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放課後、出水の部屋。机の上には教科書とノート、ペンが散らばっている。
『ねえ、これわかる?』
「えーっと、ここは確か…」
『違う違う、そこじゃなくてこっちだよ』
そんなやりとりを繰り返しながらも、二人の距離はどんどん近づいていく。
「じゃあ、次は俺が問題出すよ」
『えー、意地悪じゃん』
「だって、ナマエの苦手なところ知りたいんだもん」
ナマエは顔を赤らめて、机の上に顔を伏せる。
『うう、なんてこんなおバカなんだ〜…』
そのとき、ナマエがペットボトルのジュースを手に取る。
『のど渇いたー、ひと口ちょうだい』
「いいよ、ここにある」
そのまま、ちゃっかり関節キスに…!
お互い目を合わせず、無言で知らんぷり。
『……な、なんでもないから!』
「そうだな、問題に戻ろう」
その瞬間、二人の心はほんの少しだけ跳ねた。
⸻
「菓子食べる?」
『え、いいの?』
「うん、俺のお気に入りのチョコ」
ナマエが手を伸ばすと、指と指が触れて、心臓がばくんと鳴る。
「やっぱり気のせいかな…」とお互いに目を逸らす。
「ふぅ、集中しよう!」
『うん、でも休憩も大事だよね』
甘い匂いと甘い空気に包まれて、
テスト勉強はまだまだ続く。