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ほなかな、まふかな注意
卯花ロク様の「告解、教室にて」曲パロ
文章力ない
穂波視点
× × × × × × × ×
きらきらと、光が射している教室。窓にかかるカーテンが、ゆらゆらと微かに揺れている。
「……」
何も考えずにいると、少し遠くで談笑が聞こえた。
聞き慣れた声。
目を向ける。
やっぱり、朝比奈先輩がいた。 えむちゃんと、何か話しているみたいだけど。
今の私は、できるだけあの人に会いたくなかった。嫌いなわけでは無いけど。 落ち着かない心。
…そういえば、今日は家事代行のバイトの日だ。
今日の献立でも考えて、気を紛らわせよう。
「…っ!」
朝比奈先輩と目が合った。急いで目を逸らす。やっぱり、変。
心の中で渦巻く嫌悪感と、嫉妬心と、恋心。変な感覚。
こんなの、亡くなればいいのに。
× × ×
「………」
何も考えず、淡々と皿をスポンジで擦った。 どうやらこの感情は、日に日に募っていってるみたい。
今日の授業も、食事も、仕事も。
何も手につかなくなっていた。
「…ダメだ、こんなの…
在っちゃいけない気持ちだ。」
そうきっぱりと言い聞かせた。
私の好きなあの人には、もう私なんかよりお似合いな相手がいるから。
私は、育てちゃいけない恋を育ててしまった。
「…望月さん」
「っ…!」
隣に、あの人がいる。
私をどん底から救ってくれたあの人。
…そうだ。
私があの人…宵崎さんを好きになったのは。
私を…知らない誰かをも救おうとする優しさと強さに、惹かれたから。
そして、あの人は。
確実に私を救ってくれた。
「…望月さん?」
「…っ!!」
「どうかした?」
思わず顔を赤らめる。
確実に、鼓動が速くなっていた。
恋だ。
確信した。
それと同時に、一気に罪悪感と嫌悪感に襲われた。
…あなたが私を救わなければ、
こんな気持ち、孕まなかったのにな。
こうやってすぐ人の所為にするのも、私の弱いとこ。
だって、思い出して。
凄く、幸せそうだったじゃない。
「……!」
「……」
「…ふふっ」
私といる時より、ずっとずっと。
宵崎さんは、私なんかより…
朝比奈先輩の方が好きだから。
× × ×
「…はぁ」
「今日も、授業集中できなかったな…」
ぶつぶつと独り言を呟きながら廊下を歩く。
ふと横に目をやると、自習室で居残る、見知った顔が見えた。
「朝比奈先輩…」
顔を見る度苦しくなる。
でも、見入ってしまう。
「…不思議」
そんなことを考えていたら、朝比奈先輩と目が合ってしまった。最近は、よく目が合うな。
…あの目で、宵崎さんを見て。
あの目で、宵崎さんを虜にした。
考えたくもない。もう、やめよう。
朝比奈先輩を見ると、考えごとをしてしまう。そして、嬉しいんだか哀しいんだか分からないぐちゃぐちゃな感情でいっぱいになる。
「…情けないな」
そうとだけ呟いて、学校を後にした。
× × ×
…ただ。
あなたが…宵崎さんが、私の全てだった。 亡い方がよかった気持ちだって分かってても。
幸せなお姫様から奪い去れたら…
希う、バカなことばかり考えてしまう。
このどうしようもない恋心が、 私を押し潰してしまいそうだから。
× × ×
「望月さん」
「宵崎さん…こんにちは」
「こんにちは。今日もよろしくね」
「…はい」
いつもの他愛のない会話のようだけど、 これも全部、恋を実らせる肥料になってしまう。
叶いっこないのに。
「…美味しそう」
「あ…」
「…?」
「いえ…ありがとうございます」
シチューを掬ったスプーンを顔に近づけて、宵崎さんが微笑んだ。
あぁ、綺麗な顔。
…いっそのこと、伝えた方が楽かな。
あわよくば。なんて、あるかな。
「ぁ……」
ダメ。ダメ。ダメだから。
考えるのなんて…ダメ。
おでこにしわを寄せて、言い聞かせた。
宵崎さんがいちばん幸せなのは、朝比奈先輩といる結末だから。
× × ×
かみさま どうして産み落としたの?
こんな気持ちを知るくらいだったら
水底の貝でありたかったのに
この器が悲鳴を上げる
× × ×
「…ふふっ」
「…雪、ありがとう。」
「あ…」
ただ、あなたが私の太陽だったから。
あなたの光で、私を照らしてくれたから。
きっと、こんな気持ちじゃなかったら。
照らされてるだけで十分だった。けど。
私は、あなたの光で焦がされることを望んでしまいました。
この罪深い私を誰か、汚れた感情と一緒に炉に焚べてください。
「…嬉しいな」
「…あぁ」
「歌詞、まとまりそう?」
「終わったら見せて」
「……っ、」
「…え、ファミレス?」
「あぁっ…」
「その日なら空いてるけど…」
「や…」
「…うん、分かった」
他愛のない会話、、だよね?
どうして私は…
外野の分際で、こんなに悲しんでいるだろう。
宵崎さんは、あれで…
幸せなのに……
「…っ!」
頬を伝う水分を、私は感じ取った。
「うッ…グスッ……、、」
なんで?
なんで泣いてるの?
関係ないでしょ?
関係ないのに…
目尻と目頭に、大量の涙が溜まる。
それは一瞬のうちに、目から溢れてきた。
「ゔッ…うわぁっ……!」
感情が爆発した瞬間だった。
宵崎さんと…朝比奈先輩の、、 ただの他愛のない会話なのに。
嫉妬心、嫌悪感、罪悪感、絶望感、恋心。
ぐちゃぐちゃでよく分からない感情が心の中でぐるぐるして、もう…
これが、失恋なんだね。
“失恋”というものは、思っていたよりもずっとずっと苦しくて、どうしようもなかった。
もう、叶わない。
知っていた。
認めたくなかった。
苦しくて、仕方なかったから。
もう、いいんだ。
大好きなあの人が、幸せなら。
だから、私は。
あなたと恋人の糧になれたらと願うの。
「……望月さん?」
「え…?」
気付いたら宵崎さんは、私の目もとにハンカチをあてていた。