テラーノベル
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柔らかい光がカーテンの隙間から差し込む。
静かな部屋。
規則正しい呼吸。
その中心に、二人。
ダイスケはまだ眠っていた。
レンの腕の中で。
ぴったりとくっつくように抱き寄せられている。
最初は恥ずかしかったこの距離も、今は当たり前になっていた。
むしろ離れると、少し落ち着かない。
ダイスケがうっすら目を開ける。
ぼんやりした視界。
すぐ近くに、レンの顔。
🩷…近い
小さく呟く。
でも、嫌じゃない。
むしろ安心する。
レンの腕はしっかりしていて、逃がさないように包んでいる。
ダイスケが少し動くと、レンの腕が無意識に強くなる。
🖤…ん
まだ半分寝ている声。
🖤起きてる…?
🩷うん…今
レンは目を開けないまま、さらに抱き寄せる。
🖤もう少し
🩷え…
🖤このまま
ダイスケの顔が少し赤くなる。
🩷…朝だよ
🖤知ってる
間が空いて。
🖤だから?
理不尽な返事にダイスケは少し笑う。
🩷起きるでしょ普通
🖤今日はいい
🩷なんで
レンは目を開ける。
そのまま、まっすぐダイスケを見る。
🖤隣にいるから
その一言にダイスケの心臓が少し跳ねる。
🩷…ずるい
小さく呟く。
レンは少しだけ笑う。
そして、ダイスケの髪に顔を埋める。
🖤いい匂いする
🩷やめて…
恥ずかしい。
でも、嫌じゃない。
むしろ、嬉しい。
少し遅れて、食堂へ。
リョウタが呆れた顔で二人を見る。
❤️遅い
🖤起きれなかった
🩷嘘でしょ
ダイスケが慌てる。
リョウタはため息。
❤️…まあいい
ショウタが淡々と紅茶を飲む。
💙睡眠時間は重要だ
💙ただし、規則性が崩れると身体に―
7,022
🖤長い
即切り。
💙…まだ何も言ってない
リョウヘイはいない。
帝国に戻って以来、まだ姿を見せていない。
でも、不思議と重くはなかった。
ダイスケがパンをちぎる。
ふと、レンを見る。
🩷ねえ
🖤ん?
🩷こういうの、ずっと続くかな
レンは少し考える。
そして、当たり前のように言う。
🖤続ける
🩷…え
🖤続ける気でいる
一切迷いがない。
ダイスケは少し笑う。
🩷そっか
小さく、でも確かに嬉しそうに。
二人は湖へ来ていた。
すべてが始まった場所。
風が穏やかに吹く。
水面がきらめく。
ダイスケがしゃがみ、水に触れる。
🩷…懐かしい。落ちつく
振り返る。
🩷ここで会ったんだよ
レンは少し笑う。
🖤覚えてる
ダイスケは立ち上がる。
少しだけ距離を詰める。
🩷あの時、レンがいたから
まっすぐ見る。
🩷今がある
レンの表情が少しだけ柔らぐ。
何も言わない。
代わりに、ダイスケの手を取る。
指を絡める。
🖤当たり前だろ
🩷…うん
静かな時間。
風。
水音。
そして、ダイスケが小さく歌う。
ほんの短い旋律。
優しくて、穏やかな歌。
世界はもう揺れない。
ただ、静かに響くだけ。
レンはその声を聞きながら、目を細める。
🖤その歌
🩷うん?
🖤好きだ
ダイスケが少し照れる。
🩷レンにだけだよ
🖤知ってる
夜の部屋。
灯りは落ちている。
静かな空間。
ベッドの上。
ダイスケはレンの肩に寄りかかっていた。
🩷今日、楽しかった
🖤ああ
🩷なんか…普通だった
レンが少し笑う。
🖤それがいいんだろ
🩷うん
沈黙が心地いい。
ダイスケが小さく言う。
🩷ねえ
🖤ん
🩷これからもさ
少しだけ不安そうに。
🩷ちゃんと隣にいてね
レンは迷わない。
🖤いる
それだけ。
でも、それで十分だった。
ダイスケは安心して目を閉じる。
レンはそのまま、静かに抱き寄せる。
外では、風が優しく吹いている。
世界はもう歪まない。
戦いもない。
奇跡も、運命も、戦いも越えて。
それでも最後に残ったのは…
二人がただ「隣にいる」という、一番静かな幸せだった。
その歌は、もう世界を変えない。
“誰かを守るために”響き続ける。
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