120話目記念☆という事で書いた没案達です。
書く気力が湧かない(遠い目)
上から長い順です
【天使は声を失った】
zm)……、?!
俺はその時、鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしていただろう。何故かって?空からかつての家族が降って来たからだ。彼等の美しい色とりどりの羽は見るからに痛々しい傷をつけており、どんどん千切れていき、新しく色とりどりの悪魔の様な羽が生えていく。そしてそのまま着地し、思いっ切り抱きついて来る。
zm)は、ぇ?
そして自身の声が出る様になった。俺の体質は本当に困った物だ。『大好きな人達と居ないと声が出なくなる』だなんて。ふと家族の顔を見ると皆は楽しそうで、嬉しそうな笑顔だった。ボクも、幸せな笑顔だったと思う。
…嗚呼、ボク達は…俺達は、離れる事が出来ないんやな。
【僕アンデット】
俺はアンデットだ。それも、体が縫わないと崩れるタイプの。
zm)え〜…これどうしよ…
料理をしよう、と空腹を感じている寝ぼけた頭で考え、切ったものがケチャップだったのだ。そのせいで驚き思いっ切り後ろに転んだ。そこまでは良かったのだ、そこまでは。問題は目の前に落ちたケチャップ付きの包丁、尻もちをついた時に踏んで辺りに飛び散ったケチャップ、転んだ衝撃で縫い糸が解けたせいで外れた手足…片付けが大変な奴だ。
zm)もう諦めて寝よかな…うん、そうすっか
色々と諦め目を閉じる。すると寝起きだったからかすぐに意識が途切れた。
目を開けると目の前には心配そうな顔をした藍色の髪の男…もといutが居た。彼はこちらを見ると目を大きく開き、聞いた事ないくらいの大声で皆を呼んだ。
ut)zッえ?zmさッ……皆ァァァァァ!!!??zmさん起きたァァァァァ!!!!
zm)うるさッ!!?
咄嗟に耳を塞ぐと勢いよく動かしたからか腕がポトリと落ち、呆然とする。目の前の藍色の彼はもはや目に水の膜を張っていた。ガゴン!!と大きな音を立て扉を開け………取れてるやん何で壊してん彼奴等。凄い勢いで入って来た家族達はこちらを見て喜んだと思いきや取れた腕を見た瞬間橙色の彼は悲鳴を上げた。白色の彼はもう意識を失いかけ、黄色の彼は桃色の彼の後ろに隠れた。緑色の彼と薄水色の彼は急いで腕を拾い、色々言いながらも丁寧に縫い付けてくれている。黒色の彼と赤色の彼は焦りつつも無事かを確認している。茶色の彼は焦って何故か水色の彼を本でぶん殴り、水色の彼はクリーンヒットしたせいかそのまま倒れ意識を飛ばした。紫色の彼はそんな水色の彼を指を差して笑っている。藤色の彼はそんな様子を眺めながら煙草を手に取ろうとした藍色の彼の手をはたき落とした。はっきり言ってしまうとカオスだ。混沌極まりない。そんな非日常の様で、彼等にとって日常の様子を見て黄緑の自分の口は狐を描いた。嗚呼、今日も楽しいな、僕アンデットで良かった 。
【二回目のはじめまして】
zm)…まさか、転生するとはなぁ
転生だなんて信じていなかった。あの瞬間までは。これだけはこの施設には感謝だ。皆俺と同じ様に人間じゃなくなっとった。
zm)grが悪魔でtnは堕天使、emさんは蝶でshoは人狼。rbrは殺人ウサギ、knはケルベロス!syp君は猫でciはハーピー。utは淫魔。osは吸血鬼でhtは鬼!niは普通の狼でsnは神様かァ〜!
嗚呼、皆似合っとるな。
zm)んでもって俺はキメラか…せめて一つが良かってんけど……皆守れるしええ、のか?
色とりどりで美しい彼等と違って俺は汚く気味が悪いキメラだ。尻尾は恐竜の骨の様で翼はボロボロでドラゴンみたい。片方の目は薔薇が咲いていてその真ん中には目玉がある。
zm)…もう研究者とか全員殺ってもうた方が早いんかな
首をコテリ、と傾げ白い小さな箱庭の中で考える。すると遠くから悲鳴が聞こえて来る。
zm)この声…knとosか?良かった〜…ちゃんと生きとるんやな
_それはそうとして、家族が傷付けられてるのはイラつくけどな
zm)昔では皆が俺の事救ってくれとったからな、今回は俺が救ったるわ!
羽をバサリ、と動かし尻尾を振る。口の端は上がっておりとても楽しそうだ。そのままその小さな箱庭をくるくると回る。するとガチャリ、と音が鳴り扉が開く。今まではその男が悪魔に見えていたが…ほら、その白い男が天使に見える!
zm)なぁニンゲンさん、はよ皆の所に連れてってぇや
不気味な笑みを浮かべ少年は人間に話しかける。人間は驚き恐怖を抱きつつもNo.2003…キメラを連れて行く。
ガチャ、と音が鳴り扉が開く。そこにはこちらを見て目を見開く家族と瓜二つな…いや、同じ家族が居た。彼等はもう既に記憶はあった様で驚いている。
zm)2人共、久しぶりやな!
os)な、んで…
kn)zmなん…か?ッどうしてッお前何でこんな所に居んねん!!
悲しそうな表情をする2人。彼等が悲しんでいる理由はキメラにはあまり分からなかったが、どうやら彼等は大事な大事な末っ子がこんな地獄の様な所に居るのが辛い様だ。
zm)皆とまた会いたかってん!やから、さ…
そこまで言い研究者の方へ顔を向ける。
zm)…ニンゲンさん、ボクあの子達と居りたいねん。せやから同じ箱庭に入れてくれん?
その声は頼み事をする声ではなく、命令する様な声だった。にこりと微笑む化け物に人間は嫌な予感がし、了承してしまう。
zm)んふふ、あんがとなぁ!お礼に次の実験であの薬、いつもより多めに飲んだるわ
それを聞き目の前の2人は駄目だと言おうとしたが自分達も「会いたい人が居るから薬を飲む。だから早く出してくれ。」と言っていたのを思い出し口を閉じた。
zm)じゃあはよ2人を解放してくれん?あ、皆箱庭がバラバラなら同じ所にしてな!…そうせんと、ニンゲンさんイライラして食べてまうかもしれんし
実験体になってからキメラは人間を与えられていた。だから何も思わず人間を食べる事が出来る。その事実を人間は思い出し、急いで首を縦に振り2人を解放する。そして他の研究員に同じ箱庭に入れるよう伝えその箱庭へ3人を連れて行く。
箱庭に着くと人間にはない物が着いている12人が既に集まっていた。全員がこちらを向き目を大きく開く。美しい赤と藍色の目を持つ彼が口を開く。
gr)zm…?
変わらない地を這うような低い声にキメラは安心した様な顔をし、尻尾を小さく振りながらこう言った。
zm)二回目のはじめましてやな、皆!
もう離せさせない。大事な家族はもう失いたくないから。家族だけでも守るんだ。絶対に!
コメント
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一人称が俺とかボクとかになるの好きだ……() うーん鬱系じゃないことを祈る(