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「‥‥仲良さそうに何話してんの?」
振り向くと笑顔の不破さんがいた
「いや、俺はそこでロウ君と会って‥‥」
セラさんの歯切れが悪くなる
それが何故なのか不思議だった
「俺この辺パトロールしててセラさんと会ったんです」
「へぇ‥‥」
「‥‥‥‥」
不破さんがセラさんをチラリと見る
セラさんは固まったまま動かない
「不破さんは何してたんですか?」
「俺はみかじめ料の回収」
「そう言うことは堂々と言わないで下さい。俺警察ですよ?」
「だってこやに嘘つきたくないから。こや達は本当にここで会っただけ?」
「そうですよ。何かありましたか?」
「何日か前にここら辺でこやとミラン君見かけて。こやはウチの子達と仲良しなんやな」
「‥‥?」
「ヒバとも食事したって聞いたよ?」
「あぁ、渡会さんはチェイスで負けた方が昼飯奢るって約束して」
「へぇ、そうなんだ。俺とは行ってくれないのに」
「‥‥え?」
「ん?なんでもないよ。ところでこの近くに俺たちのアジトあるって知ってた?」
「はい‥‥なんとなくなら‥‥」
なんか不破さんいつもと違う感じがする
声のトーンも変わらないし笑顔で俺の話を聞いてくれてる
なのになんだか責められてるみたいに感じるのは何故だ?
「ほら、すぐそこの白い家。そこだよ」
「‥‥そうだったんですね。自宅も兼ねてるんですか?」
「そうだよ。ちょっと遊びに来てよ。今から」
「今からですか?俺まだ勤務中だし、立場上行かない方が良いと思います」
「えー?でも眺め良いよ?俺の部屋3階で見晴らし良いから、今の時間なら最高なのに」
俺が言われて家を見上げている時、不破さんがセラさんに目配せしている事に俺は気付かない
「そうだよロウ君。5分位良いじゃない?ボスもこう言ってるんだから。なんならロレさんなんかお菓子食べにうちに寄ったらしてるんだから」
「いや、あの人は何してる?」
「俺たちは警察とは仲良くやっていきたいギャングだから気にしないでよ。ねぇボス」
「そうだよ。だから少しだけ‥‥ね?」
「‥‥じゃあ少しだけ」
こんなに誘われて断り辛くなってしまった
俺は2人に案内されて豪邸に足を踏み入れる
一階はエントランスと両側から登れる階段
奥には20人が集えるほどのテーブル
きっと会議などここでしてるのかも
2階はリビングキッチン
ここもまた広く、クマがカーペットとして床で眠っている
3階
ここは不破さんのパーソナルスペースだろう
仕事部屋とバスルーム
そして寝室がある
セラさんが寝室の扉を開けてくれる
「‥‥うわぁ‥‥凄い眺め‥‥」
「だろ?夜景も綺麗だよ」
角部屋の壁二面がガラス張りで圧巻の眺めだ
俺は窓に近づき辺りを見渡した
その隣に不破さんが立ち、急に俺の手を取った
「ねぇ、こやは俺がこやの事好きだって知ってるよね」
「‥‥‥‥‥‥」
「あれだけ会うたび言われてんのに分からない奴はヤバいよな。じゃあ逆にこやは俺の事好き?」
「‥‥‥‥‥‥」
あなたが好きだなんて口が裂けても言えない
「俺じゃない奴、好きだとか?」
「‥‥いえ、誰も‥‥俺は‥‥」
「こや‥‥俺の事好きじゃなかった?俺は時々こやが俺の事好きなのかなって感じてたけど」
「‥‥‥‥‥‥」
「黙ってるのは肯定と一緒だよ?」
「‥‥‥‥‥‥違います。俺、帰りま‥‥」
「セラフ。今すぐ屋敷からみんな外に出して鍵閉めて」
「はい、ボス」
入り口に立っていたセラさんが出て行き、家の中もパタパタと人が去る音がする
「不破さん‥‥俺、帰ります」
「帰さないよ」
カチャ‥‥
「‥‥不破さん?」
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