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お母さんのお友達

第1話 - 埼玉県　　　Dさんの体験

2021年12月30日

#ホラー

#ミステリー

❤︎kisara❤︎

Dさんは埼玉のある企業に勤めている女性です。子供のころから霊感が強く，ときどき奇妙な体験をくり返しています。彼女には男の子と女の子，二人の子供がいますが、娘さんは彼女の体質を受けついでおり，霊を視ることができるそうです。「あの子のまわりでは不思議なことばかりあるのよ」Ｄさんはそう言って，僕に娘さんの周りで起こった奇怪な話をしてくれました。娘さんは憑依体質であるようで，子どものころにどきどき，霊にとりつかれてしまったことがあったようです。起きているときもそうでしたが，不思議なことに睡眠中にも何者かに憑依されてしまうことが何度もあったそうなのです。「おい，便所はどこだよ！」ある夜突然，寝ているはずの娘が怒鳴りました。その男のような声にDさんはおどろきました。「どうしたの？こんな夜中に」娘のベッドに行くと，物すごい怖い表情を浮かべて娘が起き上がっています。(おかしい。さっきまで熟睡してたはずなのに，，，)困った顔で立ちつくすDさんに向かって娘がふたたび叫びました。「便所行きてえんだよ！！」荒あらしい言葉を使いながら，娘は部屋の窓から飛び出ようとしました。「そこは便所じゃありません！」と言いながらDさんは必死に止めました。「待ってください。便所なら案内します。」その後，ちゃんと便所に行かせたところ，娘は寝てしまったそうです。ある夜などは，突然、「般若心経，，，」とお経をとなえ始めたことがありました。不気味なことに、娘は寝ながらお経をとなえているのです。覚醒時には覚えていないはずの般若心経を，最初から最後まで正確にとなえると娘はふたたび寝てしまいました。「お坊さんの霊でもとりついていたのかしら？」Dさんは不思議そうに語ってくれました。ある日，Dさんは娘と道を歩いていました。すると娘が奇妙な事を聞いてきたのです。「お母さん，今の女の人って友だち？」「えっ⁉︎」彼女は困惑しました。(誰とも会っていないのに，，，)「へっ，変なこと言わないで。誰とも会ってないし、すれちがってもないでしょ」その言葉を聞き，娘は不思議そうな表情でこう言いました。「だって、さっきすれちがった女の人、すれちがいざまにお母さんの肩に首をのせたよ」