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しゃιϯ 𓂃🫧
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tomato
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# 綺麗 に 腐った 罰
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side:💚
夜明け前の冷え切った暗がりの中、音を立てないようにそっと部屋を出る。
💚 「………酷っいなぁ笑」
洗面所の鏡に映るのは、酷いクマと血の気のない幽霊のような自分の顔。
見慣れた惨めな姿に、蛇口を捻って冷水を勢いよくぶつけた。
父の望む「育ちの良い息子」でいるためにファンデーションを肌に塗り重ねる。
どうせこの後、落とされるのにね。
色づく頬とは裏腹に、心はどんどん冷たく透きとおっていく。
静まり返ったキッチンで台所に立ち、家族分の朝食と弁当を作り始める。
包丁がまな板を叩くリズムに混ざって昨夜の記憶が頭から離れない。
――ねぇ、すち兄にぃって呼んでもいい?
温かいこさめさんの言葉が耳の奥で何度も何度も反芻して広がっていく。
胸の奥がじんわりと解けていくような気さえする。
拒絶しなければいけないのに、冷たく突き放すべきなのに、どうしようもなくその温もりに縋りたい自分がいる。
今まで味わったことのない感情の波に、思考が狂いそうだった。
放課後、息の詰まる監獄から抜け出す。
たまにある学校の輩達が絡んでこない日。
俺は吸い寄せられるようにあの場所へと足を向けた。
病院の匂いは俺にとって、安らぎと罪悪感が混ざり合った独特の香調だ。
受付の透明なアクリル板越しに、事務的なやり取りが交わされる。
💚「面会手続きをお願いします。」
「はい、お名前と患者様とのご関係をこちらにご記入下さいね。面会時間は三十分厳守でお願いいたします。」
💚「わかりました。……あの、最近の経過はどうですか。」
「主治医からの詳しい説明は次回になりますが、お変わりなく静かにお休みになられていますよ。」
💚「……そうですか。ありがとうございます。」
受話器の向こうから聞こえるような無機質な声に頭を下げ、俺は長い廊下を歩く。
消毒液の匂いが鼻腔を突き、胸の奥を重く沈ませていく。
病室の扉を静かに開けると、そこには時間が止まったかのような静寂が横たわっていた。
白く乾いたベッドの上で、横たわる女性。
寝たきりで衰弱していても変わることの無い新緑の若葉みたいな長髪。
俺の本当の母、「音川 奏」だ。
規則正しく打たれる人工的な呼吸音だけが部屋の空気をわずかに揺らしている。
幾重もの管に繋がれたその身体に触れることすら躊躇われる。
俺は椅子を引き寄せ、母の冷たい指先を包み込むように握り締めた。
💚「ただいま、お母さん。」
応えのない暗闇に向かって、俺は語りかける。
今日あった小さな出来事、新しく入ってきた家族の鬱陶しさ、自分の惨めさ、誰にも話したことのないこと。
母が聞いて、受け止めてくれている気がして、唯一誰かに甘えられる時間。
だが、しばらくするとあの日の記憶が脳裏の暗がりからぬめりと這い出してくる。
猛スピードで迫る鉄の塊。
固まる俺の背中を、母は必死に押し飛ばした。
身代わりになるように跳ね飛ばされた母の背影と、耳を刺したあの甲高いブレーキ音。
俺を庇ったせいで、この人はこんな暗闇に閉じ込められてしまったのだ。
💚「ごめんね……俺のせいで……。」
喉の奥がキュッと締め付けられ、熱いかたまりがせり上がる。
父、「音川 和真」は一度だってここに来ようとしない。
新しい女とその子どもたちには気味悪い笑顔を振りまいているくせに。
死の淵を彷徨う母には、一歩足を踏み入れることすら拒む。
だんだんと指先が震えるほどの憎悪が湧き上がる。
💚「………早く起きてよ、謝らせてよ。」
ぽつりと漏れた声が、静かな部屋に溶けて消えた。
母が目を覚まし、 2人で逃げ出す。
そんな甘ったるい希望に縋ることでしか生きる意味が見つけられない。
いつかこの目が開かれ、俺の罪を赦すように、昔みたいに優しく笑ってくれること。
毎朝、頼みの綱である母が亡くなる夢を見て目が覚める。
もし夢が正夢なのだとしたら、神様はあまりにも俺のことが嫌い過ぎると思う。
母が生きている実感を得ようと握りしめる手に力を込める。
母の呼吸に合わせて、俺の命もまた、辛うじてここで脈打っていた。
コメント
5件
めちゃめちゃ気になってて、やっと見れました!!ほんと大好きすぎです、 これからも楽しみにしてます!
投稿ありがとうございます!(´▽`) 見させて頂きました!とっても続きが気になるお話ですね!
えま🎼🍵先生、第10話読み終えたよ…!😭💔 もう冒頭から胸がぎゅってなった…「育ちの良い息子」を演じるためにファンデ塗るシーン、心が冷たく透き通っていくって表現がすごく刺さった🥺 すち兄と呼ばれて温もりに縋りたい気持ちと拒絶しなきゃの葛藤、わかるよ…! そしてお母さんの病室シーン…「ただいま」って言える場所がそこだけなのが切なすぎる😢 夢で母が亡くなるって毎朝それってマジで辛い…でも握る手に力を込める描写に、まだ希望を捨ててないんだなって思った。 続きが気になりすぎる…!💚の心の行方、見守りたいです🌸