コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
皆さんこんにちは、ここではチャットノベルで先に連載を始めた『ひめゆり学徒隊と紡ぐ』の小説版を投稿します。内容はおんなじなんで好きな方読んでくださ〜い!え?なんで内容同じもの投稿するのかって?練習だよ、小説の。ってことでどうぞ〜
「う〜ん◝(◝ω◜)◜ノビ~!!いい天気ですね!」
太陽が粲々と照りつける夏の沖縄、そこには2人、いや3人の人影があった。日本、日帝、アメリカの3人だ。
「でも私、一つ気になっていて……」
「どうかしましたか?祖国様」
日本がちらりと後ろに目線をやるとアメリカと目が合った。
「なんで、なんでアメリカさんがいるんですか!」
本来ならばここにいるのは日本と日帝だけのはずだった。元々は2人で計画していた旅行だからだ、だが何故か気がついたらアメリカがついて来ていたのだ。
「そんなの日本の行くところについて行きたかったからに決まってるだろ( •̀֊•́ )ドヤァ」
「なんでドヤ顔してるんですか!ただのストーカーですよそれ!!」
アメリカは何故かドヤ顔を決めているがやっていることは実質ストーカーである。
「申し訳ありません、祖国様。アメリカが暴れに暴れて止めることが出来ず……」
「日帝!気にしなくていいですからね!」
申し訳なさそうにする日帝に日本は優しく声をかけるとアメリカにあきれ果てたように言った。
「というか暴れたって、貴方はでっかい赤ん坊ですか!アメリカさん!」
でっかい赤ん坊、その言葉に何故かピンと来たのだろうアメリカはハイテンションで叫んだ。
「はっ!日本のbabyになれば雄っぱいが吸えrっっっ!!いっってえ!」
「祖国様に、近づくな?(^^)」
アメリカは日帝に鉄拳を脳天に落とされて頭を抑えてしゃがみ込んだ。日帝は目が笑ってない笑顔でアメリカに圧をかけていた。
「だ、大丈夫ですか?」
「気にするな、大したことないぜ」
流石にアメリカを心配した日本が声をかけるとアメリカは倒れたまま親指を立てた。
「そ、そうですか、日帝も手、怪我してませんか?」
「大丈夫です、」
アメリカの頭はぶっちゃけ石頭なのでそれを殴った日帝の手を日本は心配していた。当の日帝はというと『祖国様…』と敬愛の視線は向けていた。
「良かった…ε-(´∀`;)ホッ」
日本がほっとひと息ついたのもつかの間、すぐさま後ろからドカンとアメリカが日本に抱きついてきた。
「にーほーんー!俺にもっと構ってくれ!」
「ああもう!くっつかないでください!暑苦しい!!ここがどこだと思ってるんですか!」
このクソ暑い中筋肉質な上に基礎体温の高いアメリカに抱きつかれて日本は思わず声を荒らげた。
「沖縄だぞ!」
「8月10日の」
何故かこんな時だけ息が合う日帝とアメリカに半分呆れながら日本は続けて言った。
「夏真っ盛りなんですよ!暑いんですからくっつかないでください!!」
そこまで言って日本は深いため息をひとつついた。
「はー、もう仕方ないですから、アメリカさんも一緒に行きましょう。」
「祖国様が仰るなら……」
日帝も不服そうだが何とか許容してくれた。
「゚+。:.゚(*゚▽゚*)゚.:。+゚やったぜ!日本!ありがとな!」
「もう、早く資料館行きますよ」
「ほいほーい」
めちゃくちゃ嬉しそうなアメリカを見て日本は微笑ましい気分になった。そして資料館に向かおうと1歩踏み出したその時、
『ズボッ』
何かを踏み抜いたような音がした。
「ん?」
「え?」
「what’s!?」
そのまま3人は重力に従って落下して行った。
「うえっ!?」
「\( ‘ω’)/ウオオオオアアアアーッ!」
「祖国様ァァァァ!!」
