〘 🌸seed 〙
シーン、と静まり、寝息を静かに立てている📢達。
現時刻は午前6:30。そして、下から聞こえる物音。
🌸(朝から凄いなぁ……)
静かな部屋だから分かる。下からの料理の音。 起こしたくもない体を起こし、1階へ向かう。
🍵の視界に映らないように移動する。
[クソみてぇな野郎が俺の視界に映るんじゃねぇ”っ!!!]
🌸「ぁッ…ヒュッ、カヒューゴホゴホヒュハッ」
落ち着け、落ち着いて自分。大丈夫。大丈夫だ。あいつは今、ここに居ない。
🌸「ふぅーッ、ふぅーッ……、、」
🍵「だ、大丈夫……、?」
🌸「ッ!!?」
聞かれてた…ッ?
俺が過呼吸を起こしてた所、ッ
けど、🍵の姿は何処にもなくて、声だけが聞こえていた。
それで何となく察した。俺(🌸)が🍵を怖がっていることに、🍵は気づいている。
たったまだ、2日そこらしか過ごしていない仲なのに、もう、ここまで分かるのか……(笑)
🌸「ぅん……大丈夫だよ(笑)」
🍵「そっか、それなら良かったよ(笑)」
少し掠れた声で返事をし、大丈夫じゃない事を隠す。
けどあいつは、何かを察したかのような声色(こわいろ)で、俺に返事を返してくれた。
あいつは何事も無かったかのように作業をもう一度開始した。
静かになっていた部屋に、物音がもう一度聞こえ始める。
俺は少し、あいつ(🍵)の事を信じてもいいんじゃないか。そう思った。
けどやはり、染み付いた過去は強く体に刻まれていて、呪いみたいに癒すことは出来ない。
少し持った希望はすぐに、自分で崩して、光は闇へと変貌してしまった。
洗濯物を終わると既にみんなが起きてきていて、👑はとても眠たそう。けど☂️は誰よりも元気で喋るもんだから、寝れないのかもしれない(笑)
そして、さっきまで居なかった親父と義母が帰ってきていた。
それで、緊張、恐怖を感じている📢🎮。
そんな事はお構い無しにはしゃぐ👑☂️。
親父は俺に気づいた途端、声を上げて「座れ」と命じた。
みんなで手を合わせ、「いただきます」と言ってから義母と親父、🍵は食べ始めた。
けど義母は少し、浮かない顔をしているようにも見えた。
その一方で、俺らは一口も進んでいない。
箸すらもてていない状況。それを見かねた親父は俺に手をあげようとした。
打たれる。頬を打たれる。そう確信し、目をぎゅっ、と瞑った時___
🍵「大丈夫ですよ(ニコッ」
そう微笑んだ、君がいた。
親父は、🍵の言葉に免じて、今回は許すと言ってくれた。
気分を俺のせいで害した親父はすぐに義母を連れて上へと向かった。
残されたご飯に対して、🍵は少し哀れみ、悲しげの表情を見せながら、自分のご飯をまた、食べ進め始めた。
そして、全てを完食したあと、
あいつは俺に向かってこう言った。
🍵「食べれるようになったら食べてね」
🍵「それまで、食べれなくてもいいから。(笑)」
🍵「けど、ちゃんと栄養バランスはとるんだよ?」
🍵「ご飯、食べれそうじゃなかったらそこに残しといてね。(ニコッ」
[優しい]君は本当に優しかった。
自分らのことを優先してくれるのだから。
俺の方が年上で、しっかりしてなきゃなのに………君が年上みたいだ。
すると上から義母が降りてきた。
義母は真っ直ぐに🍵に向かって歩んだ。
🌸(なんだろう………)
義母「🍵、勉強は?」
🍵「皿洗いが終わったら勉強します。」
義母「………はぁ、わかった。」
🍵は冷静に受け答えをし、義母は1階から2階へと上がった。
その雰囲気は怖かったし、心做しか、義母はとても機嫌が悪そうだった。
本当に殴る勢い……ぐらい。
結局俺らはまた、コンビニで買ったご飯を5人で食べた。
🍵が、あの後、ご飯をどうしたのかは俺らは分からない。けど、そんな事を心配している、俺が居た。
🌸(だめだ………、だめだ蘭)
信じちゃダメだ。
[優しさ]の裏には[怖さ]が隠れている。
騙されちゃ___いけない。
俺は、俺はみんなを守るんだ。📢達を。
〘 🎮seed 〙
クソ親父が再婚し、義母と義兄が来て、数日経った。
未だに、義兄と俺らの間には巨大な壁が出来ていて、互いに一言も喋らないし、喋ろうとしない。
