テラーノベル
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ーーーこの世界には、様々な“特徴”を持つ人間が存在する。
すべての人間がそうではないが、その力は時に、人を救い、時に、人を壊す。
今回の物語は――
ある特定の行動で相手を従わせる能力、“ドル”を持つ男の話。
とある悩みを抱える蒼井恭也(あおい きょうや)と、
ドルとして秘密の仕事をしている黒崎陽雅(くろさき ひゅうが)。
二人の物語をお楽しみください。
ーーー
俺は蒼井恭也(あおい きょうや)。とある悩みを抱えている大学二年生。
その悩みというのは、恥ずかしくて誰にも言ったことは無いのだが、自慰が上手くできない。
詳しく言うと、中々勃たなかったり、射精に時間がかかったりしてしまう。性欲も多分、他の人よりない。
ネットで調べてみたりするけど、よく分からない。だからと言ってクリニックで相談するのはお金がかかるし、なんだか恥ずかしい。
性欲が無いから別にいいけど、今後彼女が出来た時の為にも解決しなければならない悩みだ。
そんな悩みを抱えている俺はSNSの投稿を見漁っていた。
そんな時、ひゅーがというアカウントのとある投稿を目にした。
『男性の方で一人で上手く出来ない人。性交渉が上手くできない人。恥ずかしくて言いにくい相談も受けます。興味のある方はDMまで』
何となく気になり、ひゅーがさんのプロフィールに飛ぶ。
またクリニック関連かと思ったが、別にクリニックという訳じゃないらしい。
ただの親切心かな。でも、そんな事有り得るのかな。お金とか取られるのかな。
俺は何故か惹きつけられて、DMに飛ぶ。
『あの、相談したいことがあるんですけど』
そう送ってからハッとする。
やばい。送っちゃった。どうしよう。
急に我に返り焦っていると、すぐに返信が来る。
『どうしましたか?』
「返信早っ」
暇してたのかな。凄い早い。てか、返信来ちゃったし今更なんでもないですは失礼だよね。でも、お金の事だけは聞いておこう。
『その前に、お金とかってかかりますか?』
送ってすぐに返信が来る。
『初回は無料ですよ。詳しい事はまたお話します』
初回は無料。やっぱりお金かかるよね。
まぁ、初回無料だし、一回相談乗ってもらおうかな。
『分かりました。相談の内容なんですけど、実は自慰が上手く出来ないんです。』
そう送ると、少しして返信が来る。
『なるほど。詳しく聞きたいので、会って話しましょう。ご都合のいい日はありますか?』
えっ。まぁ、そうだよね。会って話した方がいいか。
でも、本当に大丈夫かな。なんかやばいやつに手突っ込んでないよね。これ。
そんな不安に駆られていると、続けてメッセージが来る。
『怖かったら電話でも大丈夫ですよ』
電話か。なんか、逆に緊張しそう。だったら会って話した方がいい気がするな。
『大丈夫です。今週末はいかがでしょうか?』
『今週末ですね。承知致しました。時間は来る前に連絡してくれれば何時でも大丈夫です。当日、ここに来てください。チャイム鳴らしてくれれば出ますので』
そのメッセージと一緒に住所が送られてくる。
マップで調べてみると、普通の家より少し大きい家。
本当にお店とかじゃないんだ。それか、中はお店みたいになってるのかな。
色んな疑問を抱えながらも、当日を迎えた。
昼過ぎ、ひゅーがさんに連絡したあと、DMに送られてきた住所へ向かう。マップで見た通り、少し大きい家。
俺は深呼吸をした後、チャイムを鳴らす。
少し待つと、扉が開いた。
出てきたのは、モカっぽい髪色の爽やかでモテそうなお兄さん。
(この人、かっこいいな…)
見惚れてしまうほど、かっこいい。
「こんにちは。あおくん?」
“あお”は俺のSNSのアカウント名だ。蒼井から取った。
「はい。そうです」
「いらっしゃい。あがって」
ひゅーがさんはニコッと笑い、扉を限界まで開いた。
「お邪魔します」
中に入り靴を脱いだ後、ひゅーがさんについて行く。廊下を歩いていると、向かいから誰かが歩いて来ているのが見えた。
何故かその人はパンツ一丁だ。
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俺はなんだか恥ずかしくなり、見ないようにする。
というか、他にも人がいるのか。
ひゅーがさんはその人を見て、少し怒った口調で言う。
「ちょっと零斗(れいと)。初回の人がびっくりしちゃうから服着ろって言ってるでしょ?」
「うるせぇな。最近あちぃし、この格好が楽なんだよ」
零斗という人はひゅーがさんの前で立ち止まる。そんな零斗さんを見てひゅーがさんも立ち止まったので、俺も続いて立ち止まった。
「今日初回の人来るって言ったじゃん。その日くらい服着てよね」
「やだね。これが楽なんだよ」
「もう。じゃあ、あおくんにあんまり見せないようにしてよ」
「あおくん。この子、あおって言うの?」
零斗さんは興味深そうな顔で俺の方に来る。
せっかく見ないようにしてるのに、なんで来るの。
「なぁ、あお。次は俺にしてみねぇか?」
「えっ?」
俺は思わず、顔をあげる。
黒髪でチャラそうでなんだか少しセクシーだ。
なんか、凄い所に来ちゃったかも。この人すごい距離近いし。俺この後喰われたりしないよね…。
そう思っていると、ひゅーがさんは零斗さんの肩を掴み、俺から離させながら言う。
「はいはい。この子とりあえず相談だけだから。もう行ってくださ〜い」
「何だよ。お前から話しかけて来たくせに」
「注意しただけね。じゃあ、もう行くから。ほら、あおくん。行くよ」
そう言ってひゅーがさんは歩き出す。そんなひゅーがさんに俺も着いて行った。
歩きながら、ひゅーがさんに聞く。
「あの人、同居人ですか?」
「あぁ、うん。まぁここ、シェアハウスみたいな感じだから。さっきの人は零斗ね。もう一人泰輝(たいき)って人がいるけど、あんまり部屋から出てこないかな」
「そうなんですね」
少し歩き、階段を登ると、扉がいくつか見えた。
右側の手間には『零斗』のネームプレート。左側の手前は『陽雅』のネームプレート。その奥は何も書かれていなくて、向かいには『泰輝』のネームプレート。階段の突き当たりには『物置』と書かれたネームプレートがかかっている。
ひゅーがさんは『陽雅』と書かれた扉の前で立ち止まる。
「ここ、俺の部屋。ここで話聞くから」
「はい。分かりました。ひゅーがさんってそのままひゅうがって名前なんですね。漢字、これですか?」
俺がネームプレートを指差すと、ひゅーがさんは頷く。
「そう。陽雅」
「おぉ。この漢字の通り、太陽が似合いそうですね」
その言葉を聞いた陽雅さんの顔から笑顔が消える。
「…俺は太陽なんて似合わないよ。まぁ、そんな事は置いといて、どうぞ。入って」
陽雅さんはニコッと笑った後、扉を開いた。
“太陽なんて似合わない”そう言った時の顔が何故か少し寂しそうに見えた。
そんな陽雅さんは部屋の中に入っていった。
「失礼します」
部屋に入り、辺りを見回す。
部屋の中は普通の部屋とそんなに変わりなかった。ベッドや棚があり、四角いカーペットの上に小さめの机が置いてある。
陽雅さんはその机の前に座り、向かいに座るように促す。俺は陽雅さんの向かいに座った。
「じゃあ、早速話そっか。大丈夫かな?」
「大丈夫です」
そして俺は陽雅さんにどんな風に自慰が上手くできないのかを詳しく話した。
陽雅さんは少し考える素振りをした後、口を開く。
「なるほどね。じゃあ、実際に一人でしてる所、見せてくれない?」
そう言う陽雅さんの目に冗談の色は無かった。
コメント
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おお、読み終えたわ…これ続きめっちゃ気になるやつやん! 恭也くんの悩みがめっちゃリアルで、でもそんなことSNSで知り合った他人に相談しに行く勇気すごいなって思ったわ。陽雅さん、爽やかイケメンなのに「太陽なんて似合わない」って寂しそうに言うのがもう…何か過去あるやつやん。零斗のパンツ一丁登場もインパクト強すぎて草。 そして最後の「実際にしてる所見せて」って冗談抜きの目…ギャップ萌えというか背筋ゾワッとしたわ。続き読みたい!