ミチルは原稿を睨みつけて
頭をかいた。押し入れから三味線を出して適当に弾いた。
「先生何三味線弾いてるんですか。」
「また行き詰まってしまってね三味線を弾いていると何か出るかなぁて。」悟はふむふむと
頷いて「三味線が題材の物語はどうでしょうか。」と提案した。
「お前は天才だなぁ。」
意気揚々とペンを走らせたが
止まって「うーん。」と頭を抱えた。
「先生この前の小説好評でしてねフアンレターがきてるんですよ。」
「ホントか!悟。」
悟が渡すと嬉しそうに封筒を開けた。
「これでやる気出ましたか?」
「ありがとよ。」ミチルが抱きつくと悟は鼻血を出した。
「先生…早く書いて下さい。」
「良し書くぞ。」
集中するミチルの横顔は
美しく神々しい。
悟は扇子で顔を煽りながら
出来上がりを待った。
「見てくれ昨日捕まえた蝶も出したんだ。」
「ほう粋ですな。」
ミチルは欠伸をして猫のように丸まって寝た。
悟の雄の扉が開いたのかスーツを脱いでミチルに近づいた。
「先生…可愛い。」とささやいたがミチルは爆睡しているのか全く気づかない。
それでもおかまないなく引き締まった体で抱き締めた。
「んー。」とミチルが寝言を言うと
「ふふっ。」と笑った。
「悟何でお前肌何だ?」
「いや…これは…。」悟が慌ててスーツを着ようとするとまじまじと見つめてきた。
「そうだお前服全部脱いで色っぽいポーズしろ。」
「な、何ですって!?」ミチルの言葉に声がひっくり返った。
「小説の1部の場面に使いたんだ良いからやれ。」
「わかりましたよ。」
悟は全裸になり色っぽいポーズをした。
「そのままじっとしてろ蝶が男を誘惑する挿絵として起用したんだ。」無邪気に原稿の片隅に
書き込んだ。
彼女の小説に対する情熱が彼の心に響く。
「先生出来ましたか?」
「あゝどうしだ?」
ミチルの器用さに改めて悟は感服した。
「先生絵も描けるんですね。」
「多少はな。」鼻をかいて照れくさそうに笑った。
「いつもこれぐらい期限守って下さい。」
「わかったよ。」にごり酒を飲みながら返事した。
「僕も一杯下さいよ。」
二人は酒盛りを楽しんだ。
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