※注意※
※うめひいのオメガバースです
※梅宮さん→α 柊さん→Ω
※結構長め
※下手くそだと思います
※地雷・解釈違いはUターン
上記オーケーならどうぞ
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それは気温がちょうどよかった春の日のことだった
梅宮「おう!柊!」
柊「梅宮…おはよ」
梅宮「おはよ!なんか疲れてる?」
柊「いや…別に?」
梅宮「なんかあればいつでも言えよな?」
そう言って笑う梅宮の顔に俺の心臓がドクドクと早鐘を打つ
いつからかわからないが俺は梅宮に片想いというものをしてるらしい
本人には言ったことはない
何故なら…それが叶わない恋だとわかっていたからだ
梅宮はαで俺はΩ
Ωにはαの中に運命の相手がいるという話がある
だが目印とかそういうものは無いに等しい
椿野「アンタ、まだ梅に告白してないの?」
柊「しないって言ってるだろ」
椿野「そんなの勿体無いじゃない!!」
柊「しないって言ったらしねぇよ」
椿野「あのね…Ωのヒートをなめちゃダメよ!軽度ならいいけど重度なら辛い思いするのはアンタなんだから」
椿野は俺が知る中で唯一のΩだ
Ωにはヒートというものがあり抑制剤を飲むと少しは治まる
ヒートにも軽度から重度とあってそれは起きてからじゃないとわからない
そして椿野は俺が梅宮に片想いしてるということを見抜いていて時々こうやって話すようになった
椿野「大抵はね…Ωのヒートは一人で耐えるしかないのよ…辛いけどそんな都合よく運命の相手がいるわけじゃないから」
柊「つっても俺は稀にしか重度にならないから大丈夫だ」
椿野「でも梅が側にいたら嬉しいんじゃない?」
柊「けど…アイツは」
椿野「運命の相手じゃなくたっていいじゃない、好きなら側にいてもらったら?もしかしたら安心するかもよ」
柊「…俺、椿野以外にはΩだって話してない」
椿野「抑制剤はあるの?」
柊「あぁ、ついこの前処方されたやつがあるから」
椿野「とにかく今度ヒートが来たらアタシか梅に連絡すること、いいわね?」
柊「お、おう」
椿野「アンタはねすごい幸運なのよ?運命の相手じゃなくとも安心する存在がいるんだから」
安心する存在…ね
確かに梅宮と一緒にいるのは安心するから
でも梅宮は俺がΩだと知ったらどんな反応をするのだろうか
あの時みたいにーー
柊『あ、あのさ…』
『ん、なんだよ、柊』
柊『その…実はさ俺、Ωなんだよ』
『え?』
中学の頃同じクラスでよく話していたやつにΩであることを話したことがあった
Ωでも俺は俺だからこれからも仲良くしたいそう言いたかったのだが
『マジかよ…』
柊『え?』
『お前はさ…喧嘩が強いから仲良くしてたのに…Ωだったのかよ…』
柊『でも俺は…』
『Ωの分際で話しかけるなよ!』
そのことがあったせいですっかり自分のことを隠すようになっていた
椿野と別れて俺は家に戻る途中違和感に襲われた
柊「大丈夫…家に帰って寝れば治るから」
そう言い聞かせて俺は足早に家に戻った
この違和感を軽く見たのを後悔したのは翌日のことだった
翌朝いつもより遅めに目を覚ます
体がダルくて動くのがものすごくしんどい
それに体が熱くて苦しい…これはーー
柊「こんなときに限ってヒート、かよ」
しかもけっこう強めのだ
スマホに手を伸ばし時間を確認する
今は10時になろうとしていて不在着信が何件も入っていた
柊「そうだ…椿野に連絡……」
連絡をしようと電話を掛けるが何コールか鳴ったが出る気配がない
もしかしたら見廻り中のせいで出れないのかもしれない
得体の知れない恐怖から涙が出てきて視界が揺らぐ
怖い…一人になったみたいでものすごく怖い
椿野『とにかく今度ヒートが来たら_____』
