〈 注意!! 〉
・これは完全妄想の物語となっております。
・御本人様とは一切関係がございません。
・キャラ崩壊にご注意ください。
・bl要素ちょっとありです。
※『視点主』「その他の人」〔”無線”〕です
[ヴァンダーマー視点]
目が覚めたら、そこは病室だった。
つんとした薬の匂いに白い天井、窓から入ってくる陽光。
その全てが、俺のどん底の思いを刺激する。
体は動かなかった。
よく見れば包帯だらけで、様々な管と繋がっている。
どうやらあの時、貫通以外にも攻撃をくらっていたようだ。
まだ動かせる目で辺りを確認する。
すると小さな机の上にメモを見つけた。
『「起きたら呼べ」…か、、』
そう濃くはっきりと書かれた文字の横には、呼び鈴も置かれていた。
特に押す気にもならずに静かに眺めていると、ドア付近でゴトッと何かが落ちたような音が聞こえた。
そちらに視線を向けると、今にも泣きそうな…いや、既に目を赤く腫らしたキミトスがいた。
「……ボス…、、!」
そう言って這うように側までやってくる。
「…よかった……よかったよぉ…ぼすぅ…」
バタバタバタッ!
「何があった!だいじょう、ぶ、、」
声が聞こえて来てくれたのだろう。
息を切らした命田が勢いよくドアを開ける。
「っ、ヴァンダーマー!!」
「やっと目覚めたか!」 「よかったぁ!」
駆けつけてきた他の救急隊員も口々にそう言っていた。
“やっと”ということは…随分長い間寝ていたのか?
なんて考えを読んだかのように命田が俺の今の状態を事細かく教えてくれた。
ありがたいが今はただ右から左へと声が流れていく。
(『まだ続きそうだな…』)なんてぼうっと考えていると、
「…あのっ!一旦ボスと2人で話すことは可能ですか…?」
途中でキミトスが割って入ってくれたようで、急に静かな空間に放り出された。
「…まずは、、無事でよかったです!、みんな本当に…本当に心配してたんですから…」
『…あぁ、すまなかったな…』
心配なんて必要ないのに。
「次に…抗争は勝利しました。あの後あちらのボスどころか…全員いきましたからね…」
『そうか、そりゃあすごい、よくやったな…』
嬉しいことだが、あの時の状況が一気に蘇って辛くなる。
「そして最後に…」
「、、ルーファスさんは無事ですよ。意識は……まだですけどね」
そういってキミトスはまた少し顔を暗くした。
裏腹に俺の鼓動は早くなっていく。
生きている…?ルーファスが……??
驚いて固まった俺を、怒っていると勘違いしたのだろう。
キミトスが苦しそうな表情で謝ってきた。
「っごめんなさい!、、、俺らが…もっと強ければ…ボスも……ルーファスさんも…」
『違う!…そんなことはない、決してな』
『…他の仲間たちも皆無事なのか?』
「えぇ、もうみんな元気に日常を過ごしてますよ」
多少入院したりもしましたけどね、と言ってはいたが、まぁアイツらなら大丈夫だろう。
『じゃあ…ルーファスの容態はどうなんだ?』
「その件は…俺から話そう」
外で聞いていたのだろう。命田が部屋に入ってきた。
反対にキミトスは「みんなに伝えてきます」と言い残し、この場を去った。
『今はどこにいる?すぐにでも会いたいのだが…』
「、はー…わかったよ、移動用に管変えるからちょっと待ってろ」
深く溜め息をついた後、器具の準備を始めた。
「抜くのも入れるのも痛いからな?…我慢してろよ」
ツーンと鼻の奥に響いたが、そこまで酷い痛みではなかった。
そのまま車椅子に乗せられ、連れて行ってもらう。
まだ俺の体は歩けないらしい。
ルーファスは救急隊のオフィスを挟んだ隣の部屋に寝かされていた。
さっきの俺よりも多くの管で繋がっている。
聞くに…心臓を射抜かれたようだ。
「まだいつ目が覚めるかは…」
命田は俯き気味にそう言った。
『、だが生きているのだろう?』
それならどうにでもなる、よかった…本当に
少しずつ回復してきているようで、最近普通の病室に移ったそうだ。
「…まぁ、お前もまだ治ってないんだから安静にしててくれよ?」
『…善処はしよう』
頼むぞ?本当にと念を押された。
それから毎日のように色んな人がお見舞いにきてくれた。
MOZUだけじゃなくアンブレラ、オールイン、警察や市長まで。
面会時の病室は結構騒がしかったが、白い壁を眺めるしかない俺にとってはすごく楽しかった。
それ以外の時間はずっと自由だった為、何度も何度もルーファスの病室を尋ねた。
行くときに救急隊のオフィスの前を通るから、必ず誰かに「どこにいくのか」と声を掛けられた。
まぁ、ルーファスの元だと言えば何も言ってこなかったがな。
そんなことを繰り返していたからだろう。
俺はルーファスと同じ病室に移してもらえることになった。
俺は管がほとんど取れ、ルーファスも随分減ってきていた。
それからはもうリハビリの毎日。
まずは病院内の散歩から。
少しずつ、少しずつだが動けるようになっていった。
いつも通りリハビリを終えて、今日あったことをルーファスに語りかけていた。
返事はないとわかっていたが、横にいられるだけで嬉しかった。
少し天井を見上げてからベッドの方に視線を戻すと、ルーファスと目が合った。
幻覚かと疑って震えながら声をかける。
『ルーファス…起きたのか…?』
「、、ダーマー様」
『っどうした、どこか痛むか?!痛むよな、すぐに人を呼んでくるか…』
服の裾を本当に小さな力で引っ張られた。
静かにそちらに顔を向ける。
「……ご無事で、、よかった…」
そういうルーファスの頬は濡れていた。
『…ッグこっちの台詞だ、、馬鹿野郎……』
きっと俺も泣いていたのだろう。
その後は交互に謝りながらも、お互いが生きていた喜びを噛み締め、笑い合った。
もう絶対に手放しはしない。
今日も明日もずっとこの笑顔を守り続ける。
そう心に誓い、横にいる彼を見つめた。
守りたかった[ 完 ]
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