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花菜 涼夏おはよう!
涼夏 おはようー!
花菜 早く夏来ないかな〜!今年の夏は花火とか、祭りとかいっぱい楽しみたいんだ!!
涼夏 いいね〜青春
花菜 意外だね いつも夏は来て欲しくないとか言うのに!!
涼夏 まあ好きではないけどね、暑いし
花菜 名前は夏!!って感じなのに〜
涼夏 夏入ってるからね笑
花菜 今年の夏こそ彼氏と花火見る!!
涼夏 おーー、がんばって!
花菜 涼夏も今年は恋愛したら?
涼夏 私はいいよ、向いてないみたい
花菜 そっか〜
?? 見て、あの子だよ
?? 陽向くんと話してたってやつ?
?? え〜誰?笑笑
?? 地味だよね、なんであんな子が?
?? なんで関根さんとなんか笑笑
?? 声大きいって笑
え、
全身から冷や汗が出てくる。手足からどんどん熱が冷めていく感覚。自分が標的になっているとわかったこの感覚。
思い出したくない。
この悪意を含んだ笑いに嫌気がする。
高校ではやっと平凡に幸せに暮らせていると思っていたのに。どうして、普通の学校生活を送ることができないんだろう。
ただ生活しているだけなのに、どうして私だけこんな目にあわなくちゃいけないんだろう。
花菜 ちょっと、あの子たち何?嫌な感じ
涼夏、気にしなくていいからね!?
涼夏 花菜、ありがとう、笑
花菜 ほんとにね!?それにしても、陽向くん人気は思った以上だね、
涼夏 昨日謝ってくれただけなのにこんなことになるなんて、びっくりだよ
花菜 大丈夫!私が倒してあげるからね!
涼夏 ありがとう花菜笑
キーンコーンカーンコーン
昼休みが来た。今日は人目に着く所にいられない。また悪口を言われているんじゃないかと不安になってしまう。屋上に行こう
風が心地いい。静かで、下を除くと中庭が見える。皆の楽しい声を聞きながらゆったり時間を過ごす。誰とも話さなくていい、誰にも干渉されない唯一の安心できる場所。ここに居たら普段誰にも言えない悩みも、ここでは言えるような気がする。
涼夏 陽向くんとはもう関わらないようにしなきゃ。せっかく普通に過ごせてるんだから
もうあんなことにはなりたくない。
ガチャ 扉が開く音がする
陽向 涼夏ちゃん居た!やっぱりここにいたんだ、教室に居なかったからここかなって。
涼夏 陽向くん?なんで私を?
陽向 昨日のこと謝りたくて!聞かれたくなかったことだったと思うのに、無神経に聞いちゃって、本当にごめん。謝りたかったんだ
涼夏 大丈夫!気にしないで。じゃあ
陽向 待って
涼夏 ごめん
陽向 俺の事嫌い?
涼夏 そういう訳じゃないよ
陽向 避けてる気がするんだけど、
涼夏 陽向くんと居たら、嫌な事を考えちゃうから、ごめんなさい
陽向 嫌なことって?
ちょうど夏頃だったと思う。
中学二年生の夏、私への虐めが始まった。
最初は友達も居て、楽しく学校に通い、普通の生活を送っていた。
きっかけは些細なことだった。
私には好きな子がいて、私なりに恋愛を頑張っていたし、楽しんでいた。けど、
よく言うクラスの一軍の子と好きな人が被ってしまった。私はそれでも好きな人を諦めなかった。その子よりも前から好きだったし、取られない自信があったからだ。私はアタックを続け、その結果、好きな人への長年の片思いが通じ、付き合うことになった。
そこからはもう地獄だった。
そのクラスの女の子からしたら、気に食わなかったんだろう。自分よりも目立たない女が好きな人と付き合っているのが。
まず、その子と、その子の友達は私と話してくれなくなった。どんなに謝っても、話しかけても無視。まるで、私なんか居ないみたいに。そこから、友達もどんどん私の事を無視するようになった。その子が、クラスの女の子に、涼夏と関わったら好きな子取られちゃうよ!!なんて言っていた。私の方が先に好きだったのに。がんばっただけなのに。その時の私は、なにもできなかった。言い返すこともできず、ただいない人として扱われた。信頼していた友達に裏切られ、孤立し、中学の友達途中から誰とも言葉を交わさずに卒業した。靴が隠されていたり、画鋲が刺さっているなんて直接的ないじめはなかったものの、クラスに味方が誰もいない状況で一日を過ごすのは、とても苦痛だった。
お母さんにこの事を打ち明けても、休んでいい訳ないでしょう。将来のために学校に行きなさい。後からきっとしっかり行っておいて良かったと思える日が来るわよ。
そう、言われて休ませてくれなかった。
逃げ場がない状況で、学校に通った。
いじめをしてくる女の子たちも、見て見ぬふりをする男の子、先生、親、全ての人が憎らしかった。自分が標的になりたくないからって、私を無視しないで。
その後、中学の同級生と会わないように、遠くの高校に入学した。そこからは、前みたいなこともなく、楽しく、上手くやれている。
でも、いつかああなってしまうのではないか
理不尽な理由で、またああなるんじゃないか
そう思うと、今にも泣けてきそうだった。
恋愛はトラウマだし、いまでも夏が来ると思い出してしまう。 あんな苦痛はもう嫌だ。
人並みに楽しく学校生活を送りたい。
もう、恋愛なんかしないから。
涼夏 女の子からの反感を買うのが怖くて。
陽向 何それ?まさか誰かに何か言われた?
涼夏 ちょっとね。陽向くんと昨日話したのを見られてたんだと思う
陽向 まじか、俺のせいだ。いろいろとごめんね、迷惑もかけた。
涼夏 陽向くんは悪くないよ。ただ、私が弱いだけ。気にしないで!
陽向 いや、俺のせいでこんなことになってるんだから気にするよ。助けさせて欲しい
涼夏 一緒に居たら、更に大変なことになっちゃうから、大丈夫だよ。
陽向 一緒に居たら俺が止めるよ、その女の子達の事は。俺、申し訳ないのもあるけど、単純にこの前から涼夏ちゃんの事が心配で、力になりたいだけなんだ。だから、俺に守らせてほしい。
涼夏 陽向くんも、周りになにか言われちゃうかも。
陽向 そんなの関係ないよ。気にしない
涼夏ちゃんが大丈夫ならいいよ!
涼夏 優しいんだね笑
じゃあ、助けて貰っちゃおうかな
陽向 まかせて!クラス違うから常に入れるわけじゃないけど助けるから。
その為に、連絡先交換しよ。何か言われた時にすぐ飛んで行けるように
涼夏 そうだね、ありがとう。
キーンコーンカーンコーン
昼休みの終わりの鐘がなる。
陽向 じゃあ、戻ろっか!
涼夏 うん
こんなに優しい人がいるのか。
今まではいじめてくる人、それを見てわらってる人、見て見ぬふりする人ばかりで、助けてくれる人なんて居なかった。
嬉しいな、単純にこんなにいい人と会えて嬉しかった。
今まで男の子と関わることに意味を見いだせなかった私が。少しのトラウマでいまでも怖がってしまう私が。
陽向くんと話して、少し気持ちが軽くなった気がする。こんな人がこの世の中に沢山居ればいいのに。
陽向 じゃあ、これから守るね
涼夏 ありがとう!
この人の事は少しだけ、信用してもいいのかもしれない。