椿野とのやり取りを思い出し俺は出てくれることを祈りながら電話を掛ける
3コールくらい鳴ると電話の主は意外と早く出てくれる
梅宮『もしもし、柊か、どうした?』
柊「はッ…うめ、みや……」
梅宮『ど、どうした?泣いてるのか?』
さっきまでの恐怖が梅宮の声を聞いただけで吹き飛んで行った
もう運命の相手とかどうでもよかった
今はただ梅宮に会いたかった
柊「梅宮…助けて、辛い…会いたい…!」
梅宮『わかった…今は家にいるのか?』
柊「うん…!」
梅宮『すぐ行くから、待ってろよ』
そう言って電話が切れる
いつの間にか涙も止まり恐怖は無くなっていた
しばらく待っていると家のチャイムが鳴る
梅宮「柊!来たぞ!」
柊「梅宮……」
梅宮「入るぞ!」
どうやら鍵をかけ忘れていたみたいだ
梅宮は俺の部屋まで来てすぐに状況を察してくれた
梅宮「柊…ヒート、来たんだな?」
柊「ごめん…Ωだってことずっと話してなくて…捨てられたらって思ったら…」
梅宮「俺はそんなこと絶対にしない!」
柊「わかってるつもりだ…でも…」
俺は中学の頃の話を梅宮に話した
梅宮は笑うこともなく、反論することもなくただ静かに何度言葉が途切れようとも黙って聞いていてくれた
話し終えるとポツリと一言
梅宮「頑張ったな、柊」
柊「梅宮…」
梅宮「一人でよく耐えたな、偉いじゃん」
柊「俺はΩだぞ、嫌じゃねぇのか?」
梅宮「嫌だったら電話にも出てない、来るなんてしないよ」
柊「………」
梅宮「それに柊の性別が何であれ柊は柊のままだろ?それでいいじゃねぇか」
ずっとかけてほしかった言葉をかけてもらえた
その嬉しさからまた涙が出てきて頬を濡らしていく
梅宮は少し驚いていたけど俺が泣き止むまでずっと頭を撫でてくれた
その静かな優しさがヒートの辛さを紛れさせてくれた
ヒートの間、梅宮はずっと俺の側にいて世話を焼いてくれた
巣作りだって遠慮したが梅宮は寧ろ巣作りをしてほしいと言ってくれた
そしてヒート明け俺たちは一緒に登校することになった
梅宮「ねぇ、柊…俺さ考えたことがあるんだ」
柊「なんだよ」
梅宮「俺たち付き合わない?」
柊「でも…なんか都合のいい関係みたいで」
梅宮「それでもいいよ…俺は柊のことが好きだから、安心するなら都合のいい人間でもいいさ」
柊「…お前が俺を好き?」
梅宮「やば…口に出てた?」
梅宮は照れたように首裏を掻く
その仕草がちょっとだけ新鮮で俺は笑っていう
柊「俺も梅宮のことが好きだ…付き合おう」
梅宮「え?もう一回言って!」
柊「だから俺も梅宮が好きだから…付き合ってもいいかな…って」
梅宮「ほ、ホントか!?」
柊「好き同士なら都合のいい関係にはならねぇしな」
梅宮「…ヤバい…今、めっちゃキスしたい」
柊「おいおい、けっこう急だな…でも俺もしたいかも」
俺は呆れながらも少しだけ期待した
梅宮は俺の両頬を包むようにしてキスをしてきた
俺たちは照れながら見つめ合いお互い同時に笑う
運命の相手かなんてわからないけど俺たちはこれでもいい
もしかしたら好きな人との方が生涯幸せでいられるかもしれないから
運命の相手じゃなくとも END
コメント
4件
( '-' )スゥゥゥ.....やっぱりぬいぬいさんのうめひい最高だわ(*`ω´)b
今回は梅宮さんと柊さんのオメガバース世界線での物語を書かせていただきました オメガバースは毎回『運命の相手と番になる』これがゴールになってます なので今回は逆に運命の相手じゃない人とならどうなるかと思い書いてみました もしかしたら好きな相手との方が幸せになる確率があるかもしれないという真実に辿り着きました 少しでも皆さんの心に何かを残せたら幸いです そして結構長くなってしまいすみません…