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兎「なるほど……なかなか興味深い伝承が残っている町なんですね」
白「そうね。他にも色々と不思議なことが伝わってるのよ。例えば猫に関する言い伝えが多いかな。ほら、この町では猫がよく捨てられるっていう話を聞いたことはないかしら?」
兎「あー、確かにそんな話は聞いたことがありますね。あれって本当のことだったんですか?」
白「どうだろうね。まぁ捨てられた子猫を見つけても可哀想だと思わない人も多いでしょうし、実際そういった理由で捨ててしまう人もいるんだろうけどさ」
兎「確かにそうかもね。ペットを飼うことだって簡単じゃないもん。お金がかかることもあるしさ」
白「動物病院代とか餌代とかワクチン接種費用とか病気になった時の医療費とか考えれば結構大変なんだよ」
兎「うちの子も私が拾ってきた子なんだよね〜」
白「そういえばそんなこと言ってたっけ」
兎「うん、でも今は幸せだよ!」
白「そう言ってもらえると嬉しいかな」
兎「ちなみに犬派?猫派?」
白「どっちも好きだけどどちらかと言えば猫かなぁ」
兎「じゃあ次はこの人かな!」
白「そうね、次はこの人にしようかしら」
宇「では私が紹介します!!」
白「はいどうぞ〜」
兎「ありがとー!早速読むねっ」
〜♪
「はじめまして。私の名はルサールカ・レストレンジと言います。職業は占い師です。占いと言っても未来予知ではなく、人の過去を見る能力を持っていて、それを占うことを得意としております。もし何か知りたいことがあったり困っていることがありましたら是非相談に来てください。宜しくお願い致します。」
白「なるほど、ありがとうございます。ルサールカさんでしたか」
兎「あー!あの怖い話の人!!」
白「そういえばそんなこともあったわね」
宇「なんかすいません……(小声)」
白「いえいえ、気にしないでください」
(間)
兎「巴さんはどうしてこんな町に来たんですか?」
白「それが分からないんです」
兎「何かきっかけとかあったりしました?」
白「えっと……すみません。よく覚えていないんです」
兎「えっ!?なんですかそれ!」
白「気がつけばこの町にいたんです」
兎「えぇ……」
白「気がついたらここにいて、気づいたら一人で暮らしていて」
兎「そっかぁ。大変だったんだろうなぁ」
白「大変だったんでしょうね」
兎「じゃあ今は幸せ?」
白「幸せですよ」
兎「良かったね」
白「はい」
兎「あっ!もうこんな時間!帰らないと」
白「あらほんとうね」
兎「明日もまた来てもいいかな?」
白「もちろん歓迎するわ」
兎「なるほどなるほ……あれっ!?」
白「どうしたの宇津木さん」
兎「あっちの方角にも何か建物が見えませんかね?」
白「そういえば見えるかもね。行ってみましょうか」
兎「はい!!」
白「なんかここら辺だけ雰囲気が違う気がするけど気のせいですか?」
兎「確かにそんな感じがしますね。なんだか嫌な雰囲気ですよね」
白「なんだろうこれ、すごく怖いよ」
兎「こんなところに一人で来たのは初めてかもしれないです」
白「やっぱり帰ろうかな……」
兎「えっとここはどこですかね?帰り道がわからないぞ?困りましたね〜」
白「ねぇ、さっきからずっと私の後ろをついてきてる人がいるんだけれど……」
兎「え?そうなんですか?全然気づきませんでした」
白「振り返らない方がいいと思うわよ」
兎「えっなんですか急に怖いこと言うじゃん。絶対見ませんよ!?」
白「ほら、あれ見てみなさい」
兎「あ、ほんとだ!なんか光ってる!」
白「何が見えるかしら?」
兎「えっと……なんだろこれ?鏡かな?何か反射しているように見えるけど」
白「正解よ。さっきまでは何もなかったはずだけど今はあるものが見えてるでしょう?」
兎「確かに見えましたね。ってまさか」
白「そう、その通りよ。つまり今の私たちは幻覚を見せられているのよ」
兎「なるほど……じゃあ早くここから出ましょう!!」
白「残念ながら私たちではどうすることも出来ないわ。おそらくこのままだといずれ私たちもこの幻に取り込まれてしまうでしょう」
兎「そんなっ!?なんとかならないんですか!!」
白「大丈夫よ。まだ時間はあるはずだわ。それまでここで待っていればきっと何とかしてくれる人が来るはずよ」
兎「そっか、良かったぁ……」
白「とりあえず今は休みましょう。色々ありすぎて疲れちゃいましたし」