それぞれが悲鳴(?)を上げながら地下へと姿を消して行った……、アメリカは何言ってんのかぶっちゃけ分からん、楽しんでる気もする。
周りが急に明るくなり、なんと3人は空に投げ出されていた。
「落ちてるー!?」
「空!?なんで俺たち空にいるんだ!?」
「そんなこと言ってる場合か!早く体勢を整えろ!死ぬぞ!!」
日帝がそう叫ぶが重力がかかる上になんの心構えもできてない状態のため体勢整えるのはかなり厳しい状況だった。
「うわぁぁぁ!!」
「日本!大丈夫か!?」
「わ、私は大丈夫です!!」
比較的インドア派の日本が悲鳴をあげ、それに対しアメリカが叫んだ。
「祖国様!いざという時は私が受け止めますからなんなりと!」
日帝がアメリカを押しのける勢いで日本の方に近づく。空中でなぜそんなに移動できるのかは謎である。
「いや俺だ!」
「私だ!」
と、かなりどうでもいいことでまた喧嘩をし出す2人。
「こんなところで喧嘩しないでください!!あ!もう地面見えてますよ!」
流石に空中で喧嘩されて日本は困惑していたし地面が近いのに何してるですか!?と思っていた。
「日本は嫁にするのは俺だぁぁ!!」
「アメリカさん!?」
アメリカの急な告白(?)に日本は思わず叫んだ。
「祖国様に手を出すなぁぁ!祖国様は私の嫁だ!」
「日帝まで!?」
頼みの綱であった日帝までボケに回ってしまい日本はあからさまにショックを受けていた。
「わわっ!」
「とうっ!」
「大丈夫ですか?祖国様」
三者三様に地面に足を下ろした。アメリカに至ってはなんかスパイダー○ンみたいな着地の仕方をしている。
「大丈夫ですよ、それにしても……なんだか現代じゃないみたいですね……」
日本が辺りを見回しながら言う。確かに木々が生い茂っていて地面もアスファルトで整備されていなかった。
「…言われてみれば確かに……」
「なんか1940年代の日本みたいだ、」
アメリカが言い終わる前にドカーンと、近くで大きな音が鳴った。
「な、……」
「え?」
「は?」
全員がぽかんとして音がした方を向いた。最初に衝撃から立ち直ったのは日帝だった。
「どういうことだ……今のは爆撃の音…」
呆然とする日帝に日本が声をかける。
「なっ、日帝見てください、あれ……」
「あれは、壕!?」
日本が指さす先にあったのは『陸軍病院第二外科』と書かれた表札(?)が貼ってある壕だった。
「まさかここ、現代じゃない…?」
「う、嘘だろ……?」
誰一人この事実を受け入れられず声が震えた。
「ごめんなさい、アメリカさん。嘘じゃないです。あと爆撃というより先程の音は艦砲射撃に近かった気がします、」
「ということは、」
日帝が絞り出したような声で言う。
「お、俺が艦砲射撃を使ったのは沖縄だけだ。それも、戦争がほとんど終わりかけの1945年の4月上旬頃……」
「私達、1945年4月以降の沖縄にタイムスリップしてしまったようです……」
そう日本が結論づけた。
「は、」
「はあああああ!?」
あまりの出来事にアメリカが叫んだ。日本も日帝も叫びはしないもの叫びたいのは同じだった。
「と、とにかく!この格好をどうにかしましょう!それかこの格好でいる理由を考えましょう!あと偽名と!」
「そ、そうだな!」
「アメリカ…、お前絶対に顔を見られてはダメだ」
すると今まで黙っていた日帝が口を開いた。
「なんでだ?」
アメリがが日本に尋ねた。
「アメリカさん、この頃の日本は敵性語として英語、カタカナを使うことを禁止してたんです、つまり、アメリカさんが顔を見られたら、」
「殺されるってことか……」
アメリカは、死んだ魚の目をしてそう言った。
「そうなりますね、とりあえず顔は顔布で隠しましょう、」
「私は軍帽で隠れるから布は大丈夫だ。」
