テラーノベル
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「ただいま〜」
亮が帰って来た。
「お帰り〜」
「舞〜♡」
「ふふ、亮、小さい頃も可愛かったね〜」
「そう?恥ずかしいよ〜でも、まさかホントに西條だとは、すごい偶然だよな。」
「うん、すごくビックリしたね」
「全然、会ってないから、随分変わってるだろうな?」
「会ってみたい?」
「うん、そうだな、時間が合えば…」
「じゃあ、美樹に言っておくね」
「え?ホントに会えるのかなぁ?なんか緊張してきた。」
「そうなの?」
「何十年も会ってないから、どうなってるのか?」
「大丈夫よ、美樹の旦那様になって2児の父よ。」
「まあ、そうだけど…」
「美樹デパートで働いてたんだけど、旦那様もデパートで働いてたのかなあ?」
「へー美樹ちゃん、そうなんだ。職場で知り合ったなら、そうかもね。」
「うん。」
美樹に連絡すると、旦那様も亮に『会いたい!』と、
言ってくださってるようで、タイミングが合えば…ということに…
しばらく経って…
美樹から連絡。『次の土曜日、久しぶりに旦那が休みになったから、ご予定はいかが?』と…
亮に聞くと、大丈夫!とのこと。
これは、もう会うしかない!
子どもが居るから、気兼ねなく会えるように、
レストランの個室を予約した。
いよいよ土曜日
美樹と旦那様に会える。
早めに到着したので、個室で待つ。
亮は、「何十年ぶりだろう?小学校を卒業して、中学生の時も同じ中学だったけど接点がなかったんだよな、それ以来かなぁ」
と、やや緊張している様子。
「そうなんだ、楽しみだね〜」
コンコンコンと、ドアをノックする音が鳴った。
「お連れ様がお見えになられました。」と…
「舞〜」と、美樹と上の子。
その後ろから…赤ちゃんを抱っこした旦那様
「おー藤堂!」
「西條?」
「おお、久しぶりだなぁ〜何十年ぶりだ?」
「いや〜ホントに、何十年ぶりか分からないぐらい前だよな。」
「俺は、お前の選挙活動で見て分かったけど…
俺のこと、分からないだろうな!って思ってたよ。」
「いや、ホントに会わなかったよなあ〜」
「中学生以来かなぁ?」
「だよなぁ、今も話してて…」
「懐かしいなぁ〜亮はイケメン具合が変わってないよな」
「西條は、なんか雰囲気変わったなぁ、真面目な感じだったけど、イイ男になって…」
「美樹と出会って、随分変えられたよ。」
「そうなんだ。」
「まあね、最初に会った時、ホント真面目なサラリーマンって感じだったもんね」
「職場で?」
「そう、駅前のデパートで2人とも働いてて、逆ナンされた!」
「うわ、そういうこと言う?」
「事実だし…」
「そうなの?美樹から?」
「まあね…」
「えーすご〜い!」
「あ、美樹とは高校のテニス部で一緒だったんだろ?」
「一緒なんて、恐れ多い、部長さんだよ。」
「あー藤堂が部長だったのか…いつもテニス部の部長さんがステキな人だったのって言ってたよ、で、友達と付き合って、結婚したのって」
「そうか…まさかそれが俺とは思わないよな〜?」
「すごい偶然だよな。」
「ホントに…最初に舞から聞いて、驚いたよ。」
「俺もだよ。」
「私たちもよね」
「うんうん、すっごく驚いたよ。亮、会えて良かったね。」
「うん、良かった。」
そして、ようやくお料理を注文した。
「子どもちゃんたち、まだ3歳と1歳だと大変だよね〜」
「大変だよ〜男2人だし…舞は、予定日いつだっけ?」
「12月25日」
「クリスマスなんだ。」
「え?藤堂もパパか?」
「おー」
「おめでとう!楽しみだなぁ」
「おーありがとう」
「選挙も良かったな、応援してたよ。」
「ありがとう」
