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ケイシ不在の中、城になにやら怪しい男が数人忍び寄っていた、
兼ねてからリーシを我が物にしたいと思っていたジーファ国ダリン将軍の配下達だ
守衛兵を次から次に殺していき城内に侵入したところで、ダリン将軍も馬に乗りやってきた、
城内の目に入る人間は女でも全て斬っていった、
「将軍、リーシ様はこの部屋にいるかと思われます」
配下の言葉を聞き、ダリンは胸の昂ぶりとともに扉を蹴破った、
「リーシ..」
中にはリーシと二人の子セイカとユイ、そして侍女が一人居た
「リーシ様!ここは私が!」
短刀を持ちダリンに向かう侍女にリーシは言った
「お辞めなさい、あなたまで斬られてしまいます」
5歳のセイカは果敢にも母と弟、侍女を守ろうとしている
それらを瞬時に悟ったリーシは覚悟を決めた
「あなた様は確かダリン将軍ですね?私はあなたのいう通りにいたします、ですからどうかどうか二人の子の命と侍女を助けてください、その約束を守っていただけるのであれば、私はなんでもいたします」
「うむ!ワシも男だ約束は守ろう。お前さえ手に入れば他はどうでもよいわ!」
セイカと侍女は縄で括られ、泣き喚く赤子のユイは地べたに寝かせられた
「いくぞ!」
ダリンがリーシを担ごうとした瞬間、リーシはセイカに言った
「よいですか、母様はあなたとユイを心から愛しています、父様のことも心から愛しています、それだけは絶対に忘れないでください、よいですね」
リーシの頬を止めどなく涙がつたう
「なにをうだうだ言っておる!行くぞ!」
リーシはダリンに担がれ姿を消した
セイカは狂ったように泣き喚いた
「母様!母様!父様!父様!助けて!」
侍女も必死に助けを呼ぶ
まだ赤子だったユイだけが状況も分からずただオギャーオギャーと泣いていた