日帝はそう言いながら軍帽に付いている布の位置を調節している。
「じゃあ、私たちの経歴でも考えましょうか……」
「おう……」
既にかなりげんなりした声でアメリカが合いの手を入れた。
日本⋯偽名:日ノ本 君代日(ひのもと きよか) 戦争の最前線の視察をすると言って沖縄に来たマッジでやんごとなき身分の御方(という設定)。護送船が2週間前に迎えに来る予定だったが戦況の悪化で来れなくなってしまいやむを得ず沖縄で過ごすことになった。心労で護衛の帝日が倒れてしまい、その際にひめゆり学徒隊にお世話になったため、お礼に協力することになった(ということにしている)。帝日が倒れた際に西星(いりせ)という男性を拾った。「私は、醜いので……」と言っていつも顔布を付けている。
日帝⋯偽名:旭日 帝日(あさひ ていか) 君代日の護衛として沖縄に付いてきた(ということになっている)。護送船は来ないわ、戦況は悪化するわで心労が祟りぶっ倒れる(という設定です)。その後、ひめゆり学徒隊にお世話になったと知りお礼に看護師として従事する。気がついたら主の君代日が西星という男性を拾っていた。軍服を着ているため基本的に顔は隠れている。
アメリカ⋯偽名:西星(いりせ) 苗字はなく、第一次世界大戦の混乱期に親を亡くした孤児(という設定)。前の空襲で家を無くして困っていたところを君代日に拾われた(ということになっている)。その直後に倒れた帝日を助けてくれたひめゆり学徒隊にお礼に看護師(にしてはこの人ゴツイんよな……)として従事する。顔に傷がありいつも布を被っている(という設定)。
「こんな感じですかね……」
日本が持っていたスマホに経歴を打ち込みながら言う。
「視察に来たお偉い方ならスーツを着ていてもごまかせるな、それに運がいい。私は軍刀も司令部の勲章も持っている、」
「……俺、戦争孤児(?)をやるのか…」
アメリカが死にそうな声でそう言う。
「そうですね、とりあえず名前を呼ぶ練習をしましょう!」
日本がそう言い、名前を呼ぶ練習が始まった。え?練習風景見たいの?仕方ないなーちょっとだけだよ?
今はアメリカの名前練習してるね!
「まずはアメリカさん……西星さん」
「おう」
「西星……」
「なんか嫌そうだな!?」
あ、次は日本みたいだよ
「じゃあ次は……君代日〜」
「はい、なにかご用ですか?」
「うん、大丈夫そうだな、」
「君代日……様、」
「うーん、なれないな、」
日帝は相変わらず日本への敬愛と敬意がすごいね、でもそんなところも好き((殴、痛いなぁ、殴らなくてもいいじゃん。
「とりあえず、自分の偽名を呼ばれて反応出来れば十分ですよ」
「そうだな」
あ、最後は日帝だね、
「帝日」
「なんだ?」
「うん、大丈夫ですね、」
「これならとりあえずは大丈夫だな」
練習終わったみたい。君は戻りなね、またいつでも来ていいから。じゃあね、
「あ、そうだ西星さん、沖縄の地名いくつか覚えましょう、」
「え?」
何故急に沖縄の地名を覚える必要があるのだろうかとアメリカは首を傾げた。
「その方がいいです、どこ出身か聞かれた時に答えられなかったら困るので」
「そうだな、覚えておいた方がいい」
日本と日帝が口揃えてそう言った。
「じゃあ今帰仁(なきじん)と朱里(しゅり)と那覇(なは)を覚えてください、出身地を聞かれたら今帰仁って答えてくださいね」
「おう…、なんか、」
アメリカが急に口ごもり、日本は思わず尋ねた。
「どうしました?」
「現代に帰りたいなって、」
「そうですね……」
その瞬間3人の傍を生暖かい風が吹き抜けていった。
〜続く〜
第1話は以上です、どうでしたでしょうか?コメント、ハートお待ちしております!ぜひください沢山貰えたら更新が早くなるかも……?では!また会いましょう!