「しかし、まさか同級生がなぁ〜ビックリだよ。
ま、お父さんが市議から市長になられたから、もしかしたら?とは思ってたけど、こんなに早くとは…」
「だよな、俺が一番驚いてる!ついこの前までサラリーマンだったからな。」
「そうだよな、お父さんの鞄持ちしてるとは聞いてなかったから…」
「ホントに急にバタバタと…で、結婚もバタバタになってしまって…西條だって分かってたら、披露宴も夫婦で来てもらったのになぁ」
「ホントだね」と、舞
「まあ、これからは家族ぐるみのお付き合いが出来るということで、嬉しいよ」と、西條
「おーこちらこそ、舞もよろしく頼むよ。」
「よろしくお願いします。」
「うんうん、こちらこそ、美樹をよろしく!」
「はい。私も美樹に再会できて嬉しいです。
私、もう結婚しない!って思ってたから、一時的に皆んなと疎遠になってしまってて…」
「そうなんだ。良かったな、藤堂!お似合いだよ。」
「ありがとう〜」
「私も嬉しいよ、舞〜♡」
「ふふ、ありがとう、美樹〜♡」
「テニス部で、ずっと仲良かったからなあ、この2人。」
「そっかあ、高校生の美樹を知ってるんだもんな。
不思議だなぁ〜」
「だよな…」
「また、そん時のことも話してよ」
「そうだな」
「変なこと、言わないでくださいね。先輩!」
「ふふ」
思い出話に花を咲かせた4人
食事を楽しんで、お開きに…
「また、会おうな!」
「おー楽しかったよ。またな!」
「舞、またね、ありがとう」
「美樹も…またね、ありがとう」
そう言って別れた。
帰りの車
「楽しかったなぁ!」
「うん、楽しかった。亮、どうだった?友達との再会!」
「いや〜正直、小学生の頃の面影は少しあるけど、すっかり変わってて驚いた」
「確かに、美樹に見せてもらった卒アルとは、随分違うわよね。」
「あいつホントに真面目だったイメージなんだよな。」
「じゃあ、亮は、真面目じゃなかったのね?」
「あ、まぁ…このままかなぁ?ハハ」
「どれ?どれがホントの亮?」
「は?舞!」
「私だって、まだホントの亮がどれなのか?混乱中なんだから…」
「えー?また、そういうことを言う。」
「高校生の頃は、成績優秀でテニス部の部長で、優しくてイケメンで…っていうイメージだったけど…
別れてからは、ずっと遊び人だと思ってたから…」
「舞!早くそのイメージ、塗り替えてくれないかなぁ?」
「だって…再会した時も、そう思ってたもん、なかなかね〜」
「はあ〜まだ奥さんに、そんな風に思われてるなんて…悲しい〜」
「ごめんね〜チュッ」頬に…
「う〜ん、舞〜♡」
「ふふ、危ないよ」
「続きは、帰ってからな…」
「え?そうなの?」
「舞〜」
「ふふ。でも、亮が久しぶりに楽しそうに友達と話してるのを見れて良かったよ。」
「披露宴の時もたくさん会えたけど、二次会以外は、ゆっくり話せなかったもんな。」
「うん、また会おう。美樹とはずっと会いたいから…」
「そうだな。あーホントに驚いたなぁ〜」
「ふふ、まだ言ってる。」
「美樹ちゃんも2児のママで、逞しくなってたなあ」
「あーそうだね。美樹は逞しくなった!なんて言われたら悲しむわよ。」
「そうか?」
「うん、《《憧れ》》の藤堂先輩だから…」
「ふふ、昔の話だろ?照れるよ。」
「そう?」
「うん、嬉しいけどね」
「だよね、もう数少ないファンだよ」
「数少ないって…」
「結婚しちゃったから、減っちゃったね。
でも、一番のファンは、私よ♡」
「舞〜♡」
『絶対、抱きしめる!』
『もしかして、抱きしめられるのかなぁ?』
「ふふ〜」笑っておこう〜
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