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四聖獣たちに仲良くなろうと提案された琳寧は、呼び方を変え、会話を楽しんでいた。
「そう言えば、前街に行ったとき、琳寧ちゃんはよく食べ物の方見てたよね?なにか好きな食べ物はある?」
白蓮が聞く。
「うーん、まだこれが好き!ってのは分からないけど…あ。甘いものは好き!」
「甘いもの…チョコレートとかはお好きですか?」
「ちょこれぇと?」
朱暖が言った、ちょこれぇとという物は初めて聞いた。私は頭を少し傾けた。
「琳寧ちゃん、チョコレート知らない?」
「なら、すごく甘くて美味しいから、今度持ってくるね!」
玄翠と白蓮がそう言ってくれた。
「…というか、白(びゃく)も玄(げん)も、琳寧ちゃんにタメ口じゃん」
朱暖がそう言う。それを聞いた2人は、さっと目を背けた。本当はタメ口は良くなかったってことかな?
「い、いや!僕は白がタメ口だったから、いいのかなって思っただけで…」
「え!あたしのせい?!でも!タメ口の方が距離感近くなりやすいからと思って…」
私は全く気にしてなかったからいいんだけど…
「あの…朱暖…?」
「「「……へ??」」」
「ジブンも琳寧ちゃんともっと仲良くなりたい!!規則なんか知ったもんか!!!琳寧ちゃん、ジブンもタメ口でもいい?」
い、勢いがすごい…
「うん、全然大丈夫だよ…?」
「やったーー!!」
修練場に入ってきてから思ったけど、朱暖って結構…“元気”なひと?
「そういえば、青嵐が全然喋ってないね」
最初は喋っていたのに、今は何か考え事でもしているようで、真剣な顔で黙り込んでいる。
「確かにそうだね。おーい、青嵐?起きてる?」
朱暖が青嵐の前で手を振って声をかける。でも返事はない。
「ありゃりゃ。青嵐ってば、いっつもこうなんだよね。考え込むと自分の世界に入っちゃう」
「青にぃ!!青にぃ!!琳寧ちゃんとお喋りしようって言ったじゃん!!」
と言って、白蓮が青嵐の背中をバシッと叩いた。青嵐は、それでやっと気がついたみたい。
「も〜!琳寧ちゃんと仲良くなる場なんだから、ぼーっとしないで!」
「あぁ…すみません。少々考え事をしていまして…」
青嵐…悩みでもあるのかな?
「大丈夫?疲れてない?」
「お気遣い感謝いたします。ですがもう平気です!」
「ならいいんだけど…」
「ねぇ青!!ジブン、琳寧ちゃんにタメ口の許可もらったんだ〜!」
朱暖は自慢げに話す。いや、そんなに自慢することじゃないのに…
「あ、青嵐だってタメ口でもいいんだよ?」
他の3人は良くて、青嵐だけがダメだなんてことはない。でも青嵐は申し訳なさそうな顔をして目を逸らした。
「いえ…私は敬語の方が慣れていて、楽なので…。このままでもよろしいですか?」
敬語の方が慣れてる?よく考えてみると、3人にはいつもタメ口で、私や、イザナギさんとかの神様には必ず敬語だ。『目上の人には敬語を』の精神は凄いと思うけど、敬語がの方がいいって思う程慣れるなんてことあるのかな…。もしかして青嵐、何か大変なことがあったりとか…?
「ねぇ、青rー」
「お、やっぱりここに居たか。琳寧」
玄翠、白蓮、朱暖の3人は素早く下がって警戒をする。でも、警戒するような相手じゃない。
「凛音!」
「悪いな。なかなか戻ってこれなくて」
「なーんだ、凛音くんだったのか。全く気付けなかったから、びっくりしたよ!」
白蓮の言う通り、扉が開いたのも気付かなかった。…正直私もびっくりした。
どうやら凛音は青嵐と話した後、イザナギさんに呼ばれて手伝いをしに行っていたらしい。
「あ、そうだ凛音!これから四聖獣のみんなが、私の師匠になってくれるんだって!あと、世話係にもなってくれるんだって!」
私は凛音に今までの事を伝える。何気なく四聖獣の方を向くと、玄翠、白蓮、朱暖はニコニコしている。でも、青嵐だけは少し険しい顔をして、凛音をじっと見つめていた。そして凛音の方を向くと、青嵐を見ながら少し笑っていた。もしかして…
「凛音と青嵐、喧嘩でもしたの?」
そう言うと、青嵐の表情はいつも通りに戻って
「いいえ、そんなことはありませんよ。お気になさらず」
「そうだぞ琳寧!俺と青嵐は仲良しだぞ!」
「そっか…ならいいんだけど…」
2人とも喧嘩してないと言っているので、私は何も言えなかった。
