことがない。


特に祐希は藍に甘い。惚れた弱みなのか、大抵藍に合わせているような行動が多い気がする。


それが今朝になって、この態度だ。

誰だって気になり理由を探りたくなるに決まってる。



「喧嘩っていうか‥」


ポツリとそう呟くが‥そこからの反応がなく、考え込むように黙り込んでしまった。



「どした?」



「‥いや、藍が悪いんだよ。こればっかりは譲れない」


そう言うと‥ガタっと席を立ち、そのまま立ち去ってしまった。


結局、喧嘩の理由は教えないのかよ‥。

はぁと溜め息をつき、天井を見上げる。思った通り面倒くさいぞ‥これは。








「なぁ、藍と祐希って何かあった?」


練習の合間の休憩時間に小川を呼び止め話を聞く。多分、藍に聞いたところで答えてはくれなさそうだ。ここは2人の仲を熟知している小川に聞くのが妥当だろう。


「いや、何もないと思うけど‥何かあったんすか?」


「朝‥めちゃくちゃ険悪なムードだったから。おかげで朝食が台無しになるぐらい‥」



「マジで?あっ、そういえば‥昨日藍の部屋に遊びに行ったんすけど、途中で祐希さん機嫌悪かったかな‥ほら、今回藍と祐希さん相部屋だから、数人で遊びに行って騒いだから‥」




「お前ら部屋で食い散らかして帰ったんじゃないだろうな?」


「祐希さんもいるのにそんな事しないっすよ‥前にめっちゃ怒られたし‥」


「ふむ‥それなら普通に遊んで帰ったわけだ?藍の様子はどうだった?」


「いつもと変わらなかったけどなぁ‥」



小川の話をまとめると、夜に藍と祐希の部屋に何人かで訪れ、軽く雑談やゲームをして部屋に戻ったという事だった。


合宿中はよくある事だ。だがその時、普通通りだったならその後に何かあったということ‥って、

何で俺がここまで心配してやらにゃならないのか‥


「痴話喧嘩は犬も食わないって言うからな‥」



まぁ、どうにかなるだろう‥。んー‥と背伸びをしてまた練習へと戻って行った。






だが‥‥‥‥








「太志さん、よろしくっす」


「はっ?」



練習も終わり、自分の部屋に戻り暫くすると‥突然の来訪者。只今恋人と絶賛喧嘩中?の藍だった。それも荷物持ってるし‥


「いやいや、何?それにその荷物‥」


「俺、部屋変わってもらったんです。よろしくっす」


「はっ?変わった?」



「はい、智さんにお願いしたら秒でOKしてくれて」


その言葉で部屋をよく見ると‥確かに荷物がない。って俺に了承得ずに変わるなんて‥


「‥よくOKしたんだな‥」



「智さんにお願いしたら、なんか面白そうって喜んで変更してくれましたけど‥」


‥ああ、その光景が浮かぶ気がするな。


「‥まぁ、いいけど‥」


「あざーっす♡」



それならと足早に入り込むと、荷物をドサッと放り投げ、早くもベッドに寝転がり携帯を弄りだしたじゃないか。ほほぅ‥。



「俺、一応先輩なんだけどな‥」


「えっ?なんか言いました?」



「いや‥何でもない」



遠慮というものがないが‥俺に話しかけられてニコッと笑う姿を見たら何も言えなくなってしまった。‥俺も相当甘いよな‥。



「でも、いいの?」


「何が?」



「何がって‥祐希だよ。よく了承したな」



「‥言ってないっす」


「はっ?えっ?祐希に言ってないの?」


「‥はい、そこは智さんが説明するって言ってましたから‥大丈夫っす」



「いや、絶対大丈夫じゃねぇだろ‥」



呆れたように呟いた俺の言葉は‥携帯に夢中になっている藍の耳には届いていないようだった。




‥‥‥‥合宿二日目。






これからどうなるのかな‥


一抹の不安を抱えながら‥夜は過ぎていく‥





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