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第3話 階位A 出現
「東第三区に、階位Aの悪魔”バロル”出現。殲滅対象に指定する。」
深夜、第一部隊に届いた一通の緊急通達。
悪魔の中でも”階位A”は別格だ。
戦闘能力、人間の感情への干渉力、そして残虐性一ーすべてが高位。
だが、第一部隊は任務を拒まない。
光希、日向、そして一一佳代。
彼女にとっては初の実戦だった。
現場は東第三区の廃棄工場。
空気は重く、人の骨らしきものが散乱し、血の匂いが漂っている。
そして…..そこに、”それ”はいた。
異様に長い両腕、ねじれた顔、裂けた口。
さらには人間の感情をかき乱す、四天王悪魔ーーバロル。
バロル:「ああ…..また”悪魔の子”が来たか……嬉しいよ…..私の同胞。」
佳代:「どういうこと?私は人間だ。」
バロル:「否定しても無駄だ。お前の中には”彼”の血が流れている。あの男…..幻夜の….」
日向:「何でもかんでもぺちゃくちゃ言いおって。
お前、いい加減黙ってくれない?」
日向が踏ん張る。地面が割れた。
その瞬間。
瞬きする間もなく、日向はバロルに近づいていた。
日向:「今の言葉を取り消せ。取り消せば見逃してやる。
さあ、どうする?」
バロル:「やはり人間だ。甘い。」
バロルの腕がしなる。目にも止まらぬ速さで、日向の腹部に拳がめり込む。
日向:「…..ぐっ!!」
吹き飛ばされ、鉄柱に叩きつけられる。
しかし、それでも攻撃を続け、接近戦でナイフを繰り出すが、バロルの影の鞭に弾かれ、左肩を切られる。
日向:「チッ……っつーの、こいつ反応速すぎんだろ……!」
光希:「二人とも下がれ!合図するまで攻撃すんな!」
光希が自身の雷の刃を発動し、バロルと正面衝突。
光希とバロルはほぼ互角だった。
お互いの動きが速すぎて、肉眼で見られない。
しかし、やり合えている。
ーこれならいけるかもしれない。
これが最大の油断で、してはならないことだった。