テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
🖤「こーじ……飲むよ。ちょっと、緊張する」
🧡「俺もや……心臓ばくばくしてる」
以前、佐久間が飲んだときは、
誰もが息を呑むほど可愛い女の子に変化していた。
じゃあ、目黒が飲んだら……?
🧡(クール系?それとも清楚系?)
🧡(いや、どっちにしてもやばい予感しかしない)
🖤「……っ」
突然、目黒が小さく息を詰める。
🧡「めめ?!だ、大丈夫か!?」
慌てて背中に手を当て、ゆっくりさする。
🖤「……だい、じょうぶ……」
数分後——
🖤「……ふぅ」
そこに立っていたのは、
すらりとした長身の女性。
170cmは優に超えていそうなスレンダーな体型に、
腰まで届くサラサラの黒髪ロング。
整った顔立ちはそのままに、
近寄りがたいほどのクールビューティーに変身していた。
🧡「……」
🧡「……俺の」
🧡「俺の予想通りや!!!!」
🧡「美しい……美しすぎる!!!!」
感動のあまり、
向井は反射的にカメラを構える。
そう、高級一眼レフを。
🧡「あぁ……綺麗や…」
🖤「こーじ……ちょ、ちょっと……」
🖤「見られるの、恥ずかしい……」
🧡「あかんあかん!!これは記録せな!!」
🧡「めめ、ちょっとだけ、やってみたいことがある」
🖤「……なに」
🧡「その姿で」
🧡「表参道、歩いてきてほしい」
🖤「はあああああ!?」
🧡「頼むううう!!!一生のお願い!!」
🖤「一生のお願い、軽すぎだろ……」
深いため息をつきながらも、
目黒は観念したように支度を始めた。
──────────────
数時間後。
玄関のドアが、ガチャリと開く。
🖤「……ただいま……」
そこには、
明らかに疲れ切った目黒の姿。
手には、大量のスカウト名刺。
🖤「つ、疲れた……」
🧡「……やっぱな」
🧡「この美女、世の中が放っておくわけないわ」
🖤「こーじ」
🖤「俺、ちゃんと言うこと聞いたよね?」
🧡「……せやな」
🖤「ご褒美、あるよね?」
🧡「……」
向井は何も言わず、
そっと腕を広げた。
目黒はその中にすっぽりと収まる。
🧡「……かわいい」
🖤「おい……」
🖤「こーじ、何ベタベタ触ってんだ」
🧡「ええやん」
🧡「こんな機会、二度とないかもしれんやろ?」
🖤「……」
🖤「……もう」
小さくそう呟きながら、
目黒は少しだけ、身体を預けた。
──────────────
その日の夜。
🖤「身体…元に戻ったな、お風呂行ってくるね」
🧡「うん!ごゆっくり~!」
向井はベッドに寝転びながら、
何気なくスマホを開いた。
🧡「……はぁ、今日は濃い一日やったなぁ」
スクロール、スクロール。
すると
目に飛び込んできた一枚の写真。
【表参道で見かけた謎の美女】
【スタイルえぐい】
【芸能人じゃない?】
🧡「……ん?」
嫌な予感がして、指が止まる。
次の投稿。
また次の投稿。
どれも同じ人物。
🧡「……え」
画面いっぱいに映るのは——
昼間の女の姿の目黒。
🧡「……うそやろ」
タグを開く。
《#表参道美女》
《#ストリートスナップ》
《#誰?》
《#一瞬で恋した》
🧡「……っ」
さらに追い打ちをかけるように
とあるアカウントの投稿が目に入る。
【今日のストリートスナップ】
【突然声かけたのに対応が神】
【名前は教えてくれなかった】
🧡「……捕まってたんか…」
——俺が、行けって言ったから。
冗談半分。
軽い気持ち。
「おもしろそう」なんて理由で。
🧡「……俺、なにしてんねん……」
スマホを握る手が、震える。
気づけば何十分もスマホを見てしまっていた。
🖤「こーじ?」
🖤「……スマホ、見てる?」
🧡「……」
🖤「……やっぱり、広まってるよね」
目黒はもう、わかっていた。
🧡「……ごめん」
🧡「俺が……軽率やった」
🧡「めめに、あんなこと頼まんかったら……」
🖤「……」
🖤「でもさ」
目黒は、少し困ったように笑う。
🖤「こーじが“綺麗”って言ってくれたから」
🖤「……ちょっとだけ、嬉しかった」
🧡「……めめ」
🖤「でも」
🖤「やっぱ俺、ああいう所、苦手かもw」
その言葉が、
胸の奥に、ずしんと落ちた。
🧡「……俺」
🧡「もう二度と、あんな無茶させへん」
🖤「ふふ」
🖤「ちゃんと後悔してるなら、合格」
そう言って、
目黒は、向井の隣にそっと腰を掛ける。
🖤「二人でまた、こっそりデートしよ」
🧡「……うん!!」
スマホの画面では、
まだ“謎の美女”が拡散され続けている。
向井は、
そっと通知を切った。
次回❤💙編
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!