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付き合って2年。
世間はきっと、まだ続いてんだなお幸せにと声をかける年数。
実際はそんなことなくて、ひたすら素っ気なく
続く気がしない毎日だ。
いつも夜遅くまで働いて、たまに日をまたいで帰って。おかえりって言ってもただいますら言えないようになってしまった人。
そんな人が恋人なんて世間には言えない。
いつもより早い帰りをした今日も、ただいまなんて言ってくれない。
毎日おかえりと言ってる自分が馬鹿らしくて腹立たしくて、耐えきれなくて寂しいんだ。
在宅で仕事をしながらも、あなたのことを考えながら毎日暮らしているのに愛がすり減ってばっかりだ。
「今日帰り早かったね。嬉しいな、環と少しいれる時間が増える…」
「ごめん、もう寝るわ。」
「そっか…おやすみ。」
声をかけるといつも離れられてずっと距離を置かれて、いつからこうなったんだろう。
コーヒーを環に注いでいるところを見ていたはずなのに受け取らないで目を合わせないで板一枚越しで生活するんだ。
きっと明日も、明後日もずっと。
「意味わかんない…環のことが好きでたまんない
なのになんで、コーヒーすら受け取ってくれないの…」
食器棚にもたれかかって、こぼしたコーヒーを拭き取る力もなくひたすら泣くばかりで情けない。
人として情けないんだと心のどこかでずっと聞こえてくる嫌な言葉がトドメを刺した。
気づいたら日が昇り初めて、お弁当を作らなきゃと心拍数が急かされて火傷をした。
焦るのは良くないそんな事知ってる、今お互いに余裕がないのもわかってる。
頭ではわかってるのに心情が追いつかなくて国語の板書を取っているみたいだ。なんでこうなのと考える時間が欲しいのにそんな時間がない。
「弁当も飯もいらないから、休んどけ。七世」
「ごめん、あこれでなんか買って…」
「要らないから、朝飯も金も。
触らせて、朝居れる時間全部欲しいお願い…七世」
水道を止めて少し赤くなった指先をあなたはひたすら舐める。あなたが昨日までどんな顔をしてたのかどんな声色だったのか、どんな気持ちだったか、全部知り尽くしたい。
知り尽くしたぶん、知り尽くされたい。
自分の身体中の不安が水蒸気になっていく。
環はどんな気持ちで今居るの、もっと素直に少しでも話してよ。
昨日零したコーヒーが染みたカーペットを
押し洗いするみたいに、環も俺を押し倒して
触って汚れた所がないか探すように視線を送る。
「のどっ…つめで、いききするの…やばぃっ…」
「どんな気持ち?今まで不安にさせてたのどっか行きそう?…ほんとにごめん不安にさせて、」
泣きながら恋人の喉を触って噛む。
どうしたらそんな発想が出てくるのだろうか。
どうしてそんなに喉にこだわるんだろう。
「もっとさわって…ほら、こうしたら触りやすい…?」
少し首を上に反らさせて、腰の筋が浮き出しまうような体勢。寝落ちしたキッチンがいつの間にか暖かくなっていった。
「自分からそんな体勢できんの…笑」
興奮が混じった吐息で、体を触りながら言う。
どんな顔でいたらいいのかわからなくて
ただ頭の中は一緒にいたいという気持ちしかなかった。
「ん”ッ~~やばっ…そこやっ、、ッあ、」
「自分からこんな体勢しちゃったもんね笑
気持ちいい?もっと深いとこ行けそうなんじゃない?」
いつもより解けきった顔を見てどこか安心をしてしまう。こんな状態で安心なんてしたくないのにという気持ちと、1年ぶりくらいに愛されることを実感する嬉しさが入り交じってどうでもよくなる。
「あ”ッ、そこ、そこ…ん”ッ~~!」
「気持ちよくて涙止まんないね…可愛いよ、」
さっきまで不安が絡んでたくせに急に余裕のふりをする。
そこが愛おしくて、好きでしかたない。
明日から素っ気なくてもいいこれが最後でもいいからもっとそばにいて欲しい。
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