先程の凛音さんとの対話からして、凛音さんが普通じゃないことは簡単に想像できる。凛音さんが入ってきた時だって、私たちですら気付けなかった。多分、わざと気付きそうな素振りをして、私たちをからかっているのだろう。
琳寧様が楽しそうに話しておられる。それを聞く凛音さんも楽しそうではある。でも、彼が本当に私たちに牙を剥かないという保証はない。…というか、“まだ”信じられない。
「凛音と青嵐、喧嘩でもしたの?」
しまった。警戒し過ぎてしまっている。
「いいえ、そんなことはありませんよ」
私は誤魔化すことにした。
凛音さんは恐らく、誤魔化したり、誤解するような言い方はするが、嘘はつかない。だから、彼が言った『安心しろ。俺はお前が思うような変な奴じゃない』というのは信頼しても良さそうだ。ただ、その『変な奴』がどこまで変かを指すかは明確じゃないため分からないが。それとあの威圧感…。普通はあんな恐怖を感じるものは出せない。凛音さん、あなたは一体何者なんだ?もしあなたが私の予想通りの人物ならば、私が『仲良くする』という約束を破ったとき、どうなるか分からない。
相変わらず凛音さんは何事も無かったかのように、琳寧様の話を聞きながらコロコロ表情を変えている。あなたの頭の中を見てみたいものだ。
「さて!結構話した事だし、そろそろ仲良くなれたんじゃない?」
話し始めてどれくらい経ったのだろう。凛音も入ってからより会話が弾んで、時間も忘れて喋っていた。お互いの好きなものの話から白蓮と玄翠の喧嘩の話、戦う時の話もした。そのおかげで、みんなの事をより詳しく知れた。
「そうだね。みんなありがとう!」
「お礼なんて言わないでよ琳寧ちゃん。これはあたし達がしたくて勝手にやってる事なんだから!」
白蓮がそう言うと、みんなは頷く。
「ま、俺としても琳寧に友達ができるのは嬉しい事だからな!これからよろしくな!」
「なんかすっごい保護者みたいな事言うね。変なの〜」
朱暖がからかうと、凛音は「うっせ」と笑う。私も凛音に友達ができて嬉しい。
「もうこんな時間ですね。一旦お開きにして、夕食にしましょうか。これからは私達が食事の用意をいたします。ですので、琳寧様はお寛ぎください」
そっか。世話係だから、私の身の回りのことは四聖獣のみんながやってくれるのか。…なんだか申し訳ない気持ちになる。自分にできることは自分でやっておこう。
夕食は思ったより早く準備が出来たらしい。私はみんなと食卓を囲み、楽しい食事を終えた。それからは入浴して、自室でゆっくりして、そのまま眠りに落ちた。
そう言えば、今日は一気にいろんな事が増えた。結局あれからイザナギさんは見てない。忙しいんだろうな。そう言えば、天清さんと初めて会ったけど、午後からは見てない。明日も会えるといいな。四聖獣のみんなとはこれからずっと会えるし、仲良くなれたから嬉しい。
翌日、私はいつも通りの時間に起きて、凛音もいつも通り、私より早くに起きてる。ただ違うのは、凛音が何故かニコニコしている。
「おはよ、琳寧」
「おはよぉ…。なんだか今日は気分が良さそうだね。何かいい事でもあったの?」
「青嵐が思ったより面白い奴でな。弄りがいがあって楽しいんだ!」
凛音、青嵐をいじめてたの…?
「青嵐をいじめないでね」
とう言うと、「すまん、すまん」と言って受け流した。絶対反省してないやつだ。
「あ、そう言えば朝飯の準備できてるってよ。行こーぜ!」
凛音に連れられて食堂に行くと、美味しそうな朝食が並べられていた。青嵐が作ったらしい。私と凛音、白蓮、青嵐はちゃんと起きているけど、玄翠と朱暖はまだ寝ぼけている。朝は弱いのかな。
食べ終えると、私は昨日と同じように取り調べがある。凛音は先に修行を受けてみるらしい。私も早く受けたいのに…。でも、天清さんに会えるんならいっか!
と思っていたけど、私を迎えに来たのは天清さんではなかった。
「琳寧ちゃん!おひさ〜!!」
聞いたことがある声。高身長で、サングラスをかけ、長い髪を一つに束ねたの男の人。
「釈迦さん!!お久しぶりです!!」
「あれ、なんか表情明るくなった?前にも増して可愛くなってんじゃん!!俺、そーゆー子タイプよ!」
たいぷ?なんの話だろう。でも返事を返さない訳にもいかないので、ありがとうございますとだけ言っておいた。
「そう言えば、今日も天清さんが来ると思ってたんですけど、釈迦さんだったんですね」
そう言うと、釈迦さんは頭を掻いて気まずそうにする。
「天清ちゃんね…ナギくんの天使長でしょ?」
合ってるのに、なんで気まずそうなんだろう?
「実は…
…え?