彼奴(🍵)も少しぐらいは暴力を振るってくると思っていた。 けど、そうでもなかった。 彼奴は一度も俺らに暴力を振るわずに数日が経っていた。
けど、それだけでは騙されてはいけない。
[優しさ]の裏腹には必ず[怖さ]が存在するから。これは、🌸兄が言っていた事だし、” 実際に体験したから “わかりきっている。
それにと言っちゃなんだが、クソ親父は義兄達が来てからまだ一度も暴力を俺らに振っていない。
何故かの理由は知らながったが、少しでも、🌸📢兄達の笑顔が戻ってきたのは嬉しい限りだった。
ただ、楽しい日々は、とあることを境に崩れる。
クソ親父に久しぶりに部屋に呼ばれた。
🌸兄も📢兄も今はクソ親父の命令で家を出ていた。
そんな中呼ばれたのだから裏がある。
警戒に警戒を重ねながら、クソ親父の部屋に足を踏み入れた。
🎮「なに、親父。」
親父「お父様だろ??なに勝手に呼び名変えてんだ”っ!?」
親父「それに敬語を使えと言っているだろっ”“!!」(ぼこッ
🎮「ぃ”っ、ごめんなさいッ、」
親父「はぁ………まぁいい、そんな悪い子には“ 躾 ”が必要だよな?♡♡」
🎮「ぁッ、、ひっ、ゃっ”、やっ!!」
親父が俺に手をかけようとした時、ドアの方から3回ノック音が聞こえる。
🍵「義父さん。俺のお母さんが呼んでるんですけど………」
親父「チッ、嗚呼………今行く。」
軽く舌打ちをしながら、機嫌を損ねながらも普通の声で、怒りが混じっていない声色で返事をする。
俺にかけていた手を退き、ドアノブに手を置き、ドアを開けてから、1階へと降りていった。
そして、開いたドアから俺に声をかけてきた。
🍵「自分で手当てはできる?」
腕の方を見てみると、少し赤みが混じった青い痣。少し引っかかれて、血が流れ出てくる腕。
いつも🌸兄や📢兄がやって居てくれたもんだから、分からない。けど、ここで迷惑かける訳には___
それに、何をされるかも分からない。
怖い、怖い………。
🍵「できない……?出来ないならせめて、俺にさせて欲しい、。」
🎮(怖い……怖いけど、)
🎮「い、いーよ。、 」
🍵「ありがとう。入るよ?」
«失礼します»なんて言葉を言いながら、部屋に入り、俺の方へ近づいてくる。
俺は震えを我慢しながら、治療を受ける事にした。
🍵「わっ、、これは酷い、。」
🎮(本当は思ってない癖に……)
🍵「少し冷たいよ。」
🎮「つめたッ、」
🍵「ごめんね、冷やした方がいいから、」
慣れた手つきで、俺の腕の傷を丁寧に治療してくれる。
数分冷やした痣は赤みはなくなり青く染っていた。
血が出ていた所は、水でしっかり拭いて、消毒液をして、包帯を巻いてくれた。
🍵「はい。完了!」
🍵「お疲れ様!ありがとね!」
🎮「………」
🍵「痣の所はもう少し冷やしといてね。冷やす物は貸すから。」
🎮「ぉわったら、?」
🍵「1階の冷凍庫に入れといて!」
🍵「すぐ使い終わったあとじゃなくてもいいからね!(ニコッ」
🎮「ん、」
🍵「じゃあね。部屋で安静にしとくんだよ。(ニコッ」
俺は部屋に戻り、ソファに腰をかける。
👑と☂️は1階でゲームをしているらしい。下から沢山の笑い声が聞こえるからね。
クソ親父は、👑と☂️にはまだ、厳しくはしない。
でも、中学生に上がると厳しくなる。つまり、👑は13歳、来年の4月になると同時に、厳しくなる。
今みたいに過ごせなくなる。
🎮(それだけは………避けたい)
考え事をしていると、ドアが開き、🌸兄達が帰ってきていた。
🌸兄と📢兄はすぐに俺の腕に気づき、心配してくれた。
彼奴(🍵)がやってくれた。なんて言うと、少し考えてから……
🌸📢「それでも気をつけてね/ろよ」
2人揃ってそう言った。
本当にふたりは何処まで仲が良いのか。(笑)
でもまぁ、、🌸兄達の言う通り、まだ警戒しておこう。
[優しさ]の裏には[怖さ]があるから。
4話 [優しさ]の裏腹_𝐟𝐢𝐧𝐢𝐬𝐡
コメント
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初コメ失礼しますっ、 一気読みさせて頂きました.ᐟ こんなに沼った作品初めてで、これからも投稿楽しみにしてます.ᐟ✨ フォロ失です。