テラーノベル
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転生2日目。今朝も洗面所に立った私は、私ー成瀬想世について1つ分かったことがある。
ずばり…私は驚くべき美少女なのだ!
いや、冗談抜きで。
ぱっちりとした二重の目、整った鼻、ぷっくりとした唇が白くてもちっとした肌の上に完璧に配置されている。さらに、スタイルも良く見事なまでのボンッキュッボンが顕在しており(推定Eカップ)、髪は毛先がゆるくカールしてサラツヤである。
とまあ自画自賛はこれくらいにしといて、今日は遅刻を回避した私は教室の扉を開けた。
「西田おはよー」
「はよー」
「ふふん。気づいちゃったんだな〜自分が空前絶後の美少女だということに🎵」
「そら、よかた」
「でも、可愛いすぎていじめられてやしないかい?成瀬は」
「うーん、出過ぎた杭は打たれないから今んとこ大丈夫」
「そうかそうか、これで破滅フラグは折ったも同然!」
「そら、よかた」
「…そういえば私達の担任どうなったかな?あの激ヤバ教師、絶対重い処分くらってそう。学校始まって2日目なのに、もう担任不在になるのかな?」
「あ〜…そのことなんだけどーー」
とその時、キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴ると同時に扉を開いた人物は、私の思考回路を突然停止させた。
は?
デジャヴ。デジャヴすぎる。だって、目が合ってしまったのは…あの激ヤバ教師なのだから。
でも、しっかり目が合ったにも関わらず、担任は真顔で
「朝礼を始めるので、着席して下さい」
と声をかけた。そして、何事もなく朝礼を終え、そのまま去って行った。
「……謎すぎる」
と思っていたら、頭を抱える私の周りに数名の女子達が。
「おはよー成瀬。昨日はヤバかったね」
「ほんとほんと。イケメンではあるんだけどね〜」
「付き合うならまだしも、結婚は重すぎでしょ」
「えーでも、あんたのとこ結構重くない?山岸先生と付き合ってるんだっけ?」
「和住ほどじゃないわー」
「それはそう笑」
「そーいえば、りなも最近飽きたって言ってなかったっけ?」
「そうそう!顔で付き合うんじゃなかったわー。おじさん構文耐えられねぇ〜」
「やっぱ、他校の男と付き合うのが無難やわ〜」
「でも、出会いねぇー」
!!成瀬は混乱している!!
喋り倒した女子達が私の席から離れていくと、気の毒そうな視線をこちらに向ける西田が私の肩を揺さぶった。
「成瀬ー!大丈夫かー!」
「いや、だいじょばないだろ…」
「あんたの前世ではどうだったか知らないけど、JKと教師が付き合うなんてこの世界では日常茶飯事なんじゃよ。だから、和住は学校を追放されたりしないの」
「あ、あぁ…倫理観がぁ…私の倫理観がぁ!!」
「耐えろ成瀬。脳破壊されてる場合じゃねぇ。和住は何しでかすか分かんないからね」
「転生して美少女になったからイケメンとキラッキラの青春ができるはずでは??」
「…ご愁傷様」
終わった。思い描いていたものが盛大に音を立てて崩れていった…。
…しかし、私はへこたれる系美少女ではないのだ!まぁ、あの激ヤバ教師のことは記憶からさっぱり消せばいいだけ。これからは、友達と青春を楽しむのが超前向きな主人公ってもんよ!
その日の放課後、早速私は西田に声をかけた。
「西田〜放課後遊びに行かない?」
「おっけー」
「じゃっ、駅前のスタバにーー」
「成瀬さん」
「!?」
**野生の激ヤバ教師があらわれた!**
なっ、なんじゃい…
「お話ししたいことがあるのですが、放課後お時間大丈夫ですか?」
「え」
「ふっ…先生、成瀬ヒマですよ?」
「(なっっ!!!くそ西田!!!)」
「あーし、先帰るんで」
「そうですか、ではまた明日」
帰り際、ウインクをした西田を睨みつけたけど彼女は意にも介さず行ってしまった。
どどどうすれば…
「成瀬さん」
「…はい」
「付いて来て下さい」
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