テラーノベル
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朝から賑わっている教室。文化祭の準備が始まっている。
出水がナマエに声をかける。
「なあ、ナマエ。クラスは何するの?俺んとこはパンとかジュースのただの店。」
ナマエは少し照れたように目をそらす。
『あ〜、いやー、なんかさ、聞いてなかったっていうか………教えるの恥ずかしいっていうか…』
「なんだよそれ!全然教えてくれないじゃん!」
『だって先輩にそんなこと言ったら、変な目で見られそうだし…』
「変な目って、俺そんなことしねーよ!」
『うーん、まあ…そうなんだけどね。うふふ』
出水は笑いながら、じっとナマエの顔を覗き込む。
「それじゃあヒントだけでも教えてよ」
『えー、ヒントかあ…』
ナマエは考えてから、くすっと笑う。
『喫茶とか、かな〜?』
「え!?喫茶って…もしかしてメイドとか!?」
『うーん、どうだろうね〜』
「ずりぃ、それじゃあ全然わかんねーじゃん!」
ナマエは嬉しそうにくしゃっと笑った。
『先輩にはまだ秘密!』
「もう、しょうがないなあ。ナマエの秘密って、俺には永遠にわからない気がする」
『そーだよ、それでいいの!』
ふたりの間に、少しだけドキドキする空気が流れた。
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