テラーノベル
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「……おーい、成瀬。大丈夫そー?」
「……………………はい?」
「和住は職員会議いったよー。今のうちに帰ろ〜」
戸惑いつつ扉を開けると、そこには…ギャルがいた。
「ど〜ちらさまですかね?」
「いや、友達でしょ。成瀬が遅いから、今朝もメール送ったじゃん」
「あっ…あ〜そうだよねっ!マジありがと!……ところでぇ〜名前、何でしたっけ?」
「…あんた、さては成瀬じゃないな?……って何その梅干しみたいな顔。マジかよ」
「んふ♡バレたか」
「『んふ♡』じゃねーし。説明せい」
「背に腹はかえられぬ(?)話すと長くなるから、一緒に帰らない?」
ということで、私は転生してしまった経緯を、帰り道の分からない私を家まで送り届けてくれる親切すぎるギャルの友達(西田詩遥《にしだしのぶ》という名前らしい。思ったより古風でくそかわいい。)に話しながら帰路に就いていた。
「という訳で、私は私のことをなぁ〜んにも知らないの。信じてくれる?」
「おうともよ!あーしは物分かりが良いのさっ!よしっ…精神科行こうか」
「てやんでいっ!!何も分かっとらんやないかい!!」
「まてまて。そんな急に受け入れられるわけないやろがい。ご都合主義のラブコメ小説じゃあるまいし」
「ぐっ(ご都合主義拒絶パンチのダメージ)」
「まぁ、ここは作者のご意向を汲んで、聡明な友人キャラとしての役割を果たすとするか。…あんたの名前は『成瀬想世《なるせそよ》』。今、高2であーしと同じクラス。あんたの特長は…まぁ家で鏡でも見たらわかる。あんたの家族のことは家族に聞いてみたら。以上」
「情報少なっ!!」
「はーい。お家着きました〜。じゃ、また明日」
こうして何の疑問を解決しないまま、転生初日は呆気なく終了したのだった。
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