〘 🌸seed 〙
下に降りると、親父と義母は隣に座っていて、義母の向かいにあいつが座っていた。
そして、綺麗に並べられたご飯。
礼儀正しく座り続けている🍵を置いて、親父と義母は喋っていた。
親父「ほら、お前らもさっさと座れ」
義母「それでね~__」
親父「嗚呼…そうなのかw」
わざとらしく笑う親父を置いて、俺らは座った。
目の前には、唐揚げ、野菜、ご飯、お味噌汁が置いてある。
🌸(義母さんが作ったのかな…)
☂️「これは誰が作ったの?」
☂️がそう、元気よく聞くと親父は_
親父「嗚呼……🍵くんが作ってくれたよ」
🌸「ッ!!?……」
義兄弟が作ったもの。吐き気がした。あの時と同じようになるかもしれない恐怖が俺を襲う。
手が震え、嫌気がさす。
🌸「俺……後から食べるわ、笑」
親父「空いてないのか?」
🌸「まぁ……、そんな感じ、笑」
📢「………俺も空いてねぇから後から食べる」
🎮「………俺も~」
👑「俺もそうしよっかな、」
☂️「……………じゃあ☂️もそうする!」
みんなが、俺に合わせてくれたのかは知らないが、とりあえず有難かった。
俺達はそうして、🍵、親父、義母。3人を残して後にした。
〘 🍵seed 〙
やっぱそうだよね。
急に来た人のご飯なんて喉も通らないか。
義父「いやぁ、ごめんね?俺らの息子が」
🍵「いえ、気にしないでください。大丈夫ですよ(ニコッ」
叔母さんの扱いで慣れたからね。
後でラップをしといて、冷蔵庫に入れとこう。
叔母さん「早く食べましょ!」
義父「嗚呼、そうだな。」
🍵/義父/叔母さん「いただきます」
叔母さん「……不味いのは変わりないわね」
🍵「ごめんなさい、」
義父「いや、充分美味しいよ」
🍵「ありがとうございます、(ニコッ」
“ 充分 ” か、。(笑)
満足する程のご飯じゃなかったって事だたろうな、w
黙々とご飯を食べる俺に対して、お喋りをしながら食べる叔母さんと義父。
そうこうしているうちに完食した俺は、「お粗末さまでした」の言葉を発して、台所にあるサランラップを手に取りにいく。
そして🌸くん達のご飯の上へラップをかける。
自分が食べた食器をシンク(流し場)に持っていき、水に一度つけておく。
その間に🌸くん達のご飯を冷蔵庫にしまい、しまい終わったら皿洗いを始めた。
途中、食べ終わった叔母さんと義父さんが皿を持ってきてくれた。
それも一緒に、俺が洗ったのだけど。
皿洗いが終わり、二階、自分の部屋へと向かい、入る。
そして、参考書とノートを広げてペンを持つ。好きでもない、勉強を始める。
しなければ、叔母さんに怒られるからね(笑)
🍵(えっと……ここはこうだから……)
🍵(あれ……今何時だ……)
チラリと時計を見ると、勉強を開始した時間から3~4時間程度経っていて、5時過ぎになっていた。
🍵(そろそろご飯作るか……)
参考書とノートを片付け、下へ降りる。
リビングを過ぎ、台所に立ち、冷蔵庫を開ける。
🌸くん達に作った唐揚げはまだあって、食べてないんだな、と思う。
🌸くん達の皿をとり、生ゴミへと捨てる。
気を改め、料理を開始した。
簡単なもので済ませたかったので、炒飯にする事にした。
叔母さん、義父からのリクエストでも炒飯あったし、大丈夫だろう。
そう思い、ご飯の下準備をし、野菜やベーコンを切る。切った物は皿に取り分け、冷蔵庫に入れておく。
ご飯が炊けるのはまだ後なので、その間に他のことをしていようと、洗面所、洗濯機がある場所へ移った。
洗濯機の中にある洗濯物を取り出し、ベランダで干す。
終わったら、台所に戻り、ご飯を確認する。
🍵(案外早く終わってたな……)
手をもう一度洗い、鍋を取りだしサラダ油を引く。
火をつけ、温まったら料理の開始。
〜料理〜
火を止め、皿に盛り合わせる。
気づけば時刻は18:30。そろそろご飯にしてもいいだろう。
ラップをかけておいて、叔母さんと義父を呼びに行こうとした時、既に降りてきていて、どこかに行くかのような格好をしていた。
叔母さん「あ、🍵。私達今日ご飯いらないから」
義父「ごめんな」
🍵「いえ、気にしないでください。分かりました。行ってらっしゃい(ニコッ」
叔母さん「えぇ、行ってくるわ。 」
🍵(先に言って欲しかったなぁ……)
そんなことを思いながら、自分の作った炒飯を食卓に持っていき、食べ始める。
1人静かな空間に響く咀嚼音(そしゃくおん)。
🍵(きっとあの子達も食べないだろうけど、一応書き残しておこう。)
考え事をしながら食べていると、ご飯はあっという間になくなった。
🍵「お粗末さまでした」
立ち上がり、使った皿やフライパンを洗う。
手を拭いて、🌸くん達の炒飯を食卓に持っていき、書き置きを残しておいて、俺は2階へと上がった。
〘 🌸seed 〙
後から食べる。なんて言ったけれど、結局手をつけれず、コンビニで買ったご飯を食べた。
親父達は夜の街へ行くらしい。
つまり、あいつと、俺らだけ。
🌸(呼び出されたりするのかな、)
そんな恐怖で体が強ばる。
[嫌だ]ただ、その一心だった。
🎮👑☂️はテレビゲームをして楽しんでいる。
📢は🎮達の画面を見て楽しんでいた。
下から物音が聞こえる。
🌸(また作ってんのかな、)
そう思うと、申し訳ないし、罪悪感が湧いた。
けどそれ以上に、恐怖感が存在した。
物音がしなくなり、その代わりに足音が近づいてきた。
唇が微かに震える。
けど、足音はまた遠のいて、ドアが開き閉まりする音がした。
それを聞いただけで、高鳴っていた心臓はトクトク、と静まり返った。
🌸「俺、コンビニで買ってくるわ」
☂️「え~、☂️、🍵くんのご飯食べてみたい」
☂️の無垢な発言に心が痛む。
けど、それだけは絶対なってはならない。
📢「☂️、食べたい気持ちはあるだろうけど、我慢してくれ」
📢がそう言うと、☂️は少し悲しめに「わかった」、と口にだした。
📢には感謝だな。
俺は下へ降り、リビングを通る。
その時に、目が留まった。
あいつが紙に書き残しを置いて、俺ら5人分の炒飯があった。
書き残しには、
〖食べれそうだったら食べてね〗
そう書かれてあった。
🌸(綺麗な字………。)
少し立ち止まったが、我に返り、早足でコンビニへ向かい、帰ってきた。
🎼-🍵「いただきます」
みんなで向かい合いながらご飯を食べ進める。
楽しくお喋りをしたのは久しぶりだろう。
これも、親父が義母と家を出て、今いないから。
本当だったら、“ 殴られてるはず ” だから。(笑)
そう。お察しの通り、俺らは親父から虐待を受けている。
と言っても、大体は俺(🌸)か、📢🎮だけど。
せめて👑☂️には受けて欲しくない。
無垢なままで居て欲しい。
そう願いながら、俺は日々、過ごしていた。
🎼-🍵「ご馳走様でした」
みんなが食べ終わり、ゴミを片付けていると、👑が声を上げた。
👑「ねぇ、なんか歌声聞こえん?」
地獄耳(?)なのかは分からないが、👑に言われ、1度静かになる。
すると、うっすらと、歌声が聞こえてくる。
🎮「綺麗な歌声だな、笑」
そう苦笑する🎮。
隣の住人かと思ったが、隣の住人が歌を歌っていた事は聞いたこともないので多分違うだろう。
そうすると___
🎼-🍵「🍵くん?」
📢「やっぱそう考えるよなぁ~」
☂️「にしても綺麗だよね~!✨」
☂️「☂️、行ってきていいかな?✨」
🌸📢🎮「それだけは絶対ダメ!」
3人1斉に声を上げる。
そうするの☂️は少し黙ってからまた少し悲しげに「わかった」と言ってくれた。
安心して、息をする。
響いていた歌声は、消えていて、テレビゲームに集中し始めた📢🎮👑☂️の声と音が家には鳴り響き始めた。
3話 警戒_𝐟𝐢𝐧𝐢𝐬𝐡
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