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好戦的な化け猫視点
「⸺ムさん。」
まだまだ寝たくて、瞼がなかなか上がらなく、声だけ聞こえる。エミさんが俺を起こそうとしてるのは、分かる。でも、仕方ないやん?慣れない場所で寝れないタイプなんやから…。
すると、エミさんは深呼吸をしだした。
「ゾムさん!!!起きてください!!!」
「おわっ?!!」
慌てて布団を剥いで、とび起きる。
「び、びっくりしたやんけ…。辞めてほしいわ…。」
「ご、ごめんなさい。今日は用事があって…。」
申し訳なさそうに、エミさんが俺の顔を覗き込む。
「あっ、なら仕方ないやん。俺の方こそごめんな?もっと早く起きれば良かったわ…。」
「いえいえ、私の方が悪いんですから。謝らなくてもいいです。事前に言っておくべきでしたね。」
エミさんが、申し訳なさそうにしたのを見て、心が締め付けられた気がする。
この空気を何とかしたくて、俺は話題を変えることにした。
「そういえば、用事って何なん?」
「あ、それはですね…。」
「友人の神社に遊びに行こうと思って…。」
友人?エミさんに友人何ておったんやな…。神の世界ってようわからんわ。
「ふ〜ん。で、今から行くと?」
「そうです!!折角ですし、ゾムさんにも紹介したくて…。」
今日もエミさんは健気やなぁ〜。微笑ましいわ。まぁ、だいぶ年上なんやけど。
「…でも、俺とエミさんが出かけたら誰も居らんやん。そこはどないするん?」
「嗚呼、それなら…。」
エミさんはお得意の術を披露した。
「縁!」
すると、上から”何か”が落ちてきた。
「いったぁ?!…もうエーミール様、いっつも言ってるじゃないですか!!呼ぶならせめて座布団ぐらい敷いてくださいよ〜。」
若い人間の男が、尻を押さえながら起き上がる。
「⸺ゾムさん、この方が留守番役のレパロウ君です。」
「あっ、曼荼羅神社の館主のレパロウです。宜しくお願いします〜。」
まさか…俺以外の奴が居ったとは…。何か腹立つわ。まぁ、一応これから世話になると思うし、挨拶しとくか。
「ゾムだ。…宜しく。」
何か性格悪い奴みたいになったけど、まぁええか。
「それじゃあ、レパロウ君。留守番頼みましたよ。行って来ます!」
エミさんに手を握られ、曼荼羅神社を出ていく。
一体エミさんの友人ってどんな奴なんやろ…。
〜数十分後〜
「あ、着きましたよ。ゾムさん!ここが私の友人の神社です。」
距離が遠くてへとへとになりながらも、着いた事による嬉しさで体力が徐々に回復していく。
「やっとか…。結構しんどかったわ…。」
「…編集使えば良かったかもしれへん…。」
エミさんがボソッと嫌な事を言ったけれど、気にせずその神社に足を踏み入れた瞬間⸺
あまりの五月蝿さに、心臓がバクバクと鼓動が速くなる。
「⸺うるっさ?!そっちこそ誰やねん!!」
「はっ!俺か?俺は⸺」
「ここの街の狸神⸺コネシマ神や!!!」
〈あとがき〉
ご視聴ありがとうございます!月冴です。今回は、新キャラが2人出ましたね。勿論、第一話の様に自己紹介を書くつもりです。
今回の話のこだわりは、シッマの神社に着いた辺り(話の後半)ぐらいです。今回あとがきが短いです。話を長くしすぎたのでね。それでは、次回の話で会いましょう。
名前…レパロウ
種族…人間
年齢…20代前半くらい。
詳細…曼荼羅神社を造り、信仰した民族の子孫。13才で曼荼羅神社の館主を受け継ぎ、現在に至る。シッマに会った事が一度だけある。
名前…コネシマ
種族…狸神
年齢…エミさんと同じく1000歳くらい。
詳細…エミさんとは古き仲で、金持ち。金持ちだが、脱税をしている。曼荼羅神社よりも大きく、派手。だが、決して曼荼羅神社の事を馬鹿にせず、度々遊びに行っている。