テラーノベル
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「うるさっ 」
目の前の紫くんが耳を塞ぎ、顔を歪ませる。
あぁごめん、と簡単に謝れば、また人懐っこい笑顔に戻った。
「久しぶり、やねぇ……」
「そうですね。かれこれ……えー……何年でしたっけ」
「憶えてへんのかい…」
「えへへ」
はにかんだその顔は、昔とあまり変わっていない。
青い装飾のティーカップ。
シンプルなソーサー。
珈琲の香りと時計の針の音。
研究室でこの子と話していたセピア色の記憶が、鮮やかに蘇ってくる。
……嗚呼、懐かしいなぁ…
「って、そんなことはどうでもいいんですよ!!」
心地の良い思い出に浸っていたが、紫くんの声で引き戻された。
…おい待て、どうでもいいってなんやねん。
そんな思いを口に出す暇もなく、紫くんは大きな声で叫ぶ。
「急にいなくならないでください!!!」
…………あ。
そういや、W国がぶっ壊れたあと……
荷物整理も早々に切り上げてこっちに来ちゃったせいで……
紫くんに……!
「連絡、しとらんかったね、僕……」
ははは、と誤魔化すように笑えば、両肩をガッと捕まれ、前後に思いっきり揺さぶられる。
「連絡しとらんかったね、じゃないですよ?!?!?!? 」
頭が吹っ飛ぶかと思うほど激しく、自分の頭が揺れる。
ちょ待って、痛い、思ってたより痛い!私の頭が何時ぞやの饅頭と化してまう!!ヤメテ!!
「あばばばばっ、あっちょ、やめてっ、ちょいちょいちょいちょい」
「どんだけ携帯かけても出ないし!!!心配して国に行ったら滅びてるし!!!王都機能全部違うところに行ってるし!!!!こんな私でも探すのめんどくさい人間界から確立されたわけわかんない人外の街にいるし!!!!!」
そこまで一気に言い放つと、急にピタリと声が止む。
「……心配したんですよ!!!! 」
紫くんの目にうっすらと膜が貼っているのが見えて、この子がどれだけ俺を心配してくれていたのかを理解した 。
自分はどれだけこの子に苦労をさせたのだろうか。
「…ごめn」
謝ろうと口を開いたその瞬間。
ゴンッッッ!!!
……目の前に星が見えた。
自分の頭に走る激痛と 目の前にある紫くんの顔。
己の頭に頭突きされたと認識するまで、そう時間はかからなかった。
「いっっったああ”あ”?!?!?」
一拍置いて、額を抑えてのたうちまわる。
「これでチャラです!!!」
「ひどい……」
「どっちがですか?!」
そう言われると弱い。
だって事実やし。
「うぅん…………」
「詰まらないでくださいよ……」
こんなやり取りもいつぶりだろうか。
あの頃も自室でこんなくだらない話をしたものだ。
……ここまでくだらなくなかったっけ…??
「なんか、懐かしいね」
「ふふ、そうですね」
朝の風にブロンドの髪が揺れる。
ふと、いい考えが思い浮かんだ。
「なぁ、紫くん」
「なんですか?」
「この街、ちょっと観光してかへん?」
―――✂キリトリセン✂―――
訪ね人2ヶ月ちょい空いてるし今回半月以上ぶりの浮上だし……
あまりにもサボりすぎている気がしますね!!
受験生という言葉に甘えすぎている……反省。
4日後に完全にテストが終わるのでそこだったら浮上出来ると思います!!!
ためてたイラスト片っ端から投稿して♡企画するのでね!!!
もうしばらくお待ちくださいね!!!
ではまた次の投稿で👋✨
コメント
1件
よっ、待ってました!!(拍手喝采) 連絡無くて心配してるゆかりんがびっくらぶなので結婚させときましょう(???) 受験、気ぃ張りすぎんようにな 疲れたら休むのが大事やで( ˘꒳˘)