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「ア……、あかね?」
「『どしたのアクア〜?☆幽霊とか見たような顔して!☆』」
「、いや……」
「あっかねー!!」
「『みんな〜!☆待たせてごめんねっ☆』」
「ほんとだよ!待ってたぞ〜?」
「また楽しくやろうね!」
「『うんっ!☆』」
「なんか、元気そうでよかったけど……もう大丈夫なのか、?」
『え?何が?☆』
「「「「……」」」」
「なにがって、そりゃ、……」
「『あ〜、結構盛大に燃えちゃったからね〜!☆やっちゃったな〜とは思うけど、あれくらいよくある話でしょ☆』」
「…あかね、なんか雰囲気変わった?」
「『ゆきはこういう私…嫌い?』」
「……ううん、」
「『アクア〜!今日は一緒に居ようよ!』」
「…うん、」
『♪☆』
〜〜
一瞬で、持っていった……キャストも、スタッフも、カメラマンですら…視線を向けざるを得ない、不思議な引力…
まるで『アイ』のようなカリスマ性、それが彼女にもあった、
「『聞いたよ〜?☆あの動画、何日も徹夜してアクアが作ってくれた〜って!☆嬉しかったな〜!』」
「『ありがと、アクア!』」
「…うん、」
「ねぇアクたーん!そこのポーチとって〜!」
「今考え事してる。自分でとって。」
「『それくらいいいじゃん!☆とってあげなよ!☆』」
「うん、」
「……はい。」
「ほら!あかねにだけなんか素直〜!!」
「マジでアクたん、あぁいう感じが好きなんだ〜、!」
「あかねキッチリ仕上げてきたな〜、」
「そんなんじゃねぇ」
「ほらほら好きなんか〜?」
「こういうあかねが好きなんか〜?」
「「ふふふ〜ん?☆ははは〜っ☆ほらほらほら〜!ん〜〜〜?☆☆」」
「っ、だから……まじで、やめろ…」
「いや反応…ガチじゃん。」
「っ、……」
ーー〜〜
…幼年期、アイと数年一緒に居たが、俺は結局アイのことを、何一つ知ることが出来なかった気がする。
……何一つ分かってやれなかった。どこまでが『嘘』で、どこからが『本当』なのか…
俺にとって『アイ』ってなんなんだ?ファン?母親?それとも_____
ーーー〜〜〜
「…有馬」
「!」
「…有馬かな、なぁ、今から学校サボって遊び行かね?」
「…!!」
「いく!」
〜
「はぁ〜!まじありえなく無い!?学校サボって遊びいくとか!マジ不良じゃ〜ん!ありえなーい!まじさいあく〜!まじさいあく〜!!」
「そんなに言うならやめとく?」
「そうは言ってない!」
「なんだかアンタが思い詰めた顔してるから、『ちゃんと見ててあげなきゃ』って言う先輩心〜?心が天使よねっ!私!☆」
「で!?どこいく!?ディズニー!?東京タワー!?」
「学校サボってそんな張り切った提案する度胸がやばいな。」
「!?だって!!制服でサボったら周りの視線気になるでしょ!?着替えに帰るのも時間のロスだし、あの辺制服の人多いし……!!丁度いいかなって思って〜!!」
「別にそういうんじゃなくてさ。」
「……?」
〜〜〜
「は〜〜〜〜〜……やっぱあんた変わってる。」
「そうか?「そうよ!」
「うら若き男女が学校という牢獄から逃げ出して何をするかと思えば、公園で呑気にキャッチボールだもん!わざわざグローブとボールまで買ってさ!?へんなの。」
「早く投げろよ。」
「む〜〜……」
「私、野球なんてやった事…っ!…「あ、」」
「ごめっ、」
「いいよ。」
「…私みたいなへたっぴじゃなくて、もっと上手な人誘えばよかったんじゃない?…ルビーとか、」
「妹に学校サボらせる兄が居るか。」
「シスコンきも」
「あ、じゃあ、今ガチの人とか……仲良いんでしょ?」
「まぁ、悪くは無いけど…一応仕事って言うか、そういう気安い関係でも無いし。」
「…そうなんだ、」
「嘘ついたり、打算で動くことばっかで、なんの打算も無く無駄な会話できる人間って、俺の周りには余り居ない。…っ!」
「んわっ!?」
「その点、有馬なら気を使わなくていいし…」
「使えやコラァ!」
「……でもま、そういう相手に選んでくれたって言うのは、悪い気はしないか、なっ!!…今ガチ、そろそろ収録大詰め?」
「っあぁ、」
「わっ、…1番人気はゆき?でも最近、黒川あかねも調子、良いみたいだ、しっ!!」
「ん、…っ!」
「……っ、!…実際のところ、あんたは誰狙いなのっ!!」
「あくまで仕事だから、そういうのは無い。」
「…でも、タイプとかはあるでしょ?、年下が好きとか、年上が好きとか!」
「……難しい事を聞くな…」
最近、つくづく思う。
人間の思考は、体の発達に大きく影響を受ける。赤ん坊の頃は、幼児期健忘で記憶の定着が難しいし、第二次成長期には、周囲への警戒心の高まりを、ひしひしと感じた。
成長していくにつれて、精神の方が、体と環境に適合していく。
「_____どんどんと……『僕』と『星野愛久愛海』の境界が無くなっていく……」
「……前から思ってたけど、怖くて聞けなかった……。あんたもしかしてさ…」
「厨二病?卒業しなさいよそういうの、イタイから。」
「ふんっ!!!」
「ゔわっ!?!?」
「要は俺も高校生って話だ。自分と年齢の近い子を、恋愛対象として認識する。…ま、ある程度上の方がいいのは間違いないけどな。」
「年上好きってこと?」
「へ〜?ふ〜ん?へ〜〜?」
「早く投げろ。」
「!!!( ゚д゚)ハッ!!!!」
「へぇ…?ふーん……へぇ……」
「なんだよ。」
「なんでも、無いっ!!!!」
「!…お、いい球じゃん。」
「そう?」
「本当に初心者か?」
「…そうよ、!アクアとするのが初めて、一番最初!…えっへへへへ、もしかして、始球式アイドル目指せちゃう〜?」
……やっぱり、黒川あかねに対する感情は、そういうのじゃない。有馬には感謝しなくちゃな。、
ーーー〜〜〜ーーー
自分の感情に整理が着いた。
俺は、『黒川あかね』に、『星野アイ』の幻影を見てるだけ。…
「いよいよ、撮影も終わりだね。…寂しいなぁ、……アクアくんの言う通りのキャラ付けしたら人気も出て、!かなり助かったよ!ありがとっ!」
「アイの演技…いや、役作りか。まるで夢を……本物を見てるみたいだった、」
「あれってどうやってるんだ?」
「あぁいや、そんな大層な物じゃ……一応、プロファイリングの本とかは読んだりしてるんだけどね、いっぱい調べて…自分なりに解釈してるだけ!色々、勝手な設定とか足しちゃってるし…」
「勝手な設定?」
「うん!例えば、『アイには実は、隠し子がいる』…とか」
「……っ!?」
「だとしたら、色んな感情線のラインに整合性が見られるし、不可解だった数々の行動の理由が分かる、!何を考えて、どういう人格なのか!数式パズルみたいに分かってくるっ!!」
「……アイの思考パターンって、どれくらい分かるんだ?」
「?…うーん……」
「『どういう生き方をしてきて、どういう男が好きか___まで、たぶん、だいたいわかると思うケド?』」
「……!!!」
芸能界には、才能が集まる。
俺には、あの自由奔放で才能の塊だったアイが、何を感じて、何をしたかったのか…これっぽっちも分からないままだった。
『黒川あかね』という才能は、恐らく…何年も一緒にいた俺より、ずっと深くアイを理解して……行動を完璧にトレースしている。
俺達はあくまで仕事上の付き合い。
番組が終わったら、関わることも無くなるだろう。
「_________」
だけど…
ここで手放す訳には、いかない。
「『今からガチ恋♡始めます』!全収録終了です!!」
「「「「お疲れ様でしたー!!」」」」
「いやー、思い返すと一瞬だったわー、」
「色々あったけど、本当に楽しかった…!」
「あかねがそう言ってくれるなら、文句ねーなぁ!」
「で〜?」「早速聞いていいかな〜?」
「最後のキス!本当に付き合うの!?」
「どうなるのっ!!」
「………わかんない、番組の流れ的に、あれは受ける流れだったけど……仕事もあるのに、恋愛なんて…」
「いやいや芸能人とはいえ!高校生になったら、彼氏の1人や二人(?)当然でしょ〜!!」
「ゆきとかとっかえひっかえじゃないの〜?」
「私そんなイメージ…?マジでリアルに、本当に仕事第1でやってきて、今まで彼氏作ったことなんて無かったんだよ?」
「うっそ、、」
「本当の話らしいよ?雪と同じ、芸能科の子も言ってた。」
「意外な身持ちの硬さ…」
「でもモデル周りは結構居るよー?アイドルも女優も、規律は一般の人と変わんないでしょ。」
「まー、流石に恋愛禁止売りにしてる所は、割合低いみたいだけどな〜。__________」
ーーー
「…今ガチ、評判良いよ。やっぱり君を使った俺の目は、間違ってなかったかな。」
「どうでしょうね。結局炎上で注目集めたみたいになってますし。」
「そのあとのカバーは、君の手腕って聞いたよ。……だけど例の映像。上の方で少し問題になったんだよ。…収録時の素材を外に流さないってのは、業界の鉄の掟。
…『これは一体どうなんだ』って言うことでね。出演者とはいえ、そのタブーを犯したんだ。苺プロに、賠償請求を出す、という話も出たんだよ?」
「…でも、そうはならなかった。でしょう?」
「『出演者は、番組公式SNSにならオフショットをアップしていい』と、契約書にある、だから動画を公式SNSにアップした訳で、ちゃんと契約通りの仕事をしましたよ。」
「…抜け目ないねぇ、」
「…どうも。」
「そして、君は僕との契約も守り、いい仕事をしてくれた。報酬はきちんと支払わないとね。……来週辺り、寿司でも食いに行かないか。アイについて、『とっておき』の話をしてあげよう。」
「……空けておきます。」
「…あっ、アクア〜!ちょっとこっち来て!」
「逃がさねぇからな!w」
「んふふ♪」
「はぁ…」
ーーーー
「…あのさ、アクアくん。…これから、どうする?」
「……どうするって…あぁ、…あれは放送されたわけだから、暫くは彼氏彼女するしかないだろ。」
「…それはもちろん、分かってるんだけど…」
「___だったら、「だからね。」
「…その……私達の交際って、仕事?それとも…本気なやつ、?」
「…いや、別に仕事とかじゃ、」
「変な気は使わないでいいよ、……アクアくんは私の事、異性として見てないでしょ。」
「…いや、」
「……分かるよ。それくらい。」
「…確かに俺は、あかねを異性としては見ていない……付き合うっていうのも、仕事の延長線上に捉えてる。、ただ、、俺は黒川あかねに、『女優として』強い興味を持っている。」
「…っ!」
「…『これは嘘じゃない、』。」
「そっか………」
「、まぁ、いいか、!…それは、一番言われて嬉しいことでもあるから、!」
「…」
「じゃあ、『お仕事として』!彼氏彼女しようね、!…本当の彼氏彼女はゆきたちが居れば充分だし、」
「…え、」
「気付いてない?…ゆきとノブくん、こないだ付き合い始めたんだよ?」
「マジ?、でも、撮影の時は振って…」
「テクニカルだよね〜、…でも、私はゆきのそういう所が、けっこうすきなんだぁ……」
「ゆき、マジで人生初彼みたいだよ?」
「…分かんねぇもんだな、」
〜〜
「じゃあ〜!またね〜〜!」
「おつかれ〜!」
「……MEMはタクシーじゃないのか?」
「うん!歩いて帰れる距離だから。」
「…そういや、割と近所だったな。」
「業界の人が住んでるのって、だいたいこの辺だしね〜」
「……」
「……寂しいなぁ…。わたし、この現場…めちゃくちゃ好きだった、、」
「…そっか。」
「でも〜、。アクたんはそんな寂しくないかな〜?『あかねの彼氏』だもんね〜??」
「…あくまで仕事上の関係だ。」
「、まぁ、最初はそれでもいいんじゃない〜?いずれ本気になっちゃうかもしれないし〜!」
「ならねぇよ、」
「とか言って〜!アイの演技してたあかねに、赤くなってた癖に〜!んん〜?」
「…って言うか詳しいよな。B小町は世代じゃないだろ。」
「いやいや、B小町は、みんなの憧れだから〜!……」
「……ここだけの話だよ〜?私、元々アイドル志望だったんだぁ……でも、色々あって、挫折しちゃって…今は元気に、YouTuberやってますけど〜?」
「ふーん………じゃあ、うち来たら?」
「?、…え、?」
「『新生B小町』は、現在メンバー募集中なんだけど。」
「B小町に、私が…?」
「あはは、そんな、冗談…」
「「………」」
「…!!」