テラーノベル
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聖パッセンジャービジョン大学付属古代図書館の館外は、轟々と鳴り響く雷鳴が街の至る所へ落下し、ゾンビの引き摺る足音に呻き声。この世の地獄が更に広がりつつあった。
モートは強風もでてきたここクリフタウン内で、最後の聖痕の少女を探そうとした。赤黒い雹が降り続ける街で、街道を一直線に走っていると、ゾンビが異常に増えていることに気が付いた。それも尋常な数ではない。異常だった。そこで、ゾンビへの違和感がわかった。
魂が酷く真っ黒なゾンビが混じっているのだ。漆黒ともいえる。その魂の色は、もはやこの世のものではなかった。魂の色からすると、おおよそ人がそのちっぽけな人生では、到底冒すことができない。罪よりも遥かに重い大罪だった。
「狩りの時間だ」
モートは真っ先に、漆黒の魂のゾンビの群れの中へと飛び込んだ。
腐敗臭漂う中央に着地すると、ゾンビの群れは一斉に大口を開けモートに襲いかかった。
だが、モートは銀の大鎌を周囲のちょうど、ゾンビの首の辺りに円を描くように振った。ぐるりと、周りにいるゾンビの数多の首が真っ黒な血を吹き上げて、飛び撥ねていく。
それから、モートは一体のゾンビの脇に狩り込んでは、そのまま右首へと銀の大鎌を下から振り上げた。
ガッパリと身体の脇から裂けて、右首が吹っ飛んでいった。気付くと、クリフタウン一帯のゾンビが、モートに集まり始めていた。目と鼻の先の数十ブロックの方角から漆黒の魂のゾンビが埋め尽くしていく。
辺りを壮絶な腐臭が充満した。
「クッ!」
モートは強力な腐敗臭に、顔をしかめた。銀の大鎌を握る手に力が入っていた。そして、モートはもっと素早く狩ることにした……。ゾンビの群れから後方へ軽いステップをすると、飛翔してから上方から大勢のゾンビの首を一振りで真横に狩る。
着地すると、そのまま銀の大鎌を振り上げて、襲ってくる複数のゾンビの腹から、腕から、足から、斜めに首を飛ばしていく。
しばらくして、モートの狩りで溢れかえるようなゾンビの群れは僅か数分で、首なしの胴体へと変貌し、地面にびくびくと微かに動くだけの亡骸として静かに横たわった。
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