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もう…限界…
子供A: 「ねえママ、あの人たちずっと抱き合ってるよ?なんでー?」
母親A: 「シッ、見ちゃダメ。世の中にはね、迷惑なカップルってものがいるのよ。」
あれから、どれくらいの時間が経っただろう。
たまに通り過ぎる人々の冷たい視線を感じながら、私はついに限界を迎えつつあった。
夢主: 「あの……糸師くん?そろそろ離れてくれませんか?」
糸師凛: 「……凛。」
夢主: 「凛くん……お願い、ほんとに……はなして……!」
糸師凛: 「……」
(腕にさらに力を込める)
夢主(心の声): 「やばい、本当に限界……!」
「このままだと、取り返しのつかないことになる……!」
夢主: 「漏れそうなの……!!」
彼は、光の速さで手を離した。
そして私も、光の速さで死ぬ気で走った。
見事、
人間の尊厳をかけた戦いに勝利した私は、
安堵の息を漏らした。
夢主: 「ふぅ……接戦だったわ……! 」
痺れを切らした、聞き覚えのある声が、
私を急かす。
糸師凛: 「おい、早くしろ。寒い。」
お前のせいだ、どの口がいうんだよっと
心の中で、私は猛抗議した。
そんな、私の心中をよそに、
彼が呟いた。
糸師凛: 「……あれのみたい。出汁のやつ。」
夢主(心の声):
「何ですって!?今まで音信不通で散々振り回しておいて、次は出汁パックまで要求する気!?やっぱりあの男、大怪獣だわ!!ここは心を鬼にして――」
(凛が突然くしゃみをする)
糸師凛: 「クシュンッ……」
(薄着のまま鼻を啜る)
夢主: 「……まぁ、その格好じゃそうなるよね。」
(少し考えてから、ため息をつく)
「しょうがないな……。」
夢主(心の声):
「私は、彼を拒めない。……その理由はきっと、知らないままでいた方がいい。そう思った。」