最近、テスト前で涼架に勉強を
みてもらう機会が多かった元貴。
昼休みも、放課後も、涼架と一緒に、
参考書を広げていることが増えていた。
元貴『涼ちゃん、ここ教えて?』
涼架『いいよ!ここポイントで〜』
よく笑い、よくしゃべる二人。
その楽しげな雰囲気は、
廊下を通る生徒にも目立っていた。
ある日、元貴が放課後に涼架と一緒にいると、
突然滉斗が無言で現れる。
滉斗『…元貴』
元貴『っ!?せ、先輩…』
滉斗は表面上は笑っているけれど、
どこかピリッとした空気。
滉斗『涼架ごめん、元貴借りる』
涼架『え、あ、はい、!
…じゃあ、また明日ね!元貴!』
涼架が去るや否や、
滉斗は元貴の手首をそっと引く。
滉斗『…最近、ずっと涼架と一緒にいるよね』
元貴『ご、ごめんなさい…
勉強、分かんなくて、』
滉斗『それでも…』
滉斗は人気のない階段の踊り場へ
元貴を連れていく。
滉斗『……俺のこと、ちょっとは嫉妬させたい
とか、思ってた?』
冗談めかしたような声。
でも、その目はいつもより真剣。
元貴『ち、違う…!そんなつもりじゃ…』
滉斗『へぇ…でも、俺の元貴が他のやつに
構われ続けてると、さすがに我慢、
できなくなるんだけど』
滉斗はゆっくり元貴に寄り、
壁に手をついて目を覗き込む。
滉斗『…俺、こんなに元貴のこと好きなのに』
元貴『っ〜!?///』
滉斗『今日はもう、逃がさないから』
低く囁く滉斗。
その手は元貴の頬を包み込むと、
深く、優しくキスを落とす。
元貴(ドキドキして、爆発しそう…)
一度離れるかと思いきや、
滉斗はさらに元貴の耳元で囁く。
滉斗『こうやって、
俺のことだけ考えさせてやるから』
元貴『んっ…や、駄目…先輩、///』
滉斗『何が駄目?俺と涼架どっちが一番?』
ますます距離が詰まり、
元貴の背中をそっと抱き寄せる。
制服越しに感じる体温と鼓動に、逃げ場がない。
滉斗『涼架と仲良くするのも
いいけど、俺が一番が良い』
元貴『…先輩が、一番…です、///』
滉斗『よくできました、』
再び重なる甘いキス。
溶けそうなくらい優しくて、
でも独占欲のにじむ、
意地悪なまでの優しさだった。
滉斗『俺にだけ“構って”もらえよ』
滉斗の低い声が、元貴の耳に心地よく刺さる。
ドキドキして苦しいけど、
『こうやって甘やかされるのも
…嫌じゃない』と思ってしまう元貴。
元貴は滉斗にしっかりと腕を
引き寄せられていた。
滉斗『今日くらい、
誰にも邪魔されたくない、…俺だけ見て、』
滉斗の声は、少しだけ震えていた。
元貴『先輩…///』
答える暇もなく、滉斗はゆっくりと
元貴を見つめ、唇を重ねてきた。
はじめは優しく、
やがて息もできなくなるくらい深く――
独占欲のこもった甘いキス。
滉斗の手は元貴の腰に回り、
もう一方の手は頬を撫でて離そうとしない。
滉斗『もう、勉強のことも、
涼架のことも考えさせない』
キスの合間に、滉斗が意地悪く囁く。
滉斗『俺のことだけ感じて、俺だけ見てろ』
再びキスが重なる。
頭の中が真っ白になって、
まるで世界に2人しかいないような気さえした。
やっと滉斗が唇を離したとき、
元貴はもう足元がふらついてしまう。
滉斗『ほら、俺がいないとダメになっちゃう』
意地悪そうに微笑む滉斗。
元貴『…先輩、ずるい…///』
かすれた声でそう呟いた元貴は、
ふわふわして頭が回らない。
ふと横を見ると、
階段の下からものすごい数の視線が…
生徒『ああああああ!!!』
部活を終えた生徒たちが、
階段下で一列になって口をぽかんと開けていた。
元貴『見て、、た…?///』
滉斗『…あー、やっちゃったかも、//』
滉斗は少しだけ頬を赤くしつつも、
肩を抱いたまま堂々とした態度。
元貴は顔が真っ赤になり、
滉斗の胸に顔を埋める。
元貴『み、見られてたじゃないですか…!』
滉斗『うるさい。元貴の“好き”も全部、
みんなに見せつけてやればいい』
さらに滉斗は耳元でそっと――
滉斗『俺のだって、
これで全員に証明できたじゃん、?』
元貴は恥ずかしさで溶けそうになりながらも、
どこかうれしくて、
帰り道ずっと滉斗の手を離せなかった。
滉斗『先輩…責任、取ってくださいね、///』
ふたりの甘さと秘密は、
もう学校中に知られてしまったけど――
今日だけは、誰かに見られても構わない。
だって、
それくらい”好き”が止められなかったんだから。
コメント
6件
まじで貴方に出会えてよかったと心底思える…
ちょその集団私も入りたい!! 一旦友達になってくる…
こりゃすげぇ