短編まとめ

　僕の彼女は少しばかり変わっている。同棲をしているのだけど、僕が家にいる時は女性なのに外出をするときは男性になるんだよ。…いやいや、性格の話じゃなくてね？体つきや声まで何もかもさ。僕が男友達と遊びに行くと言ったときだったな。あのとき、彼女は

「私…私も男だから連れて行ってよ」

と言ってきたよ。はじめは何を言っているのか分からなかったけど目の前で姿を変えられちゃー認めるしかないよ。最初のうちはね、すごく面白かったからさ、連れて行ってたんだけど慣れってのは怖いね。慣れてきたらめんどくさい束縛に感じてきてさ。不意に頭の中に彼女がいつも言っていることが浮かんできて、仕返し程度に約束破っちゃおうかな？とか考えちゃったわけさ。彼女はね、いつも寝ているときは寝室を覗かないでと言っていたんだ。だから、寝ているタイミングを見計らって寝室を覗いてみたんだ。何回か試みたのに彼女は毎回いなかった。ある日、窓が全開になってることに気づいて、どこかに行っているのか？って心配になったけど、毎朝元気に挨拶してくるからちょっと待ってみようかなって。そこから3時間ちょっとかな？そのくらい経ってから帰ってきたよ。血が。全身に血を纏う目には見えない透明な何かがね…。

「あーあ、見ちゃったか」

という声と共にすーっと、見覚えしかない…毎日見ている女性が現れたよ。そこから意識が消えてさ、こうしてまた君に会えたって訳。

ところでさ、君はどうやって僕を殺したんだい？