テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
11
2,288
383
⚠️全て捏造・キャラ崩壊有⚠️
────────────────────────────
俺は今、うるみやに膝枕をしている。
自分でさえどうしてこういう状況になったのかあまりよく分かっていない。
今日はお酒も飲んでないのに、今、とてもうるみやに甘えられている。
仕方ない。うるは猫ちゃんだから。
エゴサをしていたうるがスマホを置いて『しゃる』と名前を呼んだ。
ん?と返事をしたら、うるの右手が伸びてくる。
手を握ってあげるとぎゅっと握り返してくれたり、かと思えばパッと手を離して指で手のひらをくるくるなぞったりしている。
楽しいのかよく分からないまま好きにさせてると、手遊びか終わったらしいうるは、俺の手を自分の頭の上にぽんと乗せた。
さらりとした髪を撫でるとうるが嬉しそうに笑う。
そのまま撫でながらスマホを弄ってたら、今日のうるはいつもより猫ちゃんらしく、『子供扱いせんといて』とお叱りを受けた。
「してないよ笑」
『じゃあ何扱い?』
「ん〜…特別扱い」
それを聞いてご機嫌になったうるは、体を起こし、嬉しそうに俺の膝の上に跨った。
俺がスマホを自分の隣に置くのとほぼ同時に、腕を首に回してくる。
顔を近付けてきたからキスされるのかと思ったけど、あともう少しという距離でうるは俺の首元に顔を埋めた。
すんすんと匂いを嗅がれる。
「俺まだ風呂入ってないよ?」
『知ってる』
ぎゅう、と力が強くなった。
背中をぽんぽんと優しく叩いてあげたら安心したように腕の力が弱まった。
次は俺の番。
俺もぎゅっとうるを抱きしめて首元に顔を埋める。
自分がされるのは恥ずかしいようで、べしべしと背中をたたかれる。
そんな事もお構い無しに息を吸う。
『ん、こしょばい、』
「先にしてきたんそっちでしょ」
『そうやけど、ッ』
「逃げないで」
うるは観念したように俺のうなじをすりすりと撫でてきた。
帰んのめんどくさ、と零したから「泊まる?」って聞いたら『……今日はやめとこかな』って返されたけど、いつも泊まっていかないじゃん。
「いつでもウェルカムなんだけど」
『別に隣やん』
「隣だからこそでしょ」
いつのまにかうるは抱きしめていた腕を離して、手を握ってくる。
『なあ』
「ん?」
『名前、呼んでや』
「うる」
『違くて、あの、本名の方』
「 」
『 』
俺達はたまに本名でお互いを呼び合う。
「しゃるろ」と『うるみや』である前に、自分は自分だと言い聞かせるように。
ご満悦そうなうるが頬を撫でてくる。
その表情にぐらりと理性が揺れ、いっそ押し倒してしまおうか、という欲望さえ出てきた。
うるに悟られないようにそれを抑え込み、手に擦り寄る。
『家まで送ってや』
「隣なのに?」
『隣やからこそやろ』
ついさっきもこんな会話したな、と笑う。
さっきまでの空気はどこにいったのか、うるはすんなりと俺の膝を降りて『日付変わってまう』と俺の手を引いて隣の家に向かおうとしている。
家から出てほんの数歩。
別れを告げてお互いの姿が見えなくなるほんの少し前。
ふと思った。
相棒をやめてしまえれば、
「もっとうるのこと甘やかせるのに」
なんて。
もっと、と強請る気持ちと同じくらい、俺はうると今のままの関係で居たい。
だって、この関係じゃなくなったら、俺はどうなる?
俺は、「しゃるろ」じゃなくなる?
「しゃるろ」と「 」、どっちの自分を大切にしたらいい?
答えが出るまでに気の遠くなるような時間を費やすであろうこの疑問は、今考えるべきじゃない。
先月に比べて少し冷たくなったような風を浴びながら、うるの家を後にした。
────────────────────────────
コメント
1件
うわ、甘々なのに最後の一文でグッと切なくなるやつ…!膝枕から始まって、匂い嗅いだり撫で合ったり、猫ちゃんみたいな距離感がすごく可愛かったです。でも「相棒をやめてしまえれば」って心の声が出てきたところで、ああ、この関係って実はすごく危ういバランスの上に成り立ってるんだなって。本名で呼び合うシーン、すごく好きです。続きが気になります!