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森を抜けた先に広がる大地は、想像以上に広大で、光と影が入り混じる世界だった。ミライとカイは小さな火を抱えながら、目の前の景色を見渡す。
眼下には緑の草原が延々と広がり、遠くには小さな丘や、光を反射する川がきらめいている。
森の閉ざされた迷路とは違い、風は自由に吹き抜け、空は青く澄み渡っていた。
だがその開放感こそ、未知の危険を感じさせた。
「ここが…新しい土地…」
ミライは火を抱き、深呼吸をして心を落ち着かせる。
「森とは全く違う…自由だけど、油断はできない」
目の前の光景は美しいが、危険も同時に存在することを、森での経験が教えていた。
カイは草原を駆けるように歩きながら言った。
「わぁ…広いね!ここなら発明も色々できそう!」
ミライは小さく笑みを返す。
「まずは安全な場所を確保して、拠点を作ろう」
二人は火を使い、周囲を慎重に観察しながら拠点作りを開始した。
川を見つけると、水を飲む前にミライは自然の素材を使って浄化装置を作り始める。
火で石を温め、土と砂でろ過する簡単な装置だ。
「科学の力って…頼りになる」
ミライは火を見つめつつつぶやく。
カイは枝や葉を組み合わせて装置の補強を行い、二人の連携が自然と生まれていた。
拠点を整えた二人は、火を焚き暖を取りながら少しの休息を取る。
森での戦い、迷路、シグマとの頭脳戦を乗り越えた安堵は大きかった。
だが、遠くの丘の影に黒い影が動いた瞬間、二人の緊張は再び高まる。
「…誰かいるの?」
ミライが小さく声を出すが、返事はない。
影は野生の動物かもしれない。
しかし森での経験が二人を警戒させる。
「まずは観察しよう」
カイは慎重に言い、二人で丘の方へ少し近づく。
影がちらりと光を反射し、金属や装置のようなものが見えた瞬間、二人は息をのむ。
「…武器?それとも…装置?」
ミライの心拍が早まる。
未知の敵の存在が、この新しい土地での試練の始まりを告げていた。
ミライは火を握り、冷静に考えた。
「森で学んだことを生かすんだ…科学と工夫で乗り越えられる」
カイも同じ気持ちで、火を見つめながら装置の準備を進める。
二人はこの新しい土地で、安全と生存を確保するために知恵を絞らねばならなかった。
その時、遠くの丘から低い声が聞こえる。
「…見つけたか…」
影は動き、音を立てずに接近してくる。
ミライとカイは互いに視線を交わし、火を手元に抱えながら、慎重に身を隠す。
「科学の力で…まずはこの影を観察しよう」
ミライは枝や葉を使った小道具を作り、影の動きを封じる準備を始めた。
カイも枝と小石を組み合わせ、即席の警告装置を設置する。
小さな装置が、二人を守る盾となる。
影は丘の稜線を超え、二人に近づいてきた。
目の前に現れたのは、鎧のような装備を身にまとった未知の人物。
「…敵だ!」
ミライは心の中で叫ぶ。
だが、恐怖よりも、森で培った知恵と勇気が勝っていた。
「よし…私たちなら、乗り越えられる!」
火を抱き、二人は未知の敵との初めての遭遇に備え、互いにうなずき合う。
その瞬間、風が二人の髪を揺らし、草原を抜ける光が森で培った火を照らす。
新たな大地での冒険は、まだ始まったばかりだった――。