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ここは、スクライン公爵家がフィオテリケス国本土に所有している別邸のひとつ。
私――リタ・スクライン（今はライラと名乗っているけれど）は、庭園に面したテラスで、お父様とティータイムを過ごしていた。
本土で手に入れた新作のお茶とケーキを味わっていると、使用人の声がする。
「なあ、この噂聞いたか？ユージーン国王が変わりつつあるって話。きっとリタ・スクライン公爵令嬢の影響なんだろうなぁ」
「そうさ。女神様がおそばにおられたら、国王も心を入れ替えるだろうよ」
「女神様か……。そんなお方のご実家で働けているなんて、俺たちも誇らしいよなぁ」
（……また、ユージーン王とカナエの話）
チラリと庭を見ると、私とお父様に気づいた使用人たちが慌てて深くお辞儀をし去っていった。
真っ白なテーブルクロスが掛けられた丸テーブルの向かいで、お父様が機嫌よさそうにお茶を飲む。
「ふっ……あの娘、想像以